比較的若い男女をターゲットに「手軽で幅広い栄養を摂れる」をコンセプトに売り上げを伸ばしているカロリーメイトですが、実際にどの程度の栄養を摂取できるのかを考えたことがある人は少ないと思います。
そこで今回はカロリーメイトのブロック・ゼリー・リキッドそれぞれの五大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)を厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準」に照らし合わせ、本当にカロリーメイトは手軽に栄養を補給できるのかを調査していきます。
本記事では主に次のような疑問に対し回答を行っています。
- カロリーメイトブロックのPFCバランスは?
- カロリーメイトの炭水化物量、脂質、タンパク質に関する疑問
- カロリーメイトのビタミン・ミネラルに関する疑問
- カロリーメイトで足りない栄養素はあるの?
- カロリーメイトは油の塊なの?
カロリーメイト各種のカロリーは計算しやすい
食品の栄養を語る前にまず必要となるのがカロリーです。
カロリーメイトのカロリーは非常の計算しやすく工夫されており、次のようになっています。
カロリーメイトブロック(チーズ・フルーツ・チョコレート・メープル・バニラ)
4本入り1箱で400kcal、1本あたり100kcal
カロリーメイトゼリー(アップル、ライム&グレープフルーツ、フルーティーミルク)
1袋200kcal
カロリーメイトリキッド
1缶200kcal
【参考】白米
ごはん一杯 234kcal
皆さんご存じのカロリーメイトのブロックタイプは1本が100kcal、4本全部食べれば400kcalになります。
またカロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドはそれぞれ1個あたりが200kcalとなっており、カロリーメイトブロックの半分となっています。
ちなみに白米は100gで156キロカロリー、ごはん1杯に換算すると234キロカロリーとなります。
つまりカロリーメイトブロック2本、またはカロリーメイトゼリー若しくはカロリーメイトリキッド1個でごはん1杯分に足りない程度のカロリーを摂取することになります。
カロリーメイトブロック1箱、ゼリー1袋、リキッド1缶はそれぞれ1単位あたり概ね同じ値段(200円前後)で販売されていますので、同じ値段で比べるとカロリーメイトブロックの方がカロリーが高くてお得となるます。
しかし含まれている栄養を分析すると必ずしもカロリーメイトブロックがお得とは言えなくなるのですが、その理由を今から解説していきます。
カロリーメイトは種類によってPFCバランスが大きく異なる
皆さんがご存知のカロリー(熱量の単位)は三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)から得られ、日本人の食事摂取基準では炭水化物・脂質・タンパク質それぞれから摂取すべきカロリーの割合を公表しています。
日本人の食事摂取基準
- 糖質 50-65%
- 脂質 20-30%
- タンパク質 13-20%
これらの糖質・脂質・タンパク質から得られるカロリーのバランスはそれぞれ英語表記の頭文字をとってPFCバランスと呼ばれています。
本記事ではカロリーメイト各種のPFCバランスを上記厚生労働省が定める値と適合しているのかを調査し、あなたが求める栄養に適合したカロリーメイトを発見します。
本記事では30代で運動量が通常程度の男性が、1食あたりに必要となるカロリーメイト各種(900kcal)を摂取したときに得られるPFCバランスを、厚生労働省が定める値と比較しています。
なおカロリーメイト900kcalを摂取するには次の量のカロリーメイトを食べる必要があります。
- カロリーメイトブロック 9本分
- カロリーメイトゼリー 4.5個分
- カロリーメイトリキッド 4.5缶分
カロリーメイトを食べたことがある人ならわかると思いますが、1食分として食べる量としては絶望的な多さです。
もちろん私も900kcal分のカロリーメイトを実際に摂取することを想定して記事を執筆しているわけではなく、カロリーメイトを1食と仮定したとき理論上どの程度の栄養を得られるかを考えていただくために1食分の食事に換算して計算を行っています。
ではカロリーメイトブロック各形状のPFCバランスを見ていきます。
カロリーメイトブロックのPFCバランスはかなり歪
黒い線が厚生労働省が定める三大栄養素の上限と下限、その他の線がカロリーメイトブロック各種の三大栄養素です。
黒い線の間に各栄養素の値が存在していればカロリーメイトブロックの栄養は完璧だと言えるのですが、グラフを見ていかが思われたでしょうか?
