ベースブレッドはアルコールの匂いがするけど運転しても大丈夫?身体への影響は?

ベースブレッドを開封すると少しアルコール臭がすると感じた方も多いはず。

実は私はベースブレッドを開ける際のアルコール臭を気にしたことがなかったのですが、ベースブレッドを食べる人の中には

「ベースブレッドってアルコール入ったっけ?」
「アルコール臭するけどベースブレッドを食べたあとに運転しても大丈夫かな?」
「アルコールの入った食品を妊婦や子供が食べても大丈夫なの?」

と思われる方も多いです。

本記事ではそうした疑問にお答えするため、次の項目について考察を行っています。

  • ベースブレッドを開封したときに匂うアルコールの正体
  • ベースブレッドにアルコールは入っているの?
  • ベースブレッドを食べた後にアルコール検査するとひっかかる?
  • 妊婦や子供がベースブレッドを食べても安全なの?

ベースブレッドのアルコール臭をベースフード株式会社はどう考えているのか?

開封時のアルコール匂に関してはベースブレッドのことは販売会社であるベースフード株式会社に聞くのが一番良いのは間違いがないので、まずはベースフード公式の見解をご覧いただきましょう。

「妊娠中なのですが、BASE BREADに封入されているアルコールは害はないのでしょうか?」という問いに対するベースフード株式会社の回答がこちらです。

BASE BREADには食品中エタノール濃度約1~2%弱が含まれておりますが、この大部分は封入している食品品質保持材から蒸散されるエタノールです。

このようなエタノール蒸散材を使用した菓子類では一般的に同じぐらいの量が含まれており、妊婦さんや、また乳幼児の害となることはございませんのでご安心下さいませ。

ベースフード株式会社

公式の見解によるとベースブレッドを開封した際に匂うアルコール臭の大部分は封入している食品品質保持剤(エタノール蒸散材)から蒸散されるエタノールということです。

アルコール(エタノール)はベースブレッドの開封時に食品外へ拡散することや、エタノール蒸散剤は他の菓子類でも同程度含まれることから妊婦や乳幼児の害になることはないと解説されています。

この回答を聞いて気になるのが次の2点です。

  • エタノール蒸散材って何?
  • 「大部分が封入されている品質保持材から」ってあるけど、他にもアルコールが使われているの?
  • 妊婦や子供に影響がないことはわかったけど、運転しても大丈夫なの?

この3点を調査していきます。

ベースブレッドを開封するとアルコール臭がする3つの理由

ベースフード株式会社公式の見解では「ベースブレッドに含まれているアルコール(エタノール)の大部分は付属しているエタノール蒸散材由来のものである、と解説されていました。

しかしベースブレッドにアルコールが含まれている理由は「大部分は」と書かれていることからも、全てが品質保持材由来ではありません。

実はベースブレッドを開封した際のアルコール臭には3つの原因があります。

ベースブレッドに含まれているエタノール蒸散材の役割

ベースブレッドを開封した際に匂うアルコールの原因の1つは冒頭にもあるように、エタノール蒸散材です。

まずはベースブレッドに使用されているエタノール蒸散剤をご覧ください。

ベースブレッドの品質保持材

ベースブレッドに使用されているエタノール蒸散剤はドレンシー株式会社のアルコール揮散剤・脱酸素剤併用型キーピットです。
ドレンシー株式会社の製品情報を見ると、キーピットは単にアルコール揮散剤(エタノール蒸散剤)なだけではなく脱酸素剤の用途も兼ねていることがわかります。

エタノール蒸散材と脱酸素剤の役割を解説すると次のようになります。

エタノール蒸散材

エタノール蒸散剤とはエタノールを本体部分のシリカに吸着させ粉末化し、食品包装内でエタノールを蒸散させるための商品です。
袋内に充満したエタノールは微生物の増加を抑制し食品の品質を保持、つまりはベースブレッドをおいしく保ち賞味期限を延ばす役割を果たしています。

次に脱酸素剤の解説です。

脱酸素剤

脱酸素剤とは食品包装内の酸素を吸収する商品です。
酸素が脱酸素剤に吸着するとベースブレッド袋内の酸素濃度は低下します。

 

酸素濃度が低下すると細菌であるカビの発生・腐敗・変色などを予防することができるため、やはり脱酸素剤もベースブレッドの美味しさを保持し賞味期限を延ばすことができるのです。

