ベースクッキーの原材料と添加物を徹底検証

ベースクッキーの原材料・添加物

ベースクッキーは健康に強く関心を持っている方をターゲットとしているため、ベースクッキーに含まれる原材料や添加物を知りたいと思っている方も多いようです。

ですので、今回は次のような疑問をお持ちの方を対象にして記事を書いています。

  • ベースクッキーは完全栄養食※って言うけど食べるのが怖い
  • ベースクッキーの中に何が入っているのか疑わしい
  • 何よりベースクッキーの安全性が気になる

ベースクッキーは「完全栄養食※」を売りにしており、脂質・タンパク質・糖質のPCFバランスに優れ、その他の栄養素も豊富に含まれるため、健康志向が高く「おやつも健康的に摂りたい」と考えている人にとっては最適の商品であると考えています。

一方で「完全栄養食※」という看板を掲げる以上は、その安全性や原材料・添加物についてクリアにしておきたいですよね。

結論から言えばベースクッキーの原材料・食品添加物については次のようなことが言えます。

  • ベースクッキーは健康食品によく用いられる原材料が使用されている
  • 添加物に着色料・保存料・酸化防止剤などは使用されていない
  • 1歳未満にベースクッキーは与えてはいけない
  • 小児に対しては過剰にベースフードを与えない方が良い

上記の理由を解説するとともに、ベースクッキーの原材料と添加物に何が使用されているかを調べ、安全性について検証しています。

注釈

※栄養素等表示基準値に基づき、脂質・飽和脂肪酸・n-6系脂肪酸・炭水化物・ナトリウム・熱量を除いて、  すべての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含む。

目次

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ベースクッキーと一般的なクッキーの原材料・添加物を比較

まず最初に、家庭用クッキー、スーパーで販売されているクッキー(今回はムーンライトクッキーを選択しました)、ベースクッキーそれぞれの原材料の違いを見てみましょう。

それぞれの原材料を羅列すると次のようになります。

家庭用のクッキームーンライトクッキーベースクッキー
小麦粉小麦粉小麦全粒粉
バター砂糖黒砂糖
砂糖ショートニング食用植物油脂
卵黄鶏卵大豆たんぱく
バターオイルアーモンドパウダー
植物油脂さつまいも
マーガリン卵黄粉末
卵黄食物繊維
食塩乳タンパク
米ぬか
小麦たんぱく
卵白粉末
でん粉分解物
粉末油脂
昆布粉末

家庭で作るクッキーの原材料は実に単純で、作り方は「バター・砂糖・鶏卵を混ぜ、小麦粉をふるい入れて冷蔵庫で寝かせ、カットしてからオーブンで焼く」です。

バターは食感を軽くしたりサクサクさせる目的で使用されるのですが、ムーンライトクッキーの場合は、食感改善の目的でショートニング・バターオイル・植物油脂・マーガリンの4種類が使用されています。
一方でベースクッキーはバターの代用として食用植物油脂と粉末油脂が使用されています。

またベースクッキーは小麦粉の代用に小麦全粒粉が、砂糖の代用に黒砂糖が、鶏卵の代わりに卵黄粉末と卵白粉末が使用されていることがわかります。

ムーンライトクッキーは鶏卵の代用に卵黄(と鶏卵)が使用されていますね。

すこしややこしいので、原材料を用途別にまとめると次の表のようになります。

家庭用のクッキームーンライトクッキーベースクッキー
小麦粉小麦粉小麦全粒粉
砂糖砂糖黒砂糖
バターショートニング
バターオイル
植物油脂
マーガリン
食用植物油脂
粉末油脂
鶏卵鶏卵・卵黄卵黄粉末・卵白粉末
食塩大豆たんぱく
アーモンドパウダー
さつまいも
食物繊維
乳タンパク
米ぬか
小麦たんぱく
でん粉分解物
昆布粉末

後述しますが、ベースクッキーに使用されている小麦全粒粉は小麦粉よりビタミン・ミネラルが豊富であり、黒砂糖も砂糖よりミネラルが豊富に含まれていることが知られています。

またクッキーの原材料は驚くほど簡単で、4種類の原材料が揃えば作ることができるのですが、ベースクッキーには4種類の原材料に加え「大豆たんぱく・アーモンドパウダー・さつまいも・食物繊維・乳タンパク・米ぬか・小麦たんぱく・でん粉分解物・昆布粉末」が使用されています。