まず脂質の多さに驚いた方が多いと思います。
カロリーメイトブロックの脂質量が多い原因は、原材料としてマーガリンが2番目に多く使用されているからです(1番は小麦粉)。
そのためカロリーメイトブロックは厚生労働省が定める値と比較すると脂質量が飛びぬけてしまっており、PFCバランスは良いとはお世辞には言えません。
カロリーメイトブロックを多く摂取される方はタンパク質や炭水化物を積極的に摂取することを心がけた方が良いでしょう。
またカロリーメイトブロックは味による栄養バランスの違いはほぼありません。
結果カロリーメイトブロックは味の種類によらず、上記グラフのようなPFCバランスを描くことになります。
カロリーメイトゼリーのPFCバランスは非常に良い
次にカロリーメイトゼリー各種の三大栄養素を見ていきます。
カロリーメイトゼリーはご覧のように三大栄養素全てが厚生労働省の定める値におさまっているため、PFCバランスは非常に良好であると言えるでしょう。
カロリーメイトゼリーはカロリーメイトブロックと異なり固体ではくゼリー状です。
つまり原材料にマーガリンを使用する必要が無いため脂質が非常に少なく、脂質を取りすぎている日本人の健康にはプラスに働くと言えます。
ただカロリーメイトゼリーの原材料で最も多く使用されているのは砂糖で、言ってみれば砂糖水を飲んでカロリーを得ている面もあるため原材料が気になる人にはその点がマイナスとなります。
またカロリーメイトゼリーも味によるPFCバランスの差はありません。
カロリーメイトリキッドもPFCバランスは良好
最後にカロリーメイトリキッドのPFCバランスを見てみましょう。
カロリーメイトリキッドのPFCバランスも厚生労働省の定める値に適合しているので、カロリーメイトリキッドのPFCバランスはとても良好と言えます。
カロリーメイトゼリーとの相違点は、カロリーメイトリキッドの方がたんぱく質が多く炭水化物が少ない点です。
一方でカロリーメイトリキッドもカロリーメイトゼリーと同様、原材料で最も多く使用されているのは砂糖であることが気になります。
カロリーメイトリキッドもやはり味によるPFCバランスの差は見られません。
カロリーメイト各種のPFCバランスのまとめ
ここまでカロリーメイト各種のPFCバランスを解説しましたがまとめると次のことが言えます。
- カロリーメイトは形状(ブロック・ゼリー・リキッド)によるPFCバランスの差はあるが、味による違いはない
- カロリーメイトブロックのPFCバランスは悪い
- カロリーメイトゼリー・リキッドのPFCバランスは良好
カロリーメイトのPFCバランスに点数をつけるなら、カロリーメイトゼリー・リキッドは100点ですがブロックは50点くらいで決してバランスが良いとは言えません。
またカロリーメイトブロック・ゼリー・リキッドと形状によるPFCバランスの差はあるものの、同じ形状であれば味による差異はほぼありません。
後述しますがビタミン・ミネラルの含有量も形状による差はほぼ無いため、購入したい形状のカロリーメイトがあれば味は好みで決めて良いです。
カロリーメイトの炭水化物(糖質)は多いのか、糖質オフなのか
ここまでカロリーメイトを1食分摂取した場合、カロリーメイトが厚生労働省の定める値と比較してどの程度の五大栄養素を補えるのかを検証しPFCバランスがどのようになっているのかを検証しましたが、ここからは各栄養素を個別に考察していきます。
まずカロリーメイトに含まれている炭水化物(糖質)について見ていきます。
まず30代で運動量が通常程度の男性に推奨される炭水化物量と、カロリーメイト各種を900kcal分を摂取したときに得られる炭水化物量を比較したグラフを作成しました。
上記画像のうち上限と下限は厚生労働省の定める値、茶色がカロリーメイトブロック、水色がカロリーメイトゼリー、橙色がカロリーメイトリキッドの炭水化物量です。
すでに述べたようにカロリーメイトは形状による違いはあるものの、味による炭水化物量の違いはほぼありません。
そして形状による炭水化物量の違いは明らかで炭水化物(糖質)が最も少ないのはブロック、次にリキッド、最後にゼリーとなっています。
「カロリーメイトは糖質オフなの?」と聞かれることがありますが、「カロリーメイトの中ではブロックタイプのカロリーメイトが糖質オフになるよ」というのが適切な回答になると思います。
また厚生労働省の上限を上回っているカロリーメイトは存在しません。
カロリーメイトはおやつであると考える人も多いですが、実はカロリーメイトは全般的に糖質が多くはありません。
ただカロリーメイトゼリーとリキッドの原材料のうち、糖質の大半を占めるのが砂糖です。
砂糖は二糖類であるため過剰摂取は肥満や虫歯の原因となります。
単糖及び二糖類、すなわち糖類の過剰摂取が肥満やう歯の原因となることは広く知られてい
日本人の食事摂取基準154P
る 27)。そのため、例えば WHO は、その中の free sugar(遊離糖類:食品加工又は調理中に加え
られる糖類)の摂取量に関する勧告を出しており、総エネルギーの 10% 未満、望ましくは5% 未
満に留めることを推奨している 28)。
カロリーメイトブロックも砂糖が使用されているものの、3番目に多い原材料であり最も多く使用されている原材料は小麦粉です。
よってカロリーメイトブロックの糖質は小麦粉由来の多糖類であるでんぷんが多く含まれていると考えられます。
カロリーメイトブロックは炭水化物量が少ないこと、またその炭水化物も多糖類から構成されているため炭水化物を気にする方はカロリーメイトブロックを選ぶのが良いでしょう。
カロリーメイトの食物繊維量は多い?
食物繊維は近年日本人の摂取量が減少傾向にあり炭水化物に分類される栄養素です。
食物繊維は腸内環境を整え便秘の予防や便通の改善に寄与するため、便通に悩む方には積極的な摂取が推奨されています。
さてカロリーメイトは一般的に「おやつ」と思われていますが意外に多くの食物繊維が含まれています。
成人男性の場合1日に21g(1食あたり7g)の食物繊維を摂取することが推奨されているのですが、カロリーメイトを900kcal分摂取したと仮定するとご覧のようにカロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドでは推奨量を大きく上回る食物繊維を得られることになります。
とくにカロリーメイトリキッドには推奨量の1.5倍もの食物繊維がカロリー比で含まれているため、カロリーメイトリキッドは便通に悩む人にとっても良きパートナーとなりそうです。
カロリーメイトの脂質は多いの?トランス脂肪酸や飽和脂肪酸量は?