つまりベースブレッドに使用されている品質保持剤は袋内にアルコールを充満させ、同時に酸素濃度を低くすることでカビなどの微生物の発生を抑制し賞味期限を長くする効果があることがわかります。

ベースブレッド開封時にはアルコールの匂いがするのはエタノール蒸散材が機能しているからと考えれば納得いただけると思います。

ベースブレッドの食品添加物「酒精」もアルコール臭の原因

ベースブレッドを開封した際に匂うアルコールの2つ目の原因は食品添加物の「酒精」です。

ベースブレッドは食品添加物としてすべての種類に「酒精」が使用されています。
「酒精」と聞くと馴染みが薄いと思いますが要はエタノールのことで、酒精はベースブレッドの発酵を止める役割を果たしています。

ベースブレッドに限らずパンは酵母の働きで糖から二酸化炭素とエタノールを発生させる(発酵させる)ことで膨らみますが、酒精を加えると発酵が抑制されます。
発酵を抑制する酒精を添加するのは矛盾しているように思えますが、発酵がすすむとベースブレッドの個包装が膨らんでパンパンになってしまう可能性があるため、過剰な発酵を抑制するために酒精が使用されています。

2022年11月2日のyahooニュースで、高槻市営バスの運転手が運転前に食品添加物として酒精が使用されている蒸しパンを食べたことで市の基準を超えるアルコールが検出されて懲戒処分になったことが報じられました。
実際に記者が蒸しパンを食べたあとにアルコール検査をすると、微量のアルコールが検出されたそうです。

記者が蒸しパンを食べた後にアルコール検査をしてみると、高槻市の基準(0.07ミリグラム)には達しませんでしたが、0.05ミリグラムという数値が出ました。実は、パンの中には「酒精」というアルコール成分が含まれていることがあります。

yahoo!ニュース

酒精はベースブレッドだけに使用されている食品添加物ではなく、味噌やコンビニで販売されている食パンなどの発酵食品に良く使用されています。

スイートポテト蒸し
スイートポテト蒸しにも酒精が使用されている

上記画像は近くのスーパーで販売されていた菓子パンですが、右画像のように添加物として酒精が使用されています。

酒精が食品添加物として使用されている菓子パン類、そしてもちろんベースブレッドも運転前の摂取には注意が必要であると言えます。

ベースブレッドは発酵する際にエタノールを発生させる

ベースブレッドを開封した際にアルコールの匂いがする3つ目の原因は発酵です。

先ほども少し書いているので察しの良い方は気づいたかもしれません。

パンは生地の糖質を酵母が分解する際に発生するガス(二酸化炭素)で膨らませる(発酵)のですが、その際にエタノールを発生させます。

イースト・酵母が小麦粉や砂糖の糖質を分解させますが、その際、パンを膨らませる

炭酸ガスと共に、アルコールも発生させます。そのため、パンの中には、発酵時に発生

した微量のアルコールが残存しており、パンを食べた直後にアルコール検出器で測定

すると微量のアルコールが検出されることがあります。

パスコホームページ

東海電子株式会社が検証したところ、スーパーやコンビニなどで良く見かけるヤマザキダブルソフトでさえ食べた直後にアルコール検査をすると0.16mg/Lのアルコールが検知されています。

ヤマザキダブルソフトの画像

ヤマザキダブルソフトを食べた直後にアルコール検査を行うと、次のような数値が検出されています。

ヤマザキダブルソフトのアルコール検査

なおヤマザキダブルソフトは食品添加物として酒精や、品質保持材としてエタノール蒸散材を使用していませんので、この数値はパンの発酵により発生したアルコールであると考えられます。

ベースブレッドからのアルコール摂取を防ぐにはどうすればよいか

これまで見てきたようにベースブレッドはアルコール蒸散材・酒精・発酵の際のエタノール、3つの要因によりアルコールを口に入れてしてしまう可能性があります。

では具体的にベースブレッドからアルコールの摂取を防ぐにはどうすればよいでしょうか?

