妊婦は通常以上に食生活に気を付ける必要があります。
それはもちろんお腹に新しい生命を抱えているからなのですが、妊婦が特に食生活に注意が必要な理由は単に食べ物が赤ちゃんに影響を与えることのみならず、妊婦自身に通常以上の栄養素が必要な場合もあるからです。
ここでは妊娠中に積極的に摂るべき栄養素、摂ってはいけない食べ物・飲み物、摂る量に注意すべき栄養素について分類し、ベースブレッドは妊娠中に食べて良いのかを考察していきます。
なお根拠となる数字は「日本人の食事摂取基準2020」の379ページ、385ページ近辺から主に取得していますのでさらに詳細な情報を知りたい方はご参照ください。
本記事は次のような疑問をお持ちの方の悩みが解決できるよう執筆を行っています。
- 自身またはパートナーが妊娠中・妊娠予定でありベースブレッドを食べても良いか気になる
- ベースブレッドには胎児に影響がある原材料が使用されていないか心配である
- ベースブレッドのビタミン・ミネラルは妊婦にとって十分な量が含まれているの?
- ベースブレッドの三大栄養素は妊婦にふさわしいバランスが配合されているの?
妊婦に推奨される栄養とベースブレッドの栄養を比較
まず最初にベースブレッドに含まれる栄養と妊婦に推奨される栄養を比較していきます。
妊婦は通常の女性とは異なり、ビタミン・ミネラルや三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)の摂取量や配分に注意を行う必要があります。
ベースブレッドと、妊婦に推奨される栄養を比較すると何が見えてくるのでしょうか?
また胎児に影響を与える可能性があるため、摂取量を控える若しくは摂取しない方が良い食材もありますので、ベースブレッドの原材料も併せて考察を行っていきます。
妊婦のビタミン・ミネラルはどの程度必要になるのか?
妊婦は妊娠していない女性よりも多くのビタミン・ミネラルを摂取する必要がありますが、具体的な妊婦ビタミン・ミネラルの摂取推奨量をご存じでない方も多いと思います。
まずはじめに、18~29歳および30~49歳の女性に推奨されるビタミン・ミネラル摂取量と、妊婦・授乳婦に推奨されるビタミン・ミネラル量を比較してみます。
詳細は後述しますが簡潔にまとめると妊娠中により必要となるビタミン・ミネラルは次にようになります。
上記のまとめをさらに詳細に記述し、1日に必要な各栄養素量を表にすると次のようになりますが、読み飛ばしていただいても大丈夫です。
情報量が多いため、妊娠していない30~49歳女性に推奨されるビタミン・ミネラルを1とした時、妊婦に推奨されている数値が1.3~1.8倍未満の場合は黄色、1.8倍以上の場合は赤色でマーカーしています。
栄養素 | 18~29歳 | 30~49歳 | 妊婦 | 授乳婦 |
---|---|---|---|---|
ビタミンA(μg) | 650 | 700 | 妊娠後期 +80 | +450 |
ビタミンD(μg) | 8.5 | 8.5 | 8.5 | 8.5 |
ビタミンE(mg) | 5 | 5.5 | 6.5 | 7 |
ビタミンK(μg) | 150 | 150 | 150 | 150 |
ビタミンB1(mg) | 1.1 | 1.1 | +0.2 | +0.2 |
ビタミンB2(mg) | 1.2 | 1.2 | +0.3 | +0.6 |
ナイアシン(mg) | 11 | 12 | 加算なし | +3 |
ビタミンB6(mg) | 1.1 | 1.1 | +0.2 | +0.3 |
ビタミンB12(μg) | 2.4 | 2.4 | +0.4 | +0.8 |
葉酸(μg) | 240 | 240 | +240 | +100 |
パントテン酸(mg) | 5 | 5 | 5 | 6 |
ビオチン(μg) | 50 | 50 | 50 | 50 |
ビタミンC(mg) | 100 | 100 | +10 | +45 |
食物繊維(g) | 18 | 18 | 18 | 18 |
n-6 脂肪酸(g) | 8.43 | 8.57 | 9.13 | 10.17 |
n-3 脂肪酸(g) | 1.85 | 1.99 | 1.48 | 1.81 |
カリウム(mg) | 2600 | 2600 | 2600 | 2600 |
カルシウム(mg) | 650 | 650 | 加算なし | 加算なし |
マグネシウム(mg) | 270 | 290 | +40 | 加算なし |