次にカロリーメイトの脂質について調査を行います。
脂質についても炭水化物同様、カロリーメイト900kcalに含まれている脂質量を厚生労働省が定める値と比較していきます。
左端の黒い棒が厚生労働省が定める値の上限値と下限値で、この間に数値があればカロリーメイトの脂質量は適切であると言えます。
グラフを見れば一目瞭然ですが、カロリーメイトブロックの脂質量は圧倒的に多いと言えます。
一方でカロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドの脂質は厚生労働省の下限値とほぼ同じであり脂質は少な目と言えるでしょう。
カロリーメイトの飽和脂肪酸量は多いの?
単純に脂質量の多少を見るだけでなく、目の肥えた人は脂質の内容にも目を配ります。
脂質は大きく分けて次の2つに分類できます。
- 飽和脂肪酸
- 不飽和脂肪酸
詳しい脂肪酸の分類についてはコチラのサイトがわかりやすいです。
脂肪酸のうち飽和脂肪酸は日本人の過剰摂取が指摘されており、日本人の食事摂取基準では飽和脂肪酸から得られるエネルギー量を全体の7%以下とする目標量が設定されています。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」は、18歳以上の男女の飽和脂肪酸摂取の目標量を、総摂取エネルギーの7%相当以下としています。
農林水産省
また飽和脂肪酸の過剰摂取は下記の健康リスクを引き起こす可能性があります。
飽和脂肪酸をとりすぎると、血中総コレステロールが増加し、心筋梗塞をはじめとする循環器疾患のリスクが増加することが予想されています。
農林水産省「脂質に依る健康影響」
カロリーメイトに含まれている脂質のうち、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の割合は公表されていないため大塚製薬へ問い合わせると次のような返答がありました。
なおカロリーメイトブロックは1箱(80g)あたり、カロリーメイトリキッドは1缶(200ml)あたりの量です。
カロリーメイト | 飽和脂肪酸量 | カロリー換算 |
---|---|---|
チーズ味(ブロック) | 9.6g | 86.4 |
フルーツ味(ブロック) | 7.1g | 63.9 |
チョコレート味(ブロック) | 8.0g | 72 |
メープル味(ブロック) | 7.8g | 70.2 |
バニラ(ブロック) | 8.2g | 73.8 |
アップル(ゼリー) | 不明 | 不明 |
ライム&GF(ゼリー) | 不明 | 不明 |
フルーティーミルク(ゼリー) | 不明 | 不明 |
フルーツミックス(リキッド) | 1.3g | 11.7 |
ヨーグルト味(リキッド) | 1.3g | 11.7 |
カフェオレ(リキッド) | 1.2g | 10.8 |
カロリーメイトゼリーの飽和脂肪酸量は非公表となっています。
飽和脂肪酸1gあたりのカロリーは9kcalで計算できますので、カロリーメイトに含まれている飽和脂肪酸量をカロリーに換算すると上記右端の数値になります。
18歳以上の男女の飽和脂肪酸摂取の目標量は総摂取エネルギーの7%相当以下とされているため、カロリーメイトブロック・カロリーメイトリキッドの飽和脂肪酸量が総カロリーの7%以下の基準をクリアできているかを計算します。
カロリーメイトブロックとカロリーメイトゼリーの飽和脂肪酸量が総摂取エネルギー量の何%を占めるかを計算すると次のようになります。
カロリーメイトの種類 | 飽和脂含有割合 |
---|---|
チーズ味(ブロック) | 21.6% |
フルーツ味(ブロック) | 16.0% |
チョコレート味(ブロック) | 18.0% |
メープル味(ブロック) | 17.6% |
バニラ(ブロック) | 18.5% |
アップル(ぜりー) | 不明 |
ライム&GF(ぜりー) | 不明 |
フルーティーミルク(ぜりー) | 不明 |
フルーツミックス(リキッド) | 6.9% |
ヨーグルト味(リキッド) | 6.9% |
カフェオレ(リキッド) | 5.4% |
カロリーメイトブロックは脂質量が多いため、必然的に飽和脂肪酸量が多くカロリーに占める割合も多くなっています。
飽和脂肪酸の目標である7%以下という数値も大幅に上回っており、健康には良くないと言えるでしょう。
一方でカロリーメイトリキッドは全ての味が7%以下に収まっているため、飽和脂肪酸が少なく健康的な食品であると言えます。
またカロリーメイトゼリーについては飽和脂肪酸含有量が不明ですので推察してみます。
カロリーメイトの脂質に関与する原材料を列挙すると次のようになります。
商品名 | 脂質となる原材料 |
---|---|
カロリーメイトブロック | マーガリン (乳成分含む) |
カロリーメイトゼリー | 食用植物油脂 |
カロリーメイトリキッド | 食用植物油脂 |
上記の表からカロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドの脂質は食用植物油脂由来であることがわかります。
一口で「食用植物油脂」と言っても「食用植物油脂」にはさまざまな種類があるため、一概に食用植物油脂の飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸の割合の多少を判断することはできません。
しかしカロリーメイトゼリーは脂質量がリキッド同様少ないことから、恐らくは飽和脂肪酸量も少ないものと推定できます。
カロリーメイトのトランス脂肪酸含有量は多いの?