これらの原材料は大半がベースクッキーに栄養を付与するために使用されていると考えられ、健康食品に使用されることも多い成分が使用されています

またムーンライトクッキーに含まれるショートニングやマーガリンは使用すればサクサクした食感が増して口当たりが良いクッキーが完成するのですが、トランス脂肪酸が多く含まれているため、多量に摂取しない方が良い原材料として知られています。

一方でベースクッキーはムーンライトクッキーほどサクサクした食感は無く、同一カロリーで比較するとムーンライトクッキーより脂質が20%程度少ない構成となっています。

これらのことからベースクッキーは、美味しさよりも栄養や健康に重点を置いた製品であることが伺えるのですが、この記事では「なるほどベースクッキーは原材料にこだわっているんだな」ということがわかるよう、さらに掘り下げて解説を行っていきます。

なお栄養に重点を置いているからと言って、ベースクッキーは決して不味いわけではありません(かつてはまずい味もありましたが・・笑)。

ベースクッキーの原材料は製造所によって異なっていたが・・

ベースクッキーは2022年6月現在で5種類の味が展開されており、内訳は次のとおりです。

  • 2021年6月発売の「ココア味」と「アールグレイ味」
  • 2021年11月発売の「さつまいも味」「ココナッツ味」「抹茶味」

実は「ココア味」「アールグレイ味」の2種類と、「さつまいも味」「ココナッツ味」「抹茶味」の3種類は異なる企業で製造されています。
前者は愛知県にある株式会社シルビアという会社、後者は埼玉県にある関東パック株式会社という会社が製造しています。

先発02種類の製造工場
後発03種類の製造工場

2社は商品の製造から包装、配送を行っている会社であり、ベースフード株式会社のみならず多種多様な食品の製造を行っています。
つまりベースフード株式会社は自社で製造所を持たず、完全栄養食(※)の企画と販売を行い、製造業務は他社へ委託していることになりますね。

2022年10月以前は株式会社シルビアと関東パック株式会社で、使用されているクッキーの原材料にある程度の差異が見られ、食感も大きく異なっていました。
しかし2022年10月に「ココア味」「アールグレイ味」がリニューアルされて以降は、種類(味)による原材料の差異は殆ど見られなくなり、味付けとして以下の原材料が含まれているか否かだけの違いになりました

  • ココア味   →ココアパウダー・コーヒー豆
  • アールグレイ →紅茶
  • ココナッツ  →ココナッツファイン
  • 抹茶味    →抹茶
  • さつまいも味 →さつまいも

また食品添加物は、ベースクッキー5種類全て同じ構成(4種類)となっています。

ベースクッキーの原材料を解説

ではまず最初にベースクッキー5種類の原材料を見ていきましょう。

なお原材料表示の順番は、使用した各原材料の重量の大きい順です。

使用されている原材料それぞれの量をグラムで考えた時、水を除いてグラム数が大きいものから順番に並べられていますので、参考にしていただければと思います。

ココア味アールグレイ味ココナッツ味抹茶味さつまいも味
小麦全粒粉小麦全粒粉小麦全粒粉小麦全粒粉小麦全粒粉
黒砂糖黒砂糖黒砂糖黒砂糖黒砂糖
食用植物油脂食用植物油脂食用植物油脂食用植物油脂食用植物油脂
大豆たんぱく大豆たんぱく大豆たんぱく大豆たんぱく大豆たんぱく
アーモンドパウダーアーモンドパウダーアーモンドパウダーアーモンドパウダーアーモンドパウダー
ココナッツファインさつまいも
卵黄粉末卵黄粉末卵黄粉末卵黄粉末卵黄粉末
ココアパウダー抹茶
食物繊維食物繊維食物繊維食物繊維食物繊維
乳タンパク乳タンパク乳タンパク乳タンパク乳タンパク
米ぬか米ぬか米ぬか米ぬか米ぬか
小麦たんぱく小麦たんぱく小麦たんぱく小麦たんぱく小麦たんぱく
紅茶
卵白粉末卵白粉末卵白粉末卵白粉末卵白粉末
コーヒー豆
でん粉分解物でん粉分解物でん粉分解物でん粉分解物でん粉分解物
粉末油脂粉末油脂粉末油脂粉末油脂粉末油脂
昆布粉末昆布粉末昆布粉末昆布粉末昆布粉末