リン(mg) | 800 | 800 | 800 | 800 |
鉄(mg) | 6.5 | 6.5 | 妊娠初期 +2.5 妊娠中期 +9.5 妊娠後期 +9.5 | +2.5 |
亜鉛(mg) | 8 | 8 | +2 | +4 |
銅(mg) | 0.7 | 0.7 | +0.1 | +0.6 |
マンガン(mg) | 3.5 | 3.5 | 3.5 | 3.5 |
ヨウ素(μg) | 130 | 130 | +110 | +140 |
セレン(μg) | 25 | 25 | +5 | +20 |
クロム(μg) | 10 | 10 | 10 | 10 |
モリブデン(μg) | 25 | 25 | 加算なし | +3 |
妊娠中および授乳中に必要とされるビタミン・ミネラルは上記の数字になりますが、黄色と赤い部分、つまりは妊娠中・授乳中は通常より必要となる栄養素がかなり多いことがわかります。
それもそのはずで、妊婦は妊娠中に摂取すべき推定エネルギー必要量も多くなり、妊娠週数によって次の3つに基準が定められています。
- 妊娠初期(13週未満) +50kcal
- 妊娠中期(27週未満) +250kcal
- 妊娠後期(28週以降) +450kcal
推定エネルギー必要量が増えると、それに伴い摂取すべきビタミン・ミネラルが増えるのも当然だと言えます。
とくに葉酸・鉄分・ヨウ素の必要量は顕著ですが、それぞれの栄養素がなぜ必要になるのかを簡単に解説します。
葉酸は胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減させる
少し専門的な話になるので、葉酸の積極的な摂取が必要となる理由を引用します。
胎児の神経管閉鎖障害は、受胎後およそ28 日で閉鎖する神経管の形成異常であり、臨床的には
日本人の食事摂取基準より引用
無脳症、二分脊椎、髄膜瘤などの異常を呈する。神経管閉鎖障害の発生率は、2011~2015 年に
おいて1万出生(死産を含む)当たり6程度で推移していると報告されている。
神経管閉鎖障害とは赤ちゃんの神経管がうまく作れない病気ですが、神経管の形成は一般的に妊娠を知るよりも早い段階であるため、妊活中や妊娠の可能性がある場合は葉酸の摂取量を増やす方が良いと言われています。
鉄が不足すると赤ちゃんのとくに脳の発達に影響を与える
妊婦の鉄欠乏が赤ちゃんにどのような影響を与えるかについても引用をさせていただきます。
妊婦さんに必要不可欠な「鉄分」が不足してしまうと、赤ちゃんの発育不良、特に脳の
八戸一市立市民病院HPより引用
発達に影響を及ぼします。
また低出生体重児や切迫早産になりやすくなります。さらに、産後母乳の出にも影響し
ます。
鉄分は、赤血球の主な成分「ヘモグロビン」を作るために必要なのです。
妊娠の初期・中期・後期によって鉄の必要量は異なり、具体的な数値を再掲すると18~40代の女性で6.5mgの摂取が推奨されているところ、妊婦の場合は妊娠初期で+2.5mg、妊娠中期と後期で+9.5mgとなっています。
とくに妊娠中期から後期にかけては多くの鉄分が必要となり、妊娠していない女性のおよそ2.5倍程度の鉄分摂取が推奨されています。
ヨウ素は不足も気になるが過剰摂取も注意
ヨウ素は10~40代の女性であれば1日130μgを摂取することが推奨されていますが、妊婦の場合は110μgを追加で摂取することが推奨されています。
妊婦のヨウ素欠乏症は次のような症状を引き起こす可能性があります。
妊娠中のヨウ素欠乏は、死産、流産、胎児の先天異常及び胎児甲状腺機能低下(先天性甲状腺機能低下症)を招く。重度の先天性甲状腺機能低下症は全般的な精神遅滞、低身長、聾唖、痙直を起こす。
日本人の食事摂取基準より引用
しかしながら実は日本人は世界中でもヨウ素摂取量が多い集団であることが知られています。
日本人は昆布製品や海藻類を含む食事を摂取しているため、平均で1日に1000~3000μgを摂取していると推定されており、サプリメントなどで補わなくても1日240μgの推奨量は十分クリアしているものと考えられます。
妊婦の場合、むしろ注意すべきなのは過剰摂取です。
18~40代の女性におけるヨウ素の耐容上限量は3000μgですが、妊婦および授乳婦は2000μgと低めに設定されています。
ヨウ素の過剰摂取は赤ちゃんの甲状腺機能低下症につながるため、海藻類を毎日食べるなどは控えるよう注意喚起がされています。
ベースブレッドのビタミン・ミネラル含有量は妊婦にふさわしいの?