もう1点脂質の摂取で注意が必要となるのがトランス脂肪酸です。
トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸に属するのですが、健康に害を与える可能性があるため海外ではトランス脂肪酸含有量の表示を義務付けている国も見られます。
トランス脂肪酸を多くとると、血液中のLDLコレステロールが増加し、HDLコレステロールが減少することが示されています。トランス脂肪酸を多くとりつづけると、冠動脈性心疾患のリスクを高めることも示されています。詳しい解説はこちらをご覧下さい。
農林水産省
さてカロリーメイトのトランス脂肪酸含有量ですが、飽和脂肪酸と同様やはり公表されていません。
カロリーメイトゼリーとカロリーメイトドリンクの原材料である食用植物油脂は、具体名がわかりませんのでトランス脂肪酸がどの程度含まれているかは不明です。
カロリーメイトブロックの原材料であるマーガリンはトランス脂肪酸が多く含まれている原材料として知られており、なおかつカロリーメイトブロックはカロリーメイトの中でも脂質が飛びぬけて多い商品です。
つまりカロリーメイトブロックは脂質が多くかつ脂質に占めるトランス脂肪酸が多い商品だと推測ができそうです。
しかし大塚製薬では消費者のそうした不安に対応すべく、FAQにて次のような回答を行っています。
大塚製薬
- カロリーメイトブロックの原材料にマーガリンが使用されているようですが、トランス脂肪酸は含まれていますか?
- 食品表示法の改定に伴い原材料にマーガリンと記載いたしました。カロリーメイトブロックの原材料で使用しているマーガリンは、トランス脂肪酸量を低く抑えたものを使用しており、製品にもほとんど含まれておりません。
大塚製薬のHPによるとカロリーメイトブロックには原材料としてマーガリンが使用されているものの、製品にはほとんど含まれていないことがわかります。
カロリーメイトブロックのトランス脂肪酸含有量が少ないというのは本当でしょうか?
実際に大塚製薬に問い合わせるとカロリーメイトブロックは100gあたり0.3g未満、カロリーメイトリキッドは検出されず(0.05g未満/100g)、カロリーメイトゼリーは不明でした。
WHO(世界保健機関)ではトランス脂肪酸の摂取量について次のような提言を行っています。
WHO (世界保健機関)は、心血管系疾患リスクを低減し、健康を増進するための勧告(目標)基準として、トランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるよう提示しています。
厚生労働省トランス脂肪酸に関するQ&A
ではカロリーメイト各種に含まれているトランス脂肪酸は総エネルギー摂取量の1%未満の規定を満たしているのでしょうか?
表にすると次のようになります。
商品名 | トランス脂肪酸含有率 |
---|---|
カロリーメイトブロック | 0.54%未満 |
カロリーメイトゼリー | 不明 |
カロリーメイトリキッド | 検出されず |
カロリーメイトブロックで1日過ごしたとしてもトランス脂肪酸の総エネルギー摂取量に対する割合はわずか0.54%であり意外にもというか大塚製薬のアナウンスのとおり、カロリーメイトブロックのトランス脂肪酸はかなり少ないことが分かります。
またカロリーメイトリキッドはトランス脂肪酸が検出されないため、カロリーメイトブロックよりさらに健康的と言えます。
カロリーメイトゼリーは飽和脂肪酸同様、トランス脂肪酸の割合は不明となっていますがおそらくはカロリーメイトリキッドと同様でトランス脂肪酸は少ないのではないかと思われます。
カロリーメイトのたんぱく質はプロテインと比較して優れているの?
カロリーメイトの三大栄養素のうち最後にお話しするのがたんぱく質です。
30代で運動量が通常程度である男性が1食あたりに必要なカロリー(900kcal)を摂取した場合、厚生労働省が定めるたんぱく質の摂取推奨量と比較したものが次の表になります。
茶色がカロリーメイトブロック、水色がカロリーメイトゼリー、橙色がカロリーメイトリキッドのたんぱく質量です。
ご覧のように、カロリーメイトブロックは同一カロリーで比較するとたんぱく質は少なく、カロリーメイトゼリーとリキッドは厚生労働省が定めるたんぱく質量に適合していることがわかります。
さてたんぱく質の質を評価する基準の1つに「アミノ酸スコア」があります。
タンパク質の栄養価を示す指標を「アミノ酸スコア」と呼びます。タンパク質を構成するアミノ酸は、必須アミノ酸と非必須アミノ酸に区分されています。そして、体内で生成することのできない9種類の必須アミノ酸はそれぞれ必要量が提唱されています。食品に含まれている必須アミノ酸がどれくらい満たされているかでアミノ酸スコアは算出されます。100に近い数値であるほど理想的です。
グリコ
アミノ酸スコアはそれぞれのバランスがとても重要です。
アミノ酸スコアが100に近ければカロリーメイトのたんぱく質は栄養価が高いと言え、筋トレなどにも有効だと言えます。
例えば市販のプロテインはアミノ酸スコア100であることが当たり前となっていますが、カロリーメイトのアミノ酸スコアはいくらなのでしょうか?