先に述べたように、ベースクッキー5種類は原材料はほぼ同一であり異なるのは上記表のうち、赤色のマーカー部分が「味付け用」として異なるだけです。

まずはそれぞれ異なる「味付け用」の原材料から解説し、次に原材料の重量の多い順に解説を行います。

ベースクッキーココア味の原材料「ココアパウダー」

ベースクッキーココア味の原材料となるココアパウダーは、カカオ豆を発酵・乾燥させた後に焙煎してすりつぶした「カカオマス」から、カカオバターと呼ばれる成分を取り除き、粉末状にしたものです。

「カカオマス」はチョコレートの原材料となることから、実際にベースクッキーココア味を食べてみると「チョコレート味」っぽいと感じます。

ココアパウダーは家庭でのココアクッキー作りにも使用されているため、安全性には何ら問題ないと言えます。

ベースクッキーココア味の原材料「コーヒー豆」

コーヒー豆は、ご存じのとおりコーヒーを淹れる時に使用する材料ですね・・

ベースクッキーココア味の原材料に使用されているコーヒー豆は全体に占める割合が小さい(重量が小さい)ことから、おそらくは苦みを付けるために使用されているのではないかと考えられます。

実際にベースクッキーココア味を食べてみると、ほんのり苦みがあり「ココアを食べている感」が演出されています。

コーヒー豆とココアパウダーは、ともにカフェインが含まれています。

ココアパウダーに含まれているカフェインは一般的に微量であり、ベースクッキーココア味に使用されているコーヒー豆も微量であることから、それほど多くのカフェインは含まれていないと考えられます。

しかし一般的に幼児にはカフェインは与えない方が良いことから、3歳未満のお子様はベースクッキーココア味を摂取しないほうが良いのではないかと考えられます。

ベースクッキーアールグレイ味の原材料「紅茶」

紅茶は摘み取った茶の葉と芽を乾燥させ、もみ込んで完全発酵させたものです。

ベースクッキーアールグレイの原材料として紅茶が使用されているのは、味や風味付けを目的としているからだと思われます。

紅茶にもコーヒー豆同様、カフェインが含まれているため3歳未満のお子様にはベースクッキーアールグレイ味は与えない方が良いでしょう。

ベースクッキーココア味の原材料「ココナッツファイン」

ココナッツファインとは、ココナッツを粗挽きにしたものでココアパウダーより少し粒子径が大きいものです。

ベースクッキーココナッツ味の原材料である「ココナッツファイン」は、ココナッツ味の味付けと風味付けを目的としているものと考えられます。

ベースクッキー抹茶味の原材料「抹茶」

抹茶味なので抹茶が原材料で含まれている・・・

実に単純な話ですね笑

とはいえやはり抹茶にもカフェインが含まれていますので、3歳未満のお子様には「ココア味」「アールグレイ味」同様ベースクッキー「抹茶味」は与えない方がが良いと考えられます。

ベースクッキーさつまいも味の原材料「さつまいも」

さつまいも味の原材料として「さつまいも」が含まれている!

こちらも「抹茶味」と同様、単純な話です笑

なおカフェインが含まれている関係で、3歳未満のお子様に与えた方が良いベースクッキーの種類は「さつまいも味」と「ココナッツ味」2種類のみとなっています。

次に味・風味付け以外でベースクッキーに含まれている原材料を見ていきましょう。

小麦全粒粉は小麦粉よりもビタミン・ミネラルが豊富

一般的なクッキーは、原材料として小麦粉が使用されていることが多いのですが、ベースクッキーには小麦全粒粉が使用されています。

小麦粉は小麦の表皮と肺芽を除いた胚乳部分を粉にしたものですが、小麦全粒粉は表皮と肺芽を取り除かず、小麦をまるごと粉にしたものです。

小麦全粒粉
有限会社みうらや製麵より引用

小麦の構造は上記図のようになっています。

「胚芽」と「表皮」には食物繊維が多く含まれ、カリウム・鉄分・ミネラル・ビタミンB群も含まれています

ベースクッキーに含まれる原材料のうち、最も重量が大きいものは小麦全粒粉であることから、小麦全粒粉に含まれる栄養素がベースクッキーの豊富な栄養に寄与しているものと考えられます。

一方で小麦全粒粉のデメリットとして、口当たりが悪くなることなどが知られており、ベースクッキーの食感がほかのクッキーと異なるのは、原材料として小麦全粒粉を使用しているからなのかもしれません。