では妊娠中の女性がベースブレッド1食分(2袋)を食べると、妊婦に必要なビタミン・ミネラル等をどの程度カバーできるかをグラフにしてみます。
なおビタミンAと鉄分は妊娠の周期によって摂取推奨量が異なりますが、もっとも必要量が多い周期(ビタミンAは妊娠後期・鉄分は妊娠中・後期)を基準としています。
厚生労働省が妊婦に対して推奨するビタミン・ミネラル量を1(中央の黒い線)とした時、ベースブレッド2袋を食べるとどの程度のビタミン・ミネラルが摂取できるか(カラフルな線)を示しています。
ベースブレッドは7種類あるため、グラフが非常に見にくいですが全般的に妊婦に必要な栄養素がカバーできていることがわかります。
一方で鉄分は不足しているように見えます。
厚生労働省が推奨する値に対し不足している栄養素を抽出し、充足率を示したものが次の表です。
とくに注目いただきたいのは赤と黄色のマーカー部分です。
シナモン | メープル | プレーン | ミニ食パン | カレー | チョコレート | ミニ食パン レーズン | |
ビタミンD | 85% | 85% | 85% | 92% | 85% | 92% | - |
ビタミンB12 | - | - | 86% | 86% | 86% | - | - |
葉酸 | - | - | - | - | 98% | - | - |
ビタミンC | 93% | 93% | - | 93% | 93% | - | 93% |
鉄 | 56% | 53% | 53% | 53% | 49% | 94% | 75% |
亜鉛 | 96% | 96% | 96% | 96% | - | - | 96% |
ヨウ素 | 64% | 64% | 64% | 64% | 60% | 98% | 63% |
先にも見たように鉄・葉酸・ヨウ素は妊婦が通常よりも多くの摂取が必要となる栄養素ですが、ベースブレッドを妊婦が食べると鉄が不足することがわかります。
ヨウ素もやや不足気味な一方、葉酸は妊婦であっても厚生労働省が推奨する値を満たす量が含まれていることがわかります。
これらのことから鉄分はベースブレッドを摂取したとしても1食分の推奨量には満たないため、通常の食事や鉄分のサプリメントで補う必要があることがわかります。
ヨウ素についてはベースブレッド1食分では妊婦の推奨量を満たさないものの、日本人はヨウ素を多く摂取する民族であるため、ヨウ素が1食の推奨量に満たないことはむしろプラスに考える方が良いでしょう。
妊婦がベースブレッドを摂取した場合の耐容上限量を検証
次に妊婦がベースブレッドを摂取するにあたり気になるのが耐容上限量、つまり栄養の過剰摂取です。
ビタミン・ミネラルには厚生労働省が耐容上限量、つまり「これ以上摂取すると健康上のリスクが高まる可能性がある量」が設定されている栄養素があります。
グラフを見るとモリブデン・クロムの含有量が突出し、ナイアシンの量がやや多いため、不安に思われる方もいるでしょう。モリブデン・クロム・ナイアシンの3つの栄養素について、厚生労働省の耐容上限量とベースブレッド1食分に含まれる量を比較します。
上限量 | シナモン | メープル | プレーン | ミニ食パン | カレー | チョコレート | ミニ食パン レーズン |
モリブデン (166.7μg) | 96.4 | 96.4 | 96.4 | 98.4 | 93.6 | 76.2 | 98.8 |
クロム (166.7μg) | 3.6 | 3.6 | 3.4 | 3.6 | 4.4 | 28.8 | 3.4 |
ナイアシン (83.3mg) | 17.2 | 17 | 17 | 17 | 15.2 | 17.4 | 19.2 |
上記のように全ての種類のベースブレッドで、厚生労働省が定める耐容上限量を超える数値は認められませんでした。
よってベースブレッドは妊婦のビタミン・ミネラルの過剰摂取について気にする必要は無いと言えるでしょう。
ベースブレッドの三大栄養素は妊婦にふさわしい
ベースブレッドと妊婦の栄養についてもう1点述べておきたい点があります。
それはたんぱく質です。
「日本人の食事摂取基準2020」によると、たんぱく質もまた妊娠中は積極的な摂取が必要とされる栄養の1つで、妊娠週数に応じ通常の食事に加えて次の量のたんぱく質の摂取が推奨されています。
- 妊娠初期⇒【+0g】
- 妊娠中期⇒【+5g】
- 妊娠後期⇒【+25g】
ではベースブレッドに含まれるタンパク質量はどの程度なのでしょうか?