カロリーメイト各種のアミノ酸スコアを大塚製薬に問い合わせてみましたが、アミノ酸スコアについては非公開ということでした。
そこで今回はカロリーメイト各種の原材料からアミノ酸スコアを推定していきます。
まずカロリーメイトは形状によって使用されている原材料が異なり、原材料のうちたんぱく質量が多い原材料は次のようになっています。
カロリーメイトブロック | 小麦粉、卵、大豆たんぱく、小麦たんぱく |
カロリーメイトゼリー | ホエイタンパク |
カロリーメイトリキッド | 乳タンパク、ホエイタンパク |
上記タンパクのうち、アミノ酸スコアが100の原材料を黒字で示しました。
カロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドの原材料のうちタンパク質を多く含むものは、全てアミノ酸スコア100であることがわかります。
よってカロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドのアミノ酸スコアも100であると推察ができます。
一方でカロリーメイトブロックは原材料として最も多く使用されているのは小麦粉で、小麦粉は100g中8g、つまり8%程度がたんぱく質です。
カロリーメイトブロックは小麦粉以外にもアミノ酸スコアが100である卵や大豆たんぱくが使用されていますが使用されている比率が不明ですので、カロリーメイトブロックのアミノ酸スコアを正確に知ることは難しいです。
小麦粉のアミノ酸スコアは50程度であり、アミノ酸スコアを計算する際の第一制限アミノ酸スコアはリジンです。
大豆たんぱくにはリジンが多く含まれており、小麦粉の不足を補うことができることや、小麦粉におけるたんぱく質の割合がそこまで多くないことから、カロリーメイトブロックのアミノ酸スコアは70は超えているのではないかと推測しています。
このようにカロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドはたんぱく質が豊富でかつアミノ酸スコアも高いことから、良質なタンパク質を求めるのであれば両者を摂取した方が良いでしょう。
ただカロリーメイトはあくまで全体的な栄養摂取が特徴的な商品ですので、筋トレ特化型のプロテインと比較すると見劣りするのは当たり前のはなしですので、あくまで補助的な使用にとどめておいた方が良いでしょう。
カロリーメイトのビタミン・ミネラルを調査するとミネラルの不足が目立つ
次にカロリーメイトの五大栄養素のうち、ビタミン・ミネラルについて検証を行います。
カロリーメイトは「1日に必要なビタミンの約半分」を摂取できることを売りにしていますが、キャッチコピーは本当なのでしょうか?
三大栄養素の場合と同様種類ごとに分析を行いました。
カロリーメイトブロックはビタミン豊富だがミネラルは不足する
カロリーメイトブロック各種を900kcal(1食分)摂取した場合のビタミン・ミネラルと厚生労働省が定めるビタミン・ミネラルの推奨量等を比較したものが上記の表になります。
一目瞭然ですが豊富に含まれているビタミン・ミネラルと欠乏しているものに二極化しています。
表の右半分がビタミン、左半分はミネラルです。
突出しているビタミンが多いため含有量を平均するとカロリーメイトブロックを4本(400kcal)摂取しただけで、確かに1日に必要な半分程度のビタミンを摂取できることになります。
しかしそれはあくまで平均であり、カロリーメイトブロックにビタミンKやビオチンは含まれていないため全体的なビタミンのバランスは悪いと言えます。
またカロリーメイトブロックに含まれているミネラルは12種類中カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄の5種類のみであるため、ビタミン以上にカロリーメイトブロックに含まれているミネラルはアンバランスであることがわかります。
カロリーメイトゼリーを900kcal摂取した場合のビタミン・ミネラル
次にカロリーメイトゼリーのグラフを見てください。
一見カロリーメイトブロックのビタミン・ミネラル分布と変わりが無いように見えるのですが、注目すべきはグラフの目盛りです。
カロリーメイトゼリーは同一カロリーで考えると、カロリーメイトブロックの約2倍のビタミン・ミネラルが含まれています(つまりカロリーメイトブロック1箱400kcalとカロリーメイトゼリー1袋200kcalに含まれているビタミン・ミネラルはほぼ同じ)。
とは言えカロリーメイトゼリーのビタミン・ミネラルにもデメリットがあります。
1点目はカロリーメイトブロックと同様で、全く含まれていないビタミンが見られる点です。
そしてもう2点目は、カロリーメイトゼリーの場合はビタミンCと鉄が含まれていないという点です。
カロリーメイトブロックとリキッドでは摂取できるビタミンCと鉄が、カロリーメイトゼリーからは得ることができません。
つまりカロリーメイトゼリーは摂取できるビタミンの種類が他のカロリーメイトより少ないため注意が必要です。
カロリーメイトリキッドを900kcal摂取した場合のビタミン・ミネラル
カロリーメイトリキッドのビタミン・ミネラルは上記画像のとおりです。
カロリーメイトリキッドはカロリーメイトゼリー同様、カロリーベースで考えるとビタミン・ミネラルはカロリーメイトブロックの2倍程度含まれています。
またカロリーメイトゼリーとは異なりビタミンCと鉄分が含まれているため、カロリーベースで考えるとカロリーメイトリキッドがビタミン・ミネラルは最強と言えます(ミネラルが欠損しているのが弱点ですが)。
