栄養を手軽に補助的に摂取できる商品として人気商品のカロリーメイト。
栄養が豊富で甘みがあるため子供でも食べやすいため、子供のおやつとしても適切であると考えられます。
一方で何歳からカロリーメイトを食べさせて良いのか、また幼児に与えて健康に悪影響が出ないかを悩む親御さんも多いです。
偏食が多く成長曲線ギリギリの場合「食べてくれるならカロリーメイトでも良いけど、でもカロリーメイトって何が入っているかわからないから心配」と考え、幼児にカロリーメイトを与えることを躊躇することもあるはず。
そうした親の疑問に応えるべく本記事ではカロリーメイトを幼児に与えて良いのかを中心に記事を執筆しています。
結論からお伝えするとカロリーメイトを何歳から与えて良いかについては次のことが言えます。
- カロリーメイトは離乳食が完了したら食べられる
- カロリーメイトブロックは脂質が多いがおやつとして与える場合は気にしなくて良い
- カロリーメイトに不足するミネラルは食事などから摂取する必要がある
- カロリーメイトゼリーとリキッドの葉酸・ビタミンA含有量に注意
- カロリーメイトゼリーからは鉄分は補給できない
- カロリーメイトブロックは喉のつまりに注意
カロリーメイトは離乳食が終わっていれば食べさせることができる
「わからないことはまず製造元へ問い合わせる」という原則に基づき、大塚製薬へ「カロリーメイトは何歳から食べられる」の?」を問い合わせたところ次のような回答を得られました。
カロリーメイトは3種類(ブロック・ゼリー・リキッド)とも離乳食が完了したあと、食事の補助として食べることができる
離乳食は9割以上が1歳半までに完了していることから、カロリーメイトは概ね離乳食が完了した1歳半以降に食べることができると言って差し支えないでしょう。
ただ注意しなければいけないのが食物アレルギーです。
離乳食は赤ちゃんに対する食物アレルギーのチェックの役割も担っていますが、カロリーメイト各種には次のようなアレルギー物質が含まれています。
カロリーメイトブロック
小麦・卵・乳成分・アーモンド・大豆(特定原材料)、アーモンド・大豆(特定原材料に準ずるもの)
カロリーメイトゼリー
乳成分(特定原材料)、りんご・ゼラチン(特定原材料に準ずるもの)
カロリーメイトリキッド
乳成分(特定原材料)、大豆・ゼラチン(特定原材料に準ずるもの)
離乳食完了の段階で上記食物アレルギー物質に対するチェックが完了していれば、カロリーメイトは食べることができます。
また離乳食完了期を迎えるころには、前歯が8本揃って奥歯も生え始めカロリーメイトブロックも咀嚼が可能になっているはずです。
カロリーメイトの栄養バランスは幼児に適切なの?
カロリーメイトは離乳食を終えた時期であれば、幼児に与えても問題がないことがわかりました。
次に考えたいのは幼児に対しカロリーメイトを与える量と、栄養です。
カロリーメイトはどの程度の量を幼児にあげたらよいの?
幼児に対してどの程度のカロリーメイトを与えれば良いのかを考察します。
まず小児が1日になる推定エネルギー必要量を「日本人の食事摂取基準2020」から抜粋すると次のようになります。。
性別 | 1~2歳 | 3~5歳 |
---|---|---|
男児 | 950kcal | 1300kcal |
女児 | 900kcal | 1250kcal |
成人男性であれば運動量によって推定エネルギー必要量は上下するのですが、幼児の場合は運動量による推定エネルギー必要量は設けられていません。
カロリーメイトは小児に対しておやつとして与える方も多いと思いますが、一般社団法人母子栄養協会によると乳幼児期に適したおやつの量は次のようになっています。
- 1~2歳は150kcal程度
- 3~5歳は200~250kcal程度
カロリーメイトブロックは1本あたり100kcal、カロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドは1袋・1缶あたり200kcalです。
ですので幼児のおやつとして妥当な量としては、カロリーメイトブロックであれば2本前後、カロリーメイトリキッド・カロリーメイトゼリーであれば1本・1袋程度であることがわかります。
カロリーメイトは1~2歳にどの程度の栄養を与えてくれるのか
では幼児にカロリーメイトを与えるとどの程度の栄養が得られるのでしょうか?