黒砂糖はミネラルが豊富だが1歳未満には与えられない

一般的なクッキーには原材料として「砂糖」(おそらくは上白糖)が使用されていますが、ベースクッキーに使用されている原材料は黒砂糖です。

上白糖も黒砂糖もサトウキビから製造され、精製(不純物を取り除く)回数が多いのが上白糖、少ないのが黒砂糖です。

精製回数の少ない黒砂糖には、カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄などのミネラルが豊富に含まれており、健康食品として扱われることが多いです。

一方で不純物が多いため、苦みが砂糖に比べると強く、またボツリヌス菌の芽胞が含まれてしまうことがあるため1歳未満の乳児には与えることができません

ベースクッキーが黒砂糖を使用しているのは、小麦全粒粉と同様、豊富に含まれる栄養素が目的であると思われます。

食用植物油脂にはトランス脂肪酸が含まれているが

食用植物油脂は名前のとおり植物から抽出して作った油が原材料となっていますが、食用植物油脂にはトランス脂肪酸が含まれていることがあります

常温で液体の植物油や魚油から、半固体又は固体の油脂を製造する加工技術の一つに「水素添加」があります。水素を添加することで不飽和脂肪酸の二重結合の数が減り、飽和脂肪酸の割合が増えますが、これによってトランス脂肪酸ができることがあります。

農林水産省のHPより引用

要は植物油を固形状にするために化学反応を起こした結果、トランス脂肪酸が発生することがあるということですね。

トランス脂肪酸は心臓病などの健康リスクを増加させることが指摘されているため、国際機関では1日の総エネルギーの1%未満にするよう勧告が出されているなど、一般的にトランス脂肪酸に良いイメージはありません

しかし農林水産省によると、日本人の場合はトランス脂肪酸の摂取量が低いため、過剰摂取についてはあまり気にする必要は無いと言われています。

農林水産省は、平成17~19年度(2005~2007年度)に実施した調査研究で、日本人が食品からとっているトランス脂肪酸の1人1日当たりの平均的な量は、0.92~0.96グラムであると推定しました。これは平均総エネルギー摂取量の0.44~0.47%に相当します。

農林水産省のHPより引用

また一般的なクッキーには原材料にショートニングが使用されていますが、ショートニングの場合もやはりトランス脂肪酸が含まれているため、クッキーにはトランス脂肪酸の問題は避けて通れないとも言え(後述しますが、幼児用ビスケットにも植物油脂が含まれています)。

ですのでベースクッキーの原材料として食用植物油脂が含まれていますが、それほど気にする必要はないと言えるでしょう。

大豆たんぱくはアミノ酸スコア100

大豆たんぱくはその名の通り大豆のたんぱく質です。

大豆たんぱくは大豆から大豆油を抽出した後の脱脂大豆を加工し、製造されています。

たんぱく質の優劣を測定する方法として「アミノ酸スコア」と呼ばれるものがありますが、他の牛肉や魚と同様、大豆はアミノ酸スコアが100ですので、非常に優れたたんぱく質であることがわかります。

ベースクッキーは原材料として大豆たんぱくを使用していますが、もちろん安全性に関しては問題ありません。

アーモンドパウダーの使用で風味とコクがうまれる

アーモンドパウダーはその名前の通り、アーモンドを粉末状にした製品です。

アーモンドパウダーはアーモンドの風味やコクなどを出すために使用され、クッキーの生地に混ぜることでサクサク感が増す役割を果たします。
また家庭内でクッキーを作る際にもアーモンドパウダーを使用すると、お店の味に近づけると言われています。

このようなことからベースクッキーの原材料にアーモンドパウダーが含まれているのは、風味をつけるためであると考えられます。

また栄養的にアーモンドパウダーはビタミンEが多く含まれており、安全性に関しても、アーモンドの粉であることから問題ないと言えますね。

卵黄粉末は液卵黄と同じくアミノ酸スコア100

卵黄粉末は卵黄を乾燥させ粉末状にした製品です。また粉末を水に溶かすことによって液卵黄に戻すことも可能で、要は「卵の黄身」を原材料に使用していると言って差し支えないでしょう。