しかしカロリーメイトブロック400kcalとカロリーメイトリキッド200kcalはほぼ同じ値段で販売されているため、値段を基準にするとカロリーメイトブロックとリキッドの差は無いと言えます。
むしろカロリーメイトリキッド200kcalとカロリーメイトブロック400kcalに含まれるカルシウム・マグネシウム・鉄はカロリーメイトブロック400kcalの方が少し多くなっています。
カロリーメイトのビタミン・ミネラルについてのまとめ
ここまでカロリーメイトブロック・ゼリー・リキッド各種のビタミン・ミネラルを表にして解説しました。
まずカロリーメイト全般に言える弱点が、含まれていないビタミン・ミネラルが存在していることです。
カロリーメイトには含まれていないビタミン・ミネラル(特にミネラル)は多く、上記のように25種類中9種類のビタミン・ミネラルが不足しています。
またカロリーメイトゼリーには次のビタミンが含まれていません。
なぜカロリーメイトゼリーにのみビタミンCと鉄が含まれていないのかは謎ですが、ビタミン・ミネラルの観点からはカロリーメイトブロックとカロリーメイトリキッドの方が優れていることになります。
またカロリーベースで考えるとカロリーメイトリキッドとカロリーメイトゼリーはカロリーメイトブロックの約2倍の量のビタミン・ミネラルが含まれていますが、カロリーメイトブロックはカロリーあたりの値段が約半分ですので、価格を基準にするとカルシウム・マグネシウム・鉄を多く含むカロリーメイトブロックがビタミン・ミネラルの点では優秀と言えます。
カロリーメイトのビタミン・ミネラル含有量を個別に検証
ここからはカロリーメイトのビタミン・ミネラルのうち、検索数が多い、つまり読者の関心が高いと思われる栄養素についてまとめていきます。
カロリーメイトに亜鉛はどのくらい含まれているの?
カロリーメイトは全ての形状・味において亜鉛は一切含まれていません。
ですのでカロリーメイトと亜鉛をセットで摂取される方も多いようです。
亜鉛に限らずカロリーメイトは全般的にミネラルが不足していますので、カロリーメイトにマルチミネラルなどのサプリメントをセットで摂取することは栄養バランスを改善するのに良い選択と言えます。
カロリーメイトに葉酸はどの程度含まれているのか?
カロリーメイトには葉酸がモリモリ入っています。
どの程度葉酸がモリモリ入っているかを検証するため、次の3点を比較していきます。
- 30代で運動量が通常程度の男性に対する1食あたり葉酸推奨量
- 葉酸が多く必要な妊婦の1食あたり葉酸推奨量
- 900kcal(30代男性の1食分)のカロリーメイト摂取した場合の葉酸摂取量
グラフを作成すると次のようになります。
茶色がカロリーメイトブロック、水色がカロリーメイトぜりー、橙色がカロリーメイトリキッドの葉酸量です。
日本人の食事摂取基準2020によると1食あたりに推奨される葉酸量は、30代の男性は80μg、妊娠中の女性は倍の160μgとなっています。
900kcal分のカロリーメイトに含まれている葉酸量はご覧のとおりで1食分どころか1日分の葉酸推奨量をカバーできてしまうのですが、さすがに900kcalものカロリーメイトは1日に食べないと思われます。
ですのでカロリーメイトブロックを1箱(400kcal)、カロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドを1個(200kcal)分摂取した場合の葉酸量と30代男性、妊娠中女性に推奨される葉酸量を比較すると次のようになります。
ご覧のようにカロリーメイトブロック1箱と、カロリーメイトゼリー1袋、カロリーメイトリキッド1缶に含まれている葉酸は全く同じで、120μgとなっています。
この数値を1食あたり推奨量と比較するとは30代男性は1.5倍、妊婦は3/4をカバーできることになります。
このことからもカロリーメイトに含まれている葉酸の量はかなり豊富であると言えるでしょう。
カロリーメイトに鉄分はどの程度含まれているの?
次に検証するのはカロリーメイト各種に含まれている鉄分量です。
カロリーメイトの鉄分量はカロリーメイトの形状によって大きく異なりますので注意が必要です。
まずは30代の男性に必要とされる900kcal分のカロリーメイトに含まれる鉄分と、30代男性の1食あたり推奨量、鉄分が多く必要とされる妊娠中後期の女性の1食あたり推奨量を比較します。
まず第一にカロリーメイトゼリーに鉄分は全く含まれていませんので、カロリーメイトに鉄分を求める方はカロリーメイトゼリーは選択肢から外すようにしましょう。
一方でカロリーメイトブロックとカロリーメイトリキッドは表からわかるように1食分として十分な鉄分を含みます。
多くの鉄分を必要とする妊娠中後期の女性であっても、カロリーメイトブロックとリキッドは必要量を満たしてくれます。
しかし妊娠中の女性は言わずもがな、男性であってもカロリーメイトを食事の代替として900kcalも摂取することは考えにくいでしょう。
そこでカロリーメイトブロックを1箱(400kcal)、カロリーメイトゼリーとリキッドを1個(200kcal)摂取した場合の葉酸量と30代男性、妊娠中女性に推奨される葉酸量を比較すると次のようになります。
カロリーメイトブロック1箱や1袋・1缶だけではさすがに1食分に必要な鉄分を全て補うことは難しいですが、低カロリーで鉄分をある程度補えることができると言うこともできます。
何にせよカロリーメイトを大量に摂取しない限り、カロリーメイトからの鉄分補給はあくまで補助的であると考えた方が良いと言えます。
カロリーメイトにリンはどの程度含まれているの?