カロリーメイトブロック200kcalに含まれている栄養を、厚生労働省が定める幼児に対する推奨量と比較していきます。
まず1~2歳がカロリーメイト200kcal摂取した場合、理想的な三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)のバランスとカロリーメイト各種(ブロック・ゼリー・リキッド)に含まれる三大栄養素を比較します。
なおカロリーメイトは形状(ブロック・ゼリー・リキッド)間で栄養の差はありますが、同じ形状であれば栄養にほとんど差はないため各形状で1種類だけ味を選択して表にしています。
黒い線が厚生労働省が定める三大栄養素の理想的摂取量の上限と下限です。
要は黒い線の間に各栄養素の値が存在していれば、幼児にとってカロリーメイトは理想のおやつであると言えるのですが表を見てどう思われるでしょう?
最もポピュラーなはずのカロリーメイトブロックは脂質が多いため理想的なPFCバランスとは言えません。
そしてカロリーメイトリキッドとカロリーメイトゼリーはPFCバランスの点からは幼児にとって適切なおやつであると言えます。
ただカロリーメイトをおやつとして与えているのであればPFCバランスはそこまで気にする必要はありません。
なぜならばおやつは1日に占める摂取カロリーの1~2割程度ですので、1日トータルで考えるとPFCバランスの悪さが健康に与える影響はあまり無いからです。
1日トータルで炭水化物・脂質・タンパク質のバランスが取れれば、カロリーメイトブロックの脂質量をさほど気に留める必要はないでしょう。
次にカロリーメイト各種200kcalと厚生労働省が1~2歳の1食あたりに推奨している、ビタミン・ミネラル量を比較します。
線が重なって少し見にくいのですが、中央の黒い線は1~2歳の1食あたりに推奨されるビタミン・ミネラル量を1として示したものです。
この数値を超えていればカロリーメイト各種はビタミン・ミネラルが豊富ということになるのですが、豊富に含まれているビタミンがあるものの全般的にあまりバランスが取れていないことがわかります。
とはいえ我々が普段食べている「おやつ」はビタミン・ミネラルなんてほとんど含まれていないわけで、カロリーメイトは「おやつにしてはかなりビタミン・ミネラルが多いけど、食事として見るとビタミン・ミネラル(とくにミネラル)不足ですね」というのが正直な感想です。
ちなみに同一カロリーで比較するとカロリーメイトブロックは、カロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドの半分程度のビタミンしか含まれていません。
カロリーメイトブロック2本とカロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッド1袋(1缶)はカロリーは同じですが、含まれるビタミンは異なると覚えておいたほうが良いでしょう。
カロリーメイトは3~5歳児にどの程度の栄養を与えてくれるのか
次に3~5歳児にカロリーメイトを与えた場合どの程度の栄養を得ることができるのかを考えてみましょう。
1~2歳児であっても3~5歳児であっても200kcalを摂取すれば得られる三大栄養素・ビタミン・ミネラルは同じですので、三大栄養素については割愛します。
成長に応じて食べるカロリーメイトの量を増やしていくのがベストといえます。
ただ3歳になるとビタミン・ミネラルの推奨量が少し増えるため新しい表を作成しました。
グラフの傾向は1~2歳児のものと変わりないですが、グラフの目盛りが小さくなっていることがお分かりいただけると思います。
3~5歳児になると必要となるビタミン・ミネラル量も増えるため、それに合わせてカロリーメイト(おやつ)量も増やした方が良いと言えるでしょう。
ただカロリーメイトに含まれていない栄養素は、いくらカロリーメイトを与えても増えることはありませんので食事等で補ってあげましょう。
なおカロリーメイトの栄養に関する詳細な記事は下記から参照をお願いします。
幼児がカロリーメイトを摂取する際に注意すべき点
ここまでカロリーメイトを何歳から摂取すべきか、また摂取する量と栄養について考察を行いました。
カロリーメイトを摂取する際に注意すべき点がいくつかありますので、お伝えします。
カロリーメイトを幼児に与える際はビタミンAと葉酸に注意しよう
カロリーメイトは栄養を補助的に摂取する「おやつ」としてかかなり有能な商品であると言えるのですが、逆に栄養を摂取しすぎる可能性についても注意を払う必要があります。
カロリーメイトブロックの脂質量は多いものの1日に占める割合は少ないため、それほど気にする必要がないことはすでに述べた通りです。
カロリーメイトを幼児に与える際により注意すべき栄養素はビタミンAと葉酸です。
過剰に摂取すると健康に影響を与えることから厚生労働省では上限設定を設けているビタミン・ミネラルがあります。