卵黄は卵白と比較してビタミン・ミネラルが豊富に含まれており、卵のアミノ酸スコアも大豆たんぱくと同様に100であり、優れたたんぱく質源であることがわかります。

ベースクッキーの原材料に使用されている卵黄粉末も、当然ビタミン・ミネラルが豊富に含まれておりベースクッキーのバランスの良い栄養素に大きく寄与しています。

また卵はクッキーを製造するのに欠かせない原材料ですので、ベースクッキーに卵黄粉末が含有されていることには安全性に何ら問題がないと言えます。

食物繊維は循環器病などの発症率を抑制する

食物繊維は炭水化物の一種で、厚生労働省発表している日本人の食事摂取基準にも掲載されている、重要な栄養素の1つです。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」から引用すると、次のことが言われています。

食物繊維摂取量は、数多くの生活習慣病の発症率又は死亡率との関連が検討されており、
メタ・アナリシスによって数多くの疾患と有意な負の関連が報告されている稀な栄養素である。代表的なものとして、総死亡率 、心筋梗塞の発症及び死亡 、脳卒中の発症、循環器疾患の発症及び死亡、2型糖尿病の発症、乳がんの発症、胃がんの発症、大腸がんの発症などがある。例えば、食物繊維をほとんど摂取しない場合に比べて、20 g/日程度摂取していた群では心筋梗塞の発症率が 15% ほど低かったと報告されている。

日本人の食事摂取基準(2020年版)より引用

要は食物繊維を摂取すれば、上記のような疾患の発症率が抑制できるという報告があるということですね。

小麦粉等のみでは、ベースクッキーは「日本人の食事摂取基準」に適した食物繊維量が確保できないことから、食物繊維を原材料として追加しているのではないかと思われます。

もちろん食物繊維はは安全性に問題がない、というより積極的に摂取した方が良い原材料です。

乳タンパクは健康志向なクッキーによく使用されている

乳タンパクはミルクプロテインとも呼ばれ、乳由来のたんぱく質の総称です。

一般的なクッキーは脂質と糖質の塊で、たんぱく質は殆ど含まれていないのですが、ベースクッキー後発3種類は乳タンパクを原材料とすることでたんぱく質のを調整して(増やして)いるのではないかと思われます。

乳タンパクを使用したクッキーはたんぱく質を含むことから「健康志向なクッキー」として売り出されていることが多く、ベースクッキーもまた同様であると言えるでしょう。

米ぬかには玄米に含まれる90%が集中している

「ベースクッキーの原材料として使用されている米ぬか」って何?
という疑問に簡単に答えます。

イネから収穫(脱穀)された果実部分は籾(もみ)と呼ばれ、籾(もみ)から籾殻(もみがら)を取り除いたものが玄米ですね。

玄米の表面を削って(精米して)できたものが私たちがよく口にする白米、削りとられた粉の部分が「米ぬか」と呼ばれます。

米ぬか
毎日が発見ネットより引用

米ぬかには玄米に含まれる栄養の90%が含まれ、非常に栄養価が高い食品であり、「米ぬかクッキー」を自宅でつくる方もいらっしゃるくらいです。

もちろん米ぬかの安全性には問題ありません。

小麦たんぱくはタンパク質豊富

小麦たんぱくとは、名前の通り小麦のうちたんぱく質部分を抽出した製品です。

ベースクッキーは一般的なクッキーと比較するとタンパク質が豊富に含まれていますが、小麦たんぱくがベースクッキーの原材料として使用された結果、優れたPFC(タンパク質・脂質・糖質)バランスが形成されているのではないかと予想されます。

また小麦たんぱくは小麦由来のたんぱく質であるため、安全性に関しては問題ありません。

卵白粉末はたんぱく質が豊富

ベースクッキーの原材料である卵白粉末も卵黄粉末と同様、卵白部分を乾燥させて粉末状にした製品で、加水により液卵白に戻すことができます。

卵白には脂質が含まれていないことや、たんぱく質・カリウムが多く含まれていることが卵黄との相違点になります。

卵白もやはりクッキーによく含まれている原材料であるため、安全性には何ら問題はないと言えるでしょう。

でん粉分解物は食品の形状を維持するために使用されている

でんぷんは多糖類の炭水化物です。
ジャガイモなど、光合成を行う植物に豊富に含まれていることで知られていますね。

でんぷんは、加熱や加水、冷却などを行うことで形態変化することが知られており、様々な用途に使用されています。
例えば麺類にモチモチ感を与えたり、食品の硬さや弾力性に影響を与えることができます。

このようにでん粉分解物は栄養素というよりは、むしろ食品の形状に影響を与える目的で使用されることが多く、ベースクッキーの原材料として使用されているでん粉分解物も、ベースクッキーの形状を維持するために使用されていることが予想されます。