次はカロリーメイトにリンがどの程度含まれているかを調査します。
結論から言えばカロリーメイトブロックのリン含有量はそれほど多くはありません。
何はともあれ、30代男性が1食に必要とする900kcalをカロリーメイト各種で補った場合、リンの摂取量はどうなるのかを調査します。
茶色がカロリーメイトブロック、水色がカロリーメイトぜりー、橙色がカロリーメイトリキッドの葉酸量です。
ご覧のようにカロリーメイトブロックは900kcalを摂取しても30代の男性が1食分として必要な量には足りておらず、推奨量の6割程度を得ることができます。
一方でカロリーメイトゼリーとカローメイトゼリーには推奨量の倍以上リンが含まれていることがわかります(カフェオレを除く)。
とはいえこれは900kcalものカロリーメイトを摂取した場合の話。
カロリーメイトブロックを1箱、カローメイトゼリーを1袋、カロリーメイトリキッドを1缶摂取した場合のリン含有量を見ていきます。
冒頭でカロリーメイトブロックにはリンがあまりに含まれていないと言ったことがお分かりいただけるかと思います。
カロリーメイトブロック1箱は30代男性に対する推奨量の1/3しか摂取できません。
一方でカロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドも1袋や1缶ではリンの摂取量が推奨量の半分程度となってしまうため、カロリーメイトでリンを補おうと考えておられる方は注意が必要です。
カロリーメイトにカリウムはどの程度含まれているの?
次に調査したミネラルは「カリウム」です。
結論から言うとカロリーメイトからカリウムを摂取できる量はほとんど期待できないと言えます。
まずはカロリーメイト各種900kcal(30代男性の1食分)に含まれているカリウムの量をグラフにしてみます。
ご覧のようにカロリーメイトに含まれているカリウム量は種類よってまちまちですが、1食分をカロリーメイトで代替したとしてもリンの推奨量には遠く及ばないことがわかります。
最もカリウム量が多いカフェオレでさえ、900kcalを摂取したとしても厚生労働省が定める値の半分しか取り入れることができません。
カロリーメイトゼリーのフルーティーミルクに至っては推奨量の1割にも満たない量のカリウムしか摂取できないことがわかります。
次にカロリーメイトブロックを1箱、カローメイトゼリーを1袋、カロリーメイトリキッドを1缶摂取した場合のカリウム摂取量を見ていきます。
ご覧のようにカロリーメイトを少し食べた程度ではカリウムはほとんど無いに等しい程度しか摂取できないことがわかります。
これらのことからカロリーメイトはカリウム含有量がかなり少ない食品であるため、カリウムを他の食品で補うなどの食生活が必要になります。
カロリーメイトにカルシウムはどの程度含まれているの?
最後にカロリーメイトのカルシウム含有量についてお伝えします。
カルシウムの摂取量と、骨密度や骨折の関係は密接に関係していて、カルシウム摂取量と骨折発生率には有意な関連が日本では認められています。
ではまず30台の男性に必要な1食分のカロリー(900kcal)とカロリーメイト各種に含まれているカルシウム量をグラフにして比較します。
意外にもというか、カロリーメイト各種はかなりカルシウムが豊富に含まれていることがわかります。
カルシウムはとくに幼児にとって重要な栄養素ですので、少量で多くのカルシウムを含むカロリーメイトは幼児にとっても良いおやつとなることが期待できます。
なおカロリーメイト各種1箱・1袋・1缶分に含まれているカルシウムは次のグラフのとおりです。
このように1単位分のカロリーメイトを摂取しただけでも、カロリーメイトブロックとカロリーメイトゼリーには30代男性に必要となる1食分のカルシウムが含まれていることがわかります。
とくにカロリーメイトゼリーは1袋がわずか200kcalにも関わらずカルシウム量が多く、カロリーメイトゼリーを選択する理由の1つにカルシウム含有量をあげてもおかしくない程度に、カルシウムが豊富だと言えます。
カロリーメイトで不足する栄養素は?栄養不足を補うには?
ここまでカロリーメイトの五大栄養素について調査を行いました。
記事をここまでご覧いただいた方はおわかりかと思いますが、カロリーメイトは栄養が必ずしも完璧ではないため、足りない栄養素がいくつか存在します。
では足りない栄養素が何であるのかをまとめてみましょう。
栄養不足となる三大栄養素は?
