完全栄養食(※)として人気商品となっているベースフード株式会社のベースクッキーですが、栄養満点のお菓子と言えば大塚製薬から販売されているカロリーメイトを思いつく方も多いと思います。
バランス栄養食カロリーメイトと完全栄養食(※)ベースクッキーとの違いは何なのか、本記事では栄養・値段・味の観点から両商品を比較しています。
結論から言えば、ベースクッキーとカロリーメイトの違いとしては次のような点があげられます。
- カロリーベースの値段だけ見ると、カロリーメイトの方が圧勝している
- 一方で栄養面に関してはベースクッキーが圧勝
- ベースクッキーのココナッツ・さつまいも味はカロリーメイトより美味しい
カロリーメイトはベースクッキーと比較して、カロリーあたりの値段はかなり安い
まずはカロリーメイトとベースクッキーの値段から見ていきましょう。
ベースクッキーはベースフード公式サイト、AmazonなどのECサイト、ファミリーマートを中心とする実店舗の主に3形態で販売されています。
ベースクッキーは購入方法によって価格差が大きい商品ですが公式HPからの購入の場合、最安値だと136円・最高値だと170円になります。
一方カロリーメイトも購入する店舗によって値段差があり、コンビニでは216円・ドラッグストアでは159円程度で販売されていることが多いです(特価販売だと140円以下で売られていることもあるようですが、通常価格ではないため無視します)。
これらの金額を元に計算を行いますが、ベースクッキーとカロリーメイトは1箱(1袋)に含まれるカロリーが異なるため、100kcalあたりの金額に合わせて計算しています。
またベースクッキーは5種類の味があり、味によって1袋あたりのカロリーに若干差があるので(152~159kcal)、ここでは1袋155kcalで計算しています。
なおカロリーメイトは味の種類に関係なく1箱4本入りで400kcalですので1本(100kcal)を基本として計算しています。
早速両者の100kcalカロリー当たりの単価を計算すると、次のような結果となります。
商品名 | 100kcalあたりの値段 |
---|---|
ベースクッキー | 87~110円 |
カロリーメイト | 40~54円 |
カロリーベースで考えると、カロリーメイトはベースクッキーの半分の値段で販売されており、値段に関してはカロリーメイトがベースクッキーを凌駕していることがわかります。
カロリーを取得するだけの目的であれば、ベースクッキーよりカロリーメイトを摂取したほうがお得だと言えますね。
ちなみにカロリーメイト1本分のカロリーに相当するベースクッキーを画像で紹介すると次のようになります。
カロリーメイトと1本と、ベースクッキー10枚ちょっとが同一カロリーとなります。
また同一カロリーで比較すると、カロリーメイトとベースクッキーの重さは次のような違いがあります。
カロリーメイトよりベースクッキーの方が重いことがわかります。
カロリーメイトは中身にギュッとカロリーが詰まっているのでしょう。
ベースクッキーはカロリーメイトと比較すると栄養がかなり豊富
次にベースクッキーとカロリーメイトの栄養について解説します。
食品の栄養素は五大栄養素と呼ばれる栄養素に分類され、その内訳と役割は次のとおりです。
- 炭水化物・脂質・タンパク質⇒エネルギー源(カロリー)
- ビタミン・ミネラル⇒健康維持・体調管理
これらの五大栄養素をどの程度摂取すればよいかについては、厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準」に掲載されており、必要な摂取量は性別・年齢によって異なります。
五大栄養素のうちタンパク質・脂質・炭水化物はとくに三大栄養素と呼ばれ、我々が活動するのに必要な熱量(カロリー)は三大栄養素から吸収します。
また1日のカロリーのうち、三大栄養素それぞれをどの程度の割合で摂取すべきか(PFCバランス)に関しても前述の食事摂取基準に掲載されており、成人であればその比率は次の通りです。
- 糖質 50-65%
- 脂質 20-30%
- タンパク質 13-20%
またビタミン・ミネラルは我々の健康を維持するために必要な栄養素で、欠乏によりさまざまな疾病になるリスクが高くなることが知られています。