カロリーメイトで上限を意識しないといけないのが先にあげたビタミンAと葉酸です。
カロリーメイト各種200kcal分から摂取できるビタミンAと葉酸量を、厚生労働省が定める1日あたりの耐用上限量と比較したものが次の表です。
ビタミンA | 葉酸 | |
---|---|---|
1~2歳耐用上限量(1日) | 600μg | 200μg |
3~5歳耐用上限量(1日) | 700μg | 300μg |
カロリーメイトブロック (チーズ味) | 192.5μg | 60 |
カロリーメイトゼリー (アップル味) | 385μg | 120μg |
カロリーメイトリキッド (フルーツミックス味) | 385μg | 120μg |
まずビタミンAですが、カロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドを1袋(1缶)摂取すると、1日の耐用上限量の半分を摂取してしまうことになります。
食事でビタミンAの含有量が多いレバー、人参、ほうれん草などを摂取すると1日の耐用上限量を超える場合もあるでしょう。
また葉酸も同様で1~2歳がカロリーメイトゼリーやカロリーメイトリキッドを1袋(1缶)摂取すると耐用上限量の6割を満たします。
葉酸は枝豆・菜の花・アスパラガス・ほうれん草などに多く含まれるためやはり食事の内容によっては1日の耐用上限量を超えることもあります。
ただ耐用上限量は1日だけその数値をオーバーしたところで健康に悪影響を与えるものではありません。
継続的に過剰摂取を続ければ身体に悪影響を与える可能性がある、程度の認識で大丈夫です。
カロリーメイトゼリーやカロリーメイトリキッドを毎日与える場合はビタミンAと葉酸の少ない食事を作ることや、それが面倒な場合はカロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドを1日おきに与えるなどの対策を行いましょう。
幼児はカロリーメイトゼリーから鉄分を摂取できないので、別途補給が必要
幼児にとって重要な栄養が2つありそれは鉄分とカルシウムです。
1~3歳児の脳は活動量が増加するため、大人の数倍の酸素が必要になりますが2人に1人が鉄不足となっています。
脳は「酸素」を多く使用します。脳の活動には酸素が必要で、脳に酸素を運ぶヘモグロビンの材料となる
株式会社明治
「鉄」が特に重要。なので鉄が不足しないようにすることが大切です。
またカルシウムも同様に2人に1人が不足している栄養素です。
「カルシウム」は骨と歯の材料になるために必要な栄養で、
株式会社明治
カルシウム不足にならないように、1日に必要な量を摂取することが大切です。
ではカロリーメイトは幼児の鉄とカルシウムの不足を補ってくれるのでしょうか?
1~5歳に1食あたりに推奨される鉄・カルシウムの量と、カロリーメイト各種200kcalに含まれている鉄・カルシウム量を表にしました。
鉄 | カルシウム | |
---|---|---|
1~2歳推奨量(1食) | 1.5mg | 150mg |
3~5歳推奨量(1食) | 1.83mg | 200mg |
カロリーメイトブロック (チーズ味) | 1mg | 100mg |
カロリーメイトゼリー (アップル味) | 0 | 200mg |
カロリーメイトリキッド (フルーツミックス味) | 1.3mg | 70mg |
ご覧のように1食に必要とされる鉄・カルシウムと比較すると、カロリーメイトブロックとカロリーメイトリキッドは程よく栄養を補給できると言えるのですが、カロリーメイトゼリーには鉄が含まれていないため鉄分は他の食事から積極的に補うことを頭に入れておいた方が良いと言えます。
カロリーメイトブロックを幼児に与える際、喉のつまりに注意
最後にお伝えしたいのは幼児にカロリーメイトブロックを与える際の注意点です。
カロリーメイトブロックは水分含有量を減らした商品であるため、幼児に与える場合はのどに詰まらせないよう注意する必要があります。
カロリーメイトブロックを食べたことがある方ならば、カロリーメイトブロックを食べていた時に口の中の水分を持っていかれた経験があると思います。
4歳以下の子供は特によく噛まずに食べ物を詰め込んでしまうことがあり、カロリーメイトを頬ばって食べると窒息しやすくなります。
過去には幼児用に小さく切られたパン製品でも幼児が喉を詰まらせて死亡してしまった事例もあるため、唾液を吸収するカロリーメイトブロックも注意が必要です。
日本小児科学会のHPによるとパンなどの唾液を吸収して飲み込みづらいものは次のような対応が必要であるされています。
日本小児科学会
- 水分を摂ってのどを潤してから食べる
- 一口量を守って詰め込まない
- 良く噛む
カロリーメイトブロックを幼児にが食べる際には親が食べている側で見守り、水分と一緒に与えるようにしましょう。
カロリーメイトはカフェインが含まれている味があるけど幼児に与えて良い?