アルコールをベースブレッドから取り除きたい人、ベースブレッドを食べてアルコール検査をクリアしたい方それぞれの方に向けて解決策を提示します。

ベースブレッドからアルコールを取り除いて食べたい方はアルコールを気化させる

まず物理的にベースブレッドからアルコールを取り除く2つの方法を解説します。

  • ベースブレッドを袋から取り出ししばらく置く
  • ベースブレッドをトースターで焼く

ベースブレッドからアルコールを放出させる1つ目の方法はベースブレッドを袋から出して(常温で)しばらく放置するというものです。
ベースブレッドの袋内に含まれている気化したエタノールは、袋の開封と同時に空気中へと放出されていきます。

またベースブレッドに含まれるエタノールもしばらく袋の外で置いておくと空気中へ蒸発していきます。

また、BASE BREAD開封時にガスとなったアルコールが一瞬フワッと香る事でアルコール感を感じてしまうこともあるかもしれませんが、ガスは開封時に袋外へ、食品中のアルコールも時間の経過とともに食品から出ていきます。

ベースフード株式会社

食品中のアルコールが素早く抜けるのはエタノールは沸点が低く早く蒸発するためで、エタノールは水よりもかなり早く気化していきます。

さらに早くエタノールを気化させるためには、2つ目の方法「ベースブレッドをトースターで焼く」または「ベースブレッドを袋から出してレンジで温める」と良いです。

気になる場合はトースター1000Wで3分ほど焼いていただくとアルコールがさらに揮発いたします。

ベースフード株式会社
トースターで焼いたベースブレッド
トースターで焼いたベースブレッド

ベースブレッドをトースターで焼くとアルコールはもちろん、水分も抜けてカリカリになります。
カリカリの食感が好きでない人は電子レンジでベースブレッドを温める方法がオススメです。

電子レンジの場合は500wで20秒程度温めるとベースブレッドがほどよく美味しくなり、エタノールも抜けます。

電子レンジで温めたベースブレッド
電子レンジで温めたベースブレッドミニ食パン

電子レンジであたためると少ししっとりしていますがアルコール臭は完全にありません。

電子レンジでベースブレッドを温める際の注意しないといけないのは、封入されている品質保持剤を取り除くことです。
ベースブレッドに使用されている品質保持材は電子レンジ不可ですので注意しましょう。

ベースブレッドは公式の見解にもあるように妊婦や子供が口にしても問題がありませんが、エタノールを蒸発させることでさらに安心して食べられるようになります。

ベースブレッドを食べてアルコール検査を回避したい方は時間を置くか、うがいをする

事業者へのアルコールチェックの義務化に伴い、車の運転前にアルコールチェックを行っている人も多いと思います。

すでに述べたように普通のパンでも摂取直後はアルコールが検知されることから、ベースブレッドを食べることを躊躇している人も多いと思います。

ベースブレッドから物理的にアルコールを飛ばすにはトースターや電子レンジなどの加熱機器が必要となるため、仕事中にアルコールを排除することは難しい場合が多いです。

車の運転をされる方で、温める場所がない場合は次の方法が有効です。

  • ベースブレッドを食べて2分後に検査する
  • うがいをしてから検査をする

結論から言えば、ベースブレッドに限らずパンを食べてアルコールが検知される理由はアルコールが体内に吸収されたからではなく、口内にアルコールが残留しているのが理由です。

特に白焼きパンでこのような現象が起きやすい傾向にありますが、これは体内に入った
アルコールではなく、口内のアルコールが反応していると考えられます。アルコール
検出器をご利用の場合は、うがいなどをしていただくと改善される場合があります。

パスコホームページ

ですのでベースブレッドを食べてから1分後に検査を行うか、うがいを行うことでアルコール検査をクリアすることができます

なお「1分後」という数字の根拠ですが東海電子株式会社の調査によると、口腔内に残っているアルコールは食後1分以降はアルコール検査に全く反応していないためです。

パンのアルコールは1分後に消える

サンプルが少ないので1分では不安だと思われる方も、3分後であれば多くのパンが反応していないため安心して検査を受けていただけると思います。

ベースブレッドを食べた後に運転してもアルコール検査は大丈夫なのか検証した

運転前のアルコール検査にひっかからないためには上記のように2つの方法があるとお伝えしました。
しかし本当にベースブレッドを食べてから時間を置くことや、うがいをすることでアルコール検査をクリアできるのか不安に思われる方も多いはず。

そこで今回は私が実際にベースブレッドを食べた後にアルコール検査を行い、その結果を皆様にお伝えすることにいたします。

ベースブレッドを食べた後のアルコール検査を次の2つの方法でを行いました。

1、ベースブレッドメープル味を食べた直後にアルコール検査を行い、その1分後に再びアルコール検査を行う

2、ベースブレッドシナモン味を食べた直後にアルコール検査を行い、うがい後に再びアルコール検査を行う

ベースブレッドを食べた1分後にアルコール検査を行うと少しお酒が残っていた

ではまず最初にベースブレッドメープル味を食べた直後にアルコール検査を行うと次の画像のようになりました。

ベースブレッドメープル味を食べた直後のアルコール検査
ベースブレッドメープル味をたべた直後のアルコール検査

アルコール濃度は0.3mg/Lとなりました。
酒気帯び運転の基準値となる呼気中のアルコール濃度は0.15ml/Lですので、余裕で酒気帯び運転と判断されてしまいます。