例えば慢性的にビタミンAが不足すると、薄暗いところで目が見えにくくなりやがて夜盲症と呼ばれる病気になります。
これらを踏まえて、ベースクッキー・カロリーメイトからどの程度の三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)およびビタミン・ミネラルが得られるのか、またその数字を厚生労働省の数値と比較していきます。
三大栄養素はカロリーメイトと比較するとベースクッキーが優れている
まずはベースクッキーとカロリーメイトの三大栄養素と、厚生労働省が定める数値とを比較します。
数字は30代男性で活動レベルが中程度の男性を基準にしており、想定摂取カロリーは900kcalです。
これは男性が1日に必要なカロリー2700kcalの1/3、つまり1食分として一度に900kcalを摂取した場合を基準にしています(実際に1食分すべてをカロリーメイトやベースクッキーで済ます人はあまりいませんが、便宜上)。
まずカロリーメイトを900kcal分摂取すると、得られる三大栄養素は次のようになります。
黒の線が厚生労働省が定めるたんぱく質・脂質・糖質の上限と下限(900kcal換算)で、その他がカロリーメイト各種のPFCバランスです。
このグラフからカロリーメイトはかなり脂質が多いことがわかります。
カロリーは炭水化物・脂質・タンパク質から得られますので、脂質が多いということはつまりたんぱく質と炭水化物含有量が少ないことを意味しており、実際カロリーメイトのPFCバランスは上記のように炭水化物・たんぱく質は厚生労働省が定める値を下回っています。
というか三大栄養素はすべて厚生労働省が定める値から外れており、カロリーメイトのPFCバランスはお世辞にも良いとは言えません。
次にベースクッキーのPFCバランスを見てみましょう。
ベースクッキーのPFCバランスもやはり脂質が多いのがわかりますが、カロリーメイトと比較すると脂質量は少な目です。
カロリーメイトはカロリーの半分以上が脂質で構成されていますが、ベースクッキーはそこまで脂質過剰ではありません。
そのためカロリーメイトでは不足していたたんぱく質がベースクッキーでは厚生労働省が定める範囲内に収まっています。
このように両者とも脂質が多いという特徴を持っていますが、カロリーメイトの方が圧倒的に脂質の割合が多くなっており、結果として糖質とタンパク質がベースクッキーよりも少なくなっているのがわかります。
これらのことより、ベースクッキーはカロリーメイトと比較して三大栄養素に関しては優れた商品であると言えるでしょう。
ビタミン・ミネラルを比較しても、ベースクッキーがカロリーメイトよりも優れていると言える
次にベースクッキーとカロリーメイトのビタミン・ミネラルを比較します。
まずカロリーメイトを900kcal摂取した場合のビタミン・ミネラル含有量を調査しました。
中央の黒い丸線が厚生労働省が定める値です。
グラフの右半分がビタミン、左半分はミネラルを示しています。
カロリーメイトはビタミンがかなり豊富に含まれていますが、ミネラルはほとんど無いことがわかります。
カロリーメイトは1日で1/2のビタミンを摂取できるという触れ込みなので確かにビタミン含有量はかなり多いと言えます。
しかしミネラルがあまりにも無残な結果なので、はたして栄養バランスが良いと言えるのかは疑問です。
次にベースクッキー900kcal分のビタミン・ミネラル含有量をご覧ください。
中央の黒い丸が小さくなっているのはベースクッキーのビタミン・ミネラル含有量が多すぎるからです。
あなたがベースクッキーを1食分(900kcal)摂取したとすると、素晴らしいことに、全てのビタミン・ミネラルを厚生労働省が定める値以上補給できることがわかります。
このようにPFCバランス・ビタミンミネラルについて、カロリーメイトとベースクッキーの比較を行いました、栄養面についてはベースクッキーがカロリーメイトを大幅に上回っていると言えます。
ちなみにベースクッキーは種類によって五大栄養素の配分が若干異なるため、ベースクッキーの種類による栄養の違いやベースクッキーの栄養に関するより詳しい情報を知りたい方はリンク先の記事を参照お願いします。
ベースクッキーを市販のクッキーと比較すると?
ベースクッキーと比較すると栄養面の不足が見られるカロリーメイトですが、市販されているクッキーと比較するとどうでしょう?