また元となるのがでんぷんですので、安全性には問題ありません。

粉末油脂は風味・食感改善に使用されている

ベースクッキーの原材料の一つである粉末油脂は、油脂を糖質やタンパク質などで包み粉状にしたものです。

粉末油脂は栄養のためというよりは、風味や食感改善のために使用されることが多く、その点ではでん粉分解物と同じと言えます。

種類により様々な風味(バター風味、ラード風味など)を食品に付与できるため、粉末油脂はパン、菓子、惣菜、スープなど幅広い用途に使用されています。

粉末油脂も油脂を加工したものですので、トランス脂肪酸が含有されている可能性がありますが、その安全性については食用植物油脂の項目で述べた通りです。

昆布粉末は隠し味として使用されている

昆布粉末とは、名前の通り昆布を粉末状にしたもので、家庭用料理にも使用される原材料です。

昆布粉末も栄養というよりは食品の味付けに使用され、隠し味的な使用をされているため、ベースクッキーの原材料に含まれている昆布粉末も同様であると考えられます。

食品として一般にも販売されている製品ですので、安全性には問題ありません。

ベースクッキーの添加物は、味による違いがない

次にベースクッキーの食品添加物について見ていきましょう。

ベースクッキーの添加物は、種類によらずすべて同じ添加物であり、次の4種類が使用されています。

  • 加工でんぷん
  • 膨張剤
  • 香料
  • 糖転移ビタミンP

順に解説していきます。

なお食品添加物は種類によって一括表記することが許可されており、ベースクッキーにも一括表記されている食品添加物があります。

例えば食品添加物の「膨張剤」には「ベーキングパウダー」や「イーストパウダー」などの種類がありますが、ベースクッキーには「膨張剤」とが一括表記されています。

一括表記が許可されているのは、独立行政法人国民生活センターによると次のような理由によるものです。

【一括名で表示できる食品添加物】

イーストフード、ガムベース、かんすい、酵素、光沢剤、香料、酸味料、調味料、豆腐用凝固剤、苦味料、乳化剤、pH調整剤、膨張剤、軟化剤

これらの食品添加物は、複数の組み合わせで効果を発揮することが多く、個々の成分まですべてを表示する必要性が低いと考えられる食品添加物や食品中にも通常存在する成分であるため、一括名で表示しても表示の目的を達成できるとして一括表示が認められています。

独立行政法人国民生活センターより引用

ベースクッキーでは加工でんぷん、膨張剤、香料の3種類が一括表記となっています。

加工でんぷんは食感改善目的で使用されている?

加工でんぷんとは、その名のとおりでんぷんを加工したものなのですが、原材料の項目ででてきたでんぷん分解物とは異なり、でんぷんを化学的に加工した商品です。

加工でんぷんは12種類存在し、原則としてそれぞれの物質名で食品添加物表示をすることとなっていますが、「加工でんぷん」などの簡略名で表記することも可能であるため多くの製品では「加工でんぷん」と表記されており、ベースクッキーでの表記も「加工でんぷん」となっています。

加工でんぷんは増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊料、乳化剤などの目的で使用され、食品のとろみ付け、形状維持、食感の改善などに使用されることが多いです。

ベースクッキーが加工でんぷんを何の目的で使用されているのかは不明ですが、おそらくは食感の改善を目的で使用されているのではないかと思われます。

加工でんぷんの安全性については、2007年11月に食品安全委員会の食品健康影響評価の結果が、厚生労働省に通知されており、添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念がないとされています。

また加工でんぷんは1日摂取許容量は設定されておらず、要は「1日に摂取を制限した方が良い量」を設定する必要がない程度には、安全性が確立した添加物であると言えるでしょう。

膨張剤はクッキーとは切り離せない添加物

膨張剤は「ふくらし粉」「ベーキングパウダー」という名称の方がしっくりくるかもしれませんね。

膨張剤はクッキー製造の場合、炭酸ガス等を発生さてふっくらさせたり、クッキーに小さな穴をあけて食感を改善する目的で使用されます。

膨張剤も加工でんぷんと同様、多種(41種類)の物質が存在しますが、食品添加物としての表記は「膨張剤」とすることが認められています。
ベースクッキーもやはり表記は「膨張剤」であり、具体的な物質名は不明です。

膨張剤のなかにはAl(アルミニウム)を含有する製品があり、2018年の東京都健康安全研究センターの論文では、膨張剤の使用が考えられる123製品を調査した結果、4製品については小児の暫定耐容上限摂取量を超える商品が見られたとの報告があります

Alを検出した41製品のうち,中華風揚げパン,今川焼,たこ焼の計4製品については,製品を1週間あたり1食喫食することで,小児(体重16 kg)の場合は暫定耐容週間摂取量を超えてAlを摂取する可能性があった.