幼児がカフェインを摂取することに対して明確な上限量などは日本では定められていないのですが、基本的に幼児にカフェインはNGであることは皆さんご存じかと思います。
カロリーメイトにはカフェインが含まれていると考えられる原材料が次の2点あります。
- カロリーメイトブロック(チョコレート味)の原材料 チョコレートスプレッド
- カロリーメイトリキッド(カフェオレ味)の原材料 コーヒー
チョコレートスプレッドにはチョコレートやココアパウダーが含まれている可能性があり、チョコレートやココアパウダーにはカフェインが含まれています。
またコーヒーはいわずもがなカフェインが含まれています。
問題となるのはカフェインの含有量ですね。
大塚製薬の公式HPから引用するとカロリーメイトに含まれているカフェイン量は次のとおりです。
カロリーメイトブロックは2本あたり、カロリーメイトリキッドは1缶あたりのカフェイン含有量は上記のようになると回答を頂きました。
さて日本では明確なカフェイン摂取上限量は設けられていませんが、東京都保健医療局から引用するとカナダ保健省では次のような1日当たり摂取上限量が設けられています
4歳から6歳児では一日に45 ミリグラム未満、7歳から9歳児では一日に62.5ミリグラム未満、10歳から12歳児では一日に85ミリグラム未満、13歳以上の青少年では一日に2.5ミリグラムパーキログラム体重未満としています。なお、子供及び青少年の推奨摂取量は、2.5ミリグラムパーキログラム体重パー日を基準とした体重に基づく値としています。
東京都保健医療局
4~6歳児であれば1日に45mg未満のカフェイン摂取が目安となるため、カロリーメイトを200kcal程度摂取する分にはカフェイン摂取に関しては何ら問題がないと言えそうです。
また4歳未満であっても2.5mg/kg/dayを基準にするのであれば、例えば体重10kgであれば1日に25mgまでならカフェインを摂取しても問題ないと解釈できます。
ただ個人的には敢えてカフェインの入っている味を選択する必要はなく、4歳未満であればカフェインが含まれていない味のカロリーメイトを与えたいと考えます。
カロリーメイトは何歳から食べられるのか?に関するまとめ
最後にカロリーメイトを何歳から与えて良いかについてをまとめ、記事を〆たいと思います。
カロリーメイトを食べて良いのは離乳食が完了した後、年齢でいえば1歳半くらいになると予想されます。
また幼児がカロリーメイトを食べてよい量は1~2歳で150kcal、3~5歳で200~250kcal、カロリーメイトブロックで言えば2本前後となります。
カロリーメイトの栄養については次のことが言えます。
カロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドのPFCバランスは良好、カロリーメイトブロックの脂質は多いといえますがおやつとして与える分には1日あたりに占めるカロリーの割合が小さいため気にする必要はないでしょう。
ビタミンが豊富な一方ミネラルは少ないが、おやつとして考えるとビタミンが豊富な分他ののお菓子を与えるよりは健康上有益であると考えられます。
幼児に重要な栄養素である鉄分・カルシウムはそれなりに豊富に入っているが、カロリーメイトゼリーには鉄分が含まれていないため注意が必要です。
また過剰摂取が気になるのはカロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドに含まれているビタミンAと葉酸です。
カロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドは与える量を控える、1日おきに与える、カロリーメイトブロックを与えるなど毎日継続的に長期にわたり与えることは避けたほうが良いといえます。
最後に私見ですが、個人的にカロリーメイトを幼児に与えることについては賛成です。
だって2歳とか偏食するのが当たり前で我が家では豆類しか食べない時期もあったくらいです。
食べないくらいなら食べるものを与えた方が良いのは当たり前で、カロリーメイトを食事の代わりにしたとしても罪悪感なんて感じる必要はないのです。
小さなお子さんもやがて大きくなり偏食は少なくなっていくものです。
気軽にいきましょう。