個人的に好きなクッキーである、ムーンライトクッキーのPFCバランスとビタミン・ミネラルの含有量を見てみましょう。
まずはムーンライトクッキー・カロリーメイト・ベースクッキーをそれぞれ900kcal分食べた時の糖質・脂質・タンパク質(PFCバランス)を比較してみます。
赤い線で示したムーンライトクッキーは、グラフを見る限りカロリーメイトと差異がないように見えますが、タンパク質量に決定的な違いがあります。
ムーンライトクッキーにはたんぱく質が殆ど含有されておらず、カロリーの多くは糖質と脂質から構成されています。
具体的に数字をあげると、900kcal中に含まれるたんぱく質は次の表のようになります。
- ベースクッキー(さつまいも味) 161kcal
- カロリーメイト 78.3kcal
- ムーンライトクッキー 42.9kcal
カロリーメイトにはベースクッキーの半分しかたんぱく質が含まれませんが、ムーンライトクッキーはさらにその半分のたんぱく質しか含まれていません。
つまりムーンライトクッキーはカロリーメイトやベースクッキーと比較するとかなりPFCバランスが悪いと言えるでしょう。
実はムーンライトクッキーに限らず、一般的なクッキーは糖質と脂質のかたまりです。
逆に言えばベースクッキーは「クッキーなのにたんぱく質がかなり豊富」な商品で、カロリーメイトもそれなりにタンパク質が豊富なクッキー(?)であると言えるのです。
次にムーンライトクッキー900kcalに含まれるビタミン・ミネラルを比較したかったのですが、グラフで示すほど含まれておらず、次の2点が含まれているのみです。
- リン 107.1mg
- カリウム 150mg
上記の数字は、それぞれ1食に必要とされる量の12.2%と26.2%にあたります。。
ムーンライトクッキーに含まれる上記以外のビタミン・ミネラルは0%ですので、カロリーだけとれても健康に必要な栄養素が全く摂取できないことになってしまいます。
いくらクッキーを食べてお腹を満たしても健康にはなれない、「おやつばっかり食べていると体を壊すよ!」という言葉はまさにこのことを表していると言えます。
結局のところ、市販のクッキーと比較するとベースクッキーはすごく栄養面が豊富なクッキーと言えますし、カロリーメイトもベースクッキーには劣るものの、かなり栄養面で優秀な食品だと言えるのです。
ベースクッキーとカロリーメイトの味を比較すると?
最後にベースクッキーとカロリーメイトの味を比較してみます。
味は個人の好みの問題がありますので「どちらが美味しい」と断言するのは難しいですが、個人の好みとネット上での評判を加味して順位付けします。
結論から言えば、ベースクッキーとカロリーメイトの味を比較すると次のように感じます。
ベースクッキーココナッツ・さつまいも味・ココア味はカロリーメイト4種類と同等かやや上、ベースクッキー抹茶味・アールグレイ味はカロリーメイト4種類以下と言えます。
ベースクッキーのうち、ココナッツ味とさつまいも味に関しては多数存在する完全栄養食(※)の中でもかなりおいしい部類に入り、カロリーメイトの味と比較しても遜色が無いと言えます。
ベースクッキーココア味は2022年10月にリニューアルされたことにより、味が大幅に改善されました。
以前はカロリーメイトより美味しくないと感じていましたが、「ザクザク」した食感が「サクサク」したものとなり、チョコレート味が好きな方にふさわしい商品になっています。
ベースクッキーの抹茶味に関しては、個人的に抹茶があまり好きではないためカロリーメイトのほうが美味しいと感じますが、抹茶好きな方であればカロリーメイトより好きと感じるでしょう。
アールグレイ味は、「ザクザク」した食感が不評だったのですが、2022年10月にリニューアルされてから大幅に味が改善され「普通に食べられる」クッキーとなっています。
とはいえベースクッキーの中では一番美味しくなく、カロリーメイトよりも味は劣るのではないかと考えています。
ベースクッキーの美味しさや、どのベースクッキーが一番おいしいかなどについては別途記事を書いていますので、参照いただければと思います。
ベースクッキーとカロリーメイトの比較まとめ
ここまでベースクッキーとカロリーメイトについて、値段・栄養・味について比較してきましたが、まとめると次のようなことが言えます。
カロリーと値段の関係だけに着目するとカロリーメイトが勝っている、つまりコストパフォーマンスが良いと言えます。
しかしながらベースクッキーはその値段差を埋められるほど十分な栄養が含まれています。
特にビタミンとミネラルに関してはベースクッキーに十分すぎるほど含まれており、クッキーには不足しがちタンパク質が豊富に含まれている点も評価できます。
味に関しては個人差があるかと思いますが、ベースクッキーのココナッツ味とサツマイモ味は美味しい部類であると言え、カロリーメイトより美味しいと言えます。
これらのことからベースクッキーは、健康志向が高くて栄養に対して対価を支払っても良いと思う方に、ふさわしい商品であると言えます。
一方でカロリーメイトもベースクッキーよりは栄養面で劣るものの、カロリーを安く摂取したいと考える方にはお買い得な商品であると言えるでしょう。
またベースクッキーをどこで購入すれば最も早く安く手に入れることができるのか、ベースクッキーの原材料や安全性について知りたい方向けの記事なども書いていますので、読んでいただければ幸いです。