奇遇ですがベースブレッドは1食あたり27g(カレー味のみ27.4g)のタンパク質が含まれており、妊娠後期に追加で必要となるタンパク質量と、ベースブレッド1食分に含まれるたんぱく質量はほぼ同じなのです。
つまり通常の食事に加えてベースブレッド2袋を食べていれば妊娠後期に必要なたんぱく質量が賄えるという嘘のような本当の話です。
一方でベースブレッドは炭水化物量がかなり少な目であるため、ベースブレッドを食事に置き換える場合は炭水化物の積極的な摂取が必要となります。
運動量が通常程度の30代女性がベースブレッドを1食(2袋)食べたとき、三大栄養素それぞれのから得られるカロリーと厚生労働省が定める値の上限と下限(黒線)を示したのが次の図になります。
今回注目いただきたいのはグラフ左の炭水化物の項目です。
ベースブレッドは炭水化物量がかなり少ないです。
三大栄養素のバランスを考えるとベースブレッド以外の食事は炭水化物を積極的に摂取した方が良いことがわかります。
ベースブレッドはダイエットを志す人にも安心して食べられるよう開発されたため、炭水化物が少なくタンパク質豊富な食品となっています。
そして奇しくも妊婦には多めのたんぱく質が推奨されていることから、ベースブレッドのPFCバランスは妊婦にも適した食品となっているのです。
ベースブレッドの栄養についてまとめると、ビタミン・ミネラルが豊富(鉄分は別途必要)、三大栄養素はタンパク質多め(炭水化物は別途必要)ということになります。
ベースブレッドに妊婦が食べてはいけない原材料は入っている?
次に妊娠中の女性がベースブレッドに対して抱いている疑問は、「ベースブレッドの中に妊娠中に食べてはいけない原材料が入っていないるのでは?」という点です。
妊娠中に食べるべきではない原材料、気を付けた方が良い原材料、2つにわけて解説を行います。
妊婦が食べるべきでない原材料はベースブレッドに含まれている?
ユニ・チャーム株式会社のHPから引用すると、妊娠中に摂取すべきではない食べ物・飲み物には次のようがものがあります。
アルコール,栄養ドリンク(カフェイン・アルコール),刺身,生の魚卵,生卵,ナチュラルチーズ
生ものは食中毒の危険性があるため、アルコールは胎児の成長に影響を与える可能性があるためです。
まずベースブレッドは加工食品ですので、ベースブレッドの原材料に生ものは含まれていません。
ですので生ものについては心配する必要はありません。
またカフェインですが、ベースブレッドチョコレート味には原材料としてチョコレートフラワーペーストが含まれています。
チョコレートフラワーペーストにはおそらくココアパウダーが使用されており、ココアパウダーにはカフェインが含まれていると推測できます。
ベースブレッドチョコレート味に含まれるカフェイン量は微量かとは思いますが、はっきりした数値が判別できないため、気にされる方はベースブレッドチョコレート味は摂取しない方が良いでしょう。
またアルコールについては、すべてのベースブレッドは添加物として酒精(エタノール)が使用されています。
しかしベースフード株式会社の公式HPには次のような記載があり、妊婦でも安心して摂取できることがわかります。
妊娠中なのですが、BASE BREADに封入されているアルコールは害はないのでしょうか?
BASE BREADには食品中エタノール濃度約1~2%弱が含まれておりますが、この大部分は封入している食品品質保持材から蒸散されるエタノールです。
ベースフード株式会社ヘルプセンター
このようなエタノール蒸散材を使用した菓子類では一般的に同じぐらいの量が含まれており、妊婦さんや、また乳幼児の害となることはございませんのでご安心下さいませ。
また、BASE BREAD開封時にガスとなったアルコールが一瞬フワッと香る事でアルコール感を感じてしまうこともあるかもしれませんが、ガスは開封時に袋外へ、食品中のアルコールも時間の経過とともに食品から出ていきます。
気になる場合はトースター1000Wで3分ほど焼いていただくとアルコールがさらに揮発いたします。
結局のところベースブレッドには「妊婦が食べるべきではない」原材料は含まれておらず、唯一チョコレート味にカフェインが含まれている可能性があるため、細心の注意を払う方はベースブレッドチョコレート味は避けた方が良いと言えるでしょう。
妊婦が気を付けたい原材料はベースブレッドに含まれている?