まずカロリーメイト各種の三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)で足りない栄養素はカロリーメイトブロックの炭水化物とたんぱく質です。
三大栄養素はカロリーの源となるため、カロリーメイトを食べる量を減らせば必然的に三大栄養素も不足しますので必要カロリー分を摂取したことを前提として計算を行います。
カロリーメイトは形状(ブロックか、ゼリーか、リキッドか)によるPFCバランスの差異はありますが、味による差異はほとんどありません。
ですのでそれぞれの形状から1種類を選び、それぞれのPFCバランスの比較を行います。
下記のグラフはカロリーメイトを900kcal(30代で運動量が通常程度の男性が1食に推奨されるカロリー)摂取した場合、厚生労働省が推奨する炭水化物・脂質・タンパク質摂取量のバランス(PFCバランス)を比較したものです。
カロリーメイトゼリーとカロリーメイトリキッドは三大栄養素がバランス良く配合されているため足りない三大栄養素は無いと言えますが、カロリーメイトブロックについては脂質が高いため、炭水化物とたんぱく質が足りない栄養素となっています。
つまりカロリーメイトの三大栄養素のうち不足する栄養素は次の2点です。
- カロリーメイトブロックの炭水化物
- カロリーメイトブロックのたんぱく質
次にカロリーメイトに不足するビタミン・ミネラルを検証します。
栄養不足となるビタミン・ミネラルは?
次にカロリーメイトに不足するビタミン・ミネラルを考察します。
今回もグラフを製作しようと思ったのですが、グラフは見にくくなってしまったため今回は何の栄養素が不足するかを表で提供いたします。
30代男性に対し推奨されるビタミン・ミネラルを1としたとき、カロリーメイト900kcalを摂取した場合にカロリーメイト各種から得られるビタミン・ミネラル含有量を数値化したのが下記の表になります。
数値が1未満、つまりは足りない栄養素を赤いマーカーで示しました。
ブロック(チーズ) | ゼリー(アップル) | リキッド(カフェオレ) | |
ビタミンA | 2.89 | 5.78 | 5.78 |
ビタミンD | 3.50 | 7.00 | 7.00 |
ビタミンE | 3.27 | 6.55 | 6.55 |
ビタミンK | 0.00 | 0.00 | 0.00 |
ビタミンB1 | 2.87 | 5.74 | 5.74 |
ビタミンB2 | 2.95 | 5.91 | 5.91 |
ナイアシン | 2.93 | 5.85 | 5.85 |
ビタミンB6 | 3.13 | 6.75 | 6.75 |
ビタミンB12 | 3.38 | 6.75 | 6.75 |
葉酸 | 3.38 | 6.75 | 6.75 |
パントテン酸 | 3.24 | 6.48 | 6.48 |
ビオチン | 0.00 | 0.00 | 0.00 |
ビタミンC | 3.38 | 0.00 | 6.75 |
カリウム | 0.23 | 0.24 | 0.50 |
カルシウム | 1.83 | 3.66 | 1.28 |
マグネシウム | 0.91 | 1.82 | 1.17 |
リン | 0.68 | 2.36 | 1.35 |
鉄 | 1.80 | 0.00 | 2.34 |
亜鉛 | 0.00 | 0.00 | 0.00 |
銅 | 0.00 | 0.00 | 0.00 |
マンガン | 0.00 | 0.00 | 0.00 |
ヨウ素 | 0.00 | 0.00 | 0.00 |
セレン | 0.00 | 0.00 | 0.00 |
クロム | 0.00 | 0.00 | 0.00 |
モリブデン | 0.00 | 0.00 | 0.00 |
不足しているビタミン・ミネラルが非常に多いことが表から読み取ることができますね。
カロリーメイト各形状に不足する栄養素をまとめると次のようになります。
カロリーメイトブロック(12種)
ビタミンK、ビオチン、カリウム、マグネシウム、リン、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン
カロリーメイトゼリー(11種)
ビタミンK、ビタミンC,カリウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン
カロリーメイトリキッド(10種類)
ビタミンK、ビオチン、カリウム、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン
カロリーメイトのビタミン・ミネラルは足りない栄養素が多く、とくにミネラルは壊滅的と言って良いです。
カロリーメイトの栄養不足を補うためにはミネラルのサプリメント摂取などが推奨されます。
カロリーメイトは油の塊か?
カロリーメイトに対する評判として「砂糖と油の塊」と言った表現が良くされることがありますので、カロリーメイトの栄養の観点から「カロリーメイトは油の塊かどうか」を調査していきます。
カロリーメイトは原材料に砂糖が多く使用されているため、砂糖が多く使用されていることは間違いないです。
一方で「油の塊」というイメージは語弊があると考えられます。
先に述べたようにカロリーメイトのPFCバランスはブロック・ゼリー・リキッドそれぞれによって異なりカロリーメイトリキッドとカロリーメイトゼリーは厚生労働省の定める値にアジャストしており「カロリーメイトは油の塊」と言った表現は全く異なります。
問題となるのはカロリーメイトブロックです。
カロリーメイトブロックはグラフからもわかるように脂質が飛びぬけて多いため「油の塊」つまりは「脂質の塊」と言っても過言ではありません。
1食あたり900kcalのカロリーメイトブロックを摂取すると、30代男性に推奨される脂質の上限値の1.6倍もの脂質が含まれています。
また飽和脂肪酸量も制限目標量の倍以上含むため、カロリーメイトブロックを大量に摂取することはオススメできません。
カロリーメイトブロックは基本的に食事の代替として大量に摂取する商品ではなく補助的に利用するべきですし、もしカロリーメイトブロックを多く消費する際は他の食事の脂質量を少な目にするなどの対策が必要です。