では1分後に再びアルコール検査を行うとどうなったでしょうか?
ご覧ください。

ベースブレッドメープル味を食べて1分後のアルコール濃度
ベースブレッドメープル味を食べて1分後

正直アルコールは全く検知されないと思っていたのですが、アルコール濃度は0.10mg/Lとなってしまいました。

酒気帯び運転の基準値以下ですが、この数値を見られてしまうと「お酒残ってるの?」と疑われてしまうためできれば0.00mg/Lまで下げてしまいたいと思うのが社会人というもの。

念のためにベースブレッドメープル味を食べて2分後に再検査を行ってみました。

ベースブレッドメープル味を食べて2分後のアルコール濃度
ベースブレッドを食べて2分後のアルコール濃度

やりました!
見事にアルコール濃度0.00mg/Lを出すことができました。

以上のことからベースブレッドを食べた後は2分後以降にアルコール検査を行うようにした方が良いと言えます。

ベースブレッドを食べてうがいをした後にアルコール濃度の測定した結果

次に「ベースブレッドを食べた後にうがいをして呼気検査を行うとどうなったか?」を検証しました。

まずはベースブレッドシナモン味を食べた直後のアルコール濃度を測定しました。

ベースブレッドシナモン味を食べた直後のアルコール検査
シナモン味を食べた直後のアルコール濃度

おや?
ベースブレッドシナモン味の場合は食べた直後のアルコール濃度は0.07mg/Lとすでに酒気帯び運転の基準値である0.15mg/Lを切っています

この数値が味の違いによるものなのか、検査の誤差によるものなのかは正直わかりませんが、やはりある程度のアルコールは検知されるようです。

数値を0に近づけるべく、うがいをしてから再度アルコール呼気検査を行うと次のような結果になりました。

ベースブレッドを食べてうがいをした後のアルコール濃度

わずかにアルコールが検知されましたが、ほぼ0に近い値となりましたので調査はここで終了しました。

私の場合は軽くうがいをしただけですので、0.00mg/Lでないと困る場合はさらに入念にうがいをすればアルコールは検知されなくなるはずです。

ベースブレッドを食べた後にアルコール検査をクリアするには?

今回のベースブレッドと運転前のアルコール検査に関する調査で言えることは次の点です。

  • ベースブレッドを食べた直後にアルコール検査を行うと酒気帯び運転の呼気濃度を超えることがある
  • ベースブレッドを食べて時間を経るにつれ、呼気濃度は下がる
  • ベースブレッドを食べた後にうがいをすると呼気濃度を下げることができる

アルコール検査にひっかからないようにベースブレッドを食べるには、時間をいてアルコール検査を行う、うがいをすることも重要ですが付け加えるなら「口呼吸をする」「お茶を飲む」などの行為も有効であると考えられます。

しかし今回実際にベースブレッドを食べた後にアルコール検査を行いましたが、試行回数はわずかに「2」です。

上記にもあるようにベースブレッドの種類や食べ方、うがいの方法で呼気検査の結果は変わる可能性がありますので中外必要です。

ベースブレッドのアルコール臭に関するまとめ

最後に本記事のメインテーマである「アルコールとベースブレッドの関係」についてまとめます。

ベースブレッドはアルコールの匂いがするけど運転しても大丈夫?身体への影響は?まとめ

ベースブレッドに含まれるアルコールが身体に与える影響は無いことは、ベースフード株式会社公式の見解からも明らかです。 

 

ベースブレッドに含まれるアルコールはエタノール蒸散剤・酒精・発酵によるエタノール発生の3つの要因からなります。

 

開封時に袋内のアルコールは外気へ拡散し時間と共にベースブレッド内のアルコールも食品から出ていきますが、気になる場合はベースブレッドを電子レンジで温めるまたはトースターで焼くことで、さらに安心して食べられるようになります。

 

単純に運転前のアルコール検査にひっかからないようにするためには、ベースブレッド摂取直後のアルコール検査は避け、少なくとも2分以上あけてから検査をすることや検査前にうがいを行うことすることで呼気中のアルコール濃度を下げることができます。

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