CiNiiより引用

とはいえ、クッキーで膨張剤を使用していない製品を探すのが困難な程度に市販のクッキーには膨張剤が使用されています。
また123製品中4製品のみが小児の耐容量に達することからも、ベースクッキーに成人が過剰摂取となる量のアルミが含有されている確率は極めて低いものと思われ、小児に対して過剰にベースクッキーを与えることの無いよう、注意する程度の認識で良いでしょう。

香料はベースクッキーの香り付けに使用されている

香料は食品に香りづけをするために使用される食品添加物です。

香料も3000を超える種類の物質がありますが、「香料」と一括表示することが許可されています。
またベースブレッドの表記も「香料」であり、何の香料が使用されているかを具体的に知ることはできません。

ただ、それぞれの味に合わせた香料が使用されているんだろうな、という当たり前の推測はできます。

香料は多くの食品に使用されている添加物であり、ベースクッキーに限り特段注意が必要な添加物ではありません

転移ビタミンPは味質の改善に使用されている

転移ビタミンPとは、ビタミンPとブドウ糖を結合させた物質で、苦みなどを改善し味質を改善させるための食品添加物です。

転移ビタミンPは体内でビタミンPとブドウ糖に分解されるため、安全性には問題ありません。

ベースクッキーに使用されている食品添加物の安全性について

上記のようにベースクッキーには4種類の食品添加物が使用されており、一般的にあまり評判がよろしくない添加物である、着色料や保存料、酸化防止剤などが使用されておらず、全般的に安全性に配慮した添加物が使用されていると言えます。

一方で膨張剤に何が使用されているかを知ることはできず、小児に対しては(ベースクッキーに限らずですが)過剰摂取をさせないよう配慮が必要となるでしょう。

ベースクッキーの原材料と食品添加物のまとめ

以上、ベースクッキーの原材料と食品添加物について解説しました。

記事をまとめると次のようなことが言えます。

  • ベースクッキーの原材料は栄養素を豊富に含むよう、健康食品に使用されるような原材料が多く使用されている。
  • 食用植物油脂と粉末油脂はトランス脂肪酸が含有されている懸念があるが、日本人のトランス脂肪酸摂取率は低いため問題にならない。そもそもベースクッキーにトランス脂肪酸が含まれているかは不明である。
  • 黒糖が1歳未満に与えられないので、ベースクッキーも1歳未満には与えられないこと、膨張剤にアルミニウムが含有されている可能性があるため、小児には過剰に与えない方が良いことが、デメリットとしてあげられる。

1歳未満対してはすりつぶしたものであっても、黒糖を含むベースクッキーは与えない方が良いこと、小児に対しては過剰に与えない方が良いこと、は留意するべき点であると思います。

その他トランス脂肪酸や膨張剤などの安全性については、クッキー等の菓子製品であればほとんどの製品が含有することや、厚生労働省が安全性を確認している原材料・添加物であることから、不安に感じる必要は無いと考えられます。

例えば幼児用(9ヶ月から摂取可能)のビスケットである下記商品も、原材料として食用油脂であるショートニング・植物油脂が使用され、添加物として膨張剤が使用されています。

幼児用ビスケット表
幼児用ビスケット裏

その他の原材料や食品添加物については安全性が高いと考えられ、特に黒糖や米ぬか、食物繊維などのいわゆる「健康的な」原材料を含むベースクッキーは、健康志向の高い人が満足する商品であると言えるでしょう。

ベースクッキーは初回購入時に大きな特典があるため、公式サイトでの購入がおすすめできるのですが、得するベースクッキーの購入方法を知りたい方は読んでください。

なおベースクッキーに関する総合的なレビューや口コミは別記事で書いておりますので、ベースクッキーについてより深く知りたい方は一度読んでいただくことをおすすめしています。

また健康的な原材料を多く使用したベースクッキーは、ダイエットにも適していると考えられますので興味のあるかたは一読いただければと思います。

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