次に妊娠中に食べるのを気を付けたい食べ物を、ユニ・チャームのHPから引用します。
水銀を含む魚,ヨウ素を多く含む昆布など,ヒ素を多く含むひじき,ビタミンAを多く含む食品,カフェインを含む飲み物
ベースブレッドの原材料を精査すると、上記の食材のうち該当するのは「ヨウ素を多く含む昆布・ヒ素を多く含むひじき」の項目です。
「ヨウ素を多く含む昆布・ヒ素を多く含むひじき」とはかみ砕くと「ヨウ素とヒ素の摂りすぎ注意」ということになります。ヨウ素については先にお伝えしたように、妊婦のヨウ素摂取推奨量に対してベースブレッドのヨウ素含有量は少ないと言えるので心配する必要はありませんので、もう1点のヒ素について解説します。
ベースブレッドはカレー味を除くすべての種類で海藻粉末が原材料として使用されていますが、海藻粉末が何の海藻なのかまでは知ることができません。
では「海藻粉末=ヒ素を多く含むひじき粉末」であった場合、妊婦はベースブレッドを避けるべきなのかを考察します。
まず、ひじき1gには0.38mgのヨウ素と0.077mgのヒ素が含まれています。
仮にベースブレッドのヨウ素が全てひじき由来であるとしたら、ベースブレッドプレーン味2袋には71.2μg(0.0712mg)のヨウ素が含まれるので、逆算すると使用されているひじき粉末の量は0.19gとなります。
ユニ・チャームのHPによると、「妊娠中は乾燥ひじき5gを週2回までにしましょう」と記載があります。
ベースブレッドプレーン味2袋を毎日食べたとしても、1週間で1.33gにしかならないため、仮に海藻粉末すべてにひじき粉末が使用されていたとしても、ベースブレッドに含まれるヒ素量は妊婦にとって何ら問題ない量であると言えます。
またベースブレッドチョコレート味にはプレーン味の1.54倍程度のヨウ素が含まれますが、毎日1食分チョコレート味を食べていても1週間で2g程度の摂取量となり、ヒ素含有量は問題が無いと言えます。
これらのことからベースブレッドには「妊婦が気を付けたい」原材料は見当たりませんので、やはりベースブレッドを妊婦が食べることは問題がないと言えるでしょう。
結局、ベースブレッドは妊婦も食べて良いのか?
さて上記のようなベースブレッドと妊婦に必要な栄養のデータを踏まえ、ベースブレッドが妊婦にとってふさわしい食事なのかを考察したいと思います。
まず五大栄養素のうちビタミン・ミネラルに関して、注意すべき栄養素である葉酸・鉄・ヨウ素のうち、鉄とヨウ素が1食分としては不足していました。
しかしヨウ素は日本人は日常生活で摂取量が多く、妊娠中に敢えて摂取する必要はないため実質的に不足する栄養素は鉄のみとなっています。
また過剰が懸念される栄養素はありませんでした。
次にたんぱく質・炭水化物・脂質については、ベースブレッドは妊娠中に積極的に摂取すべきたんぱく質が豊富に含まれているため、妊婦の栄養配分としては最適な食品であると言えます。
妊娠中に食べるべきでない、注意すべき原材料としてはアルコール、ヒ素があげられますが、前者は公式HPの見解で安全性が確認されています。
また後者は理論上、ヒ素が過剰となる要素が原材料に見られないため、ベースブレッドは妊娠中でも安心して食べられる食品であると言えるでしょう。
ただ妊娠中は妊娠週数に応じて摂取すべきカロリーも増えるため、ベースブレッドを1食分として考えるよりは通常の食事にプラスしてベースブレッドを摂取する方が良いでしょう。
また通常の食事に加えてベースブレッドを摂取しても、鉄分量は不足するため鉄サプリメントや鉄分の多く含まれる食事を積極的に摂取する必要はあると言えます。