ベースブレッドの栄養は本当に完全?栄養素と成分を徹底解析

ベースブレッドの栄養と成分アイキャッチ

2023年現在、完全栄養食が世に出て10年程度が経過していますが、2019年3月4日に発売されたのが史上初「パン型完全栄養食※」のベースブレッドです。

食パンに栄養と手軽さという付加価値を加えたベースブレッドは健康的な生活を目指す人々に人気の商品となっています。

ベースブレッドは「完全栄養食※」として発売されているわけですが、実は完全栄養食とは言えない部分があり、それがベースブレッドの長所であり短所でもあるわけですが・・・その理由を本記事で解説したいと考えています。

「完全栄養食※」と名前がついているものの、ベースブレッドだけ食べていても健康的に生きていくことは不可能で、ベースフード株式会社もそのようなベースブレッドの使用方法は推奨していません。

結論から言えば、ベースブレッドの栄養・成分については次のようなことが言えます。

  • ベースブレッドは2袋で1食分だが、カロリーは不足する
  • ベースブレッド1食分のPFCバランスは炭水化物が超少ない
  • ベースブレッドのビタミン・ミネラルは2袋でも豊富に含まれている
  • ベースブレッドの食塩含有量は意外と多い
  • 普通の食パンと比較すると炭水化物がかなり少なく、脂質とたんぱく質が豊富
  • 普通の食パンと比較するとビタミン・ミネラルは超豊富

上記のようになる理由や、ベースブレッドだけを食べ続けることが推奨できない理由を、各栄養素を分析しながら解説していきます。

MEMO

国民の健康を保持・増進するためのエネルギーや栄養素の数値は、厚生労働省が5年に一度「日本人の食事摂取基準」として公表しており、この記事でも「日本人の食事摂取基準」の数値を使用しています。

栄養素の摂取目標となる数値は科学的根拠の有無などにより「推定平均必要量・推奨量・目安量・目標量」など呼び名がわかりますが、当記事では一括して「厚生労働省が定める数値」と表記しています。

また必要となる栄養素の数値は年齢や性別によって異なりますが、基本的には30代で運動量が通常程度の男性を基準にしています。

カロリー計算について

本記事でのカロリー計算は、三大栄養素1gあたりのカロリーを次のように換算して計算しています


糖質    4kcal

食物繊維  1kcal

脂質    9kcal

タンパク質 4kcal

実際には必ずしも上記の数値に変換できない場合があるため、ベースブレッドのカロリー表記と本記事のカロリー数値に誤差が生じる場合があります

ベースブレッドは「完全栄養食※」なのか?

ベースブレッドは毎食毎日食べ続けても健康的に生きていくことはできない商品なのですが、その理由を説明します。

まず食事の五大栄養素について解説します。
食事の栄養・成分は次の5種類に分類することができ、内訳は次のとおりです。

  • 炭水化物
  • 脂質
  • タンパク質
  • ビタミン
  • ミネラル

そして五大栄養素それぞれの役割は次のようになります。

  • 炭水化物・脂質・たんぱく質⇒エネルギー源(カロリー)
  • ビタミン・ミネラル⇒健康維持・体調管理

炭水化物・脂質・たんぱく質は三大栄養素と呼ばれ、我々が生きていくためのエネルギー源となります。
いわゆる「カロリー」は三大栄養素から摂取するわけですね。

一方でビタミン・ミネラルはカロリーにはならないものの、我々の健康維持・体調管理に寄与します。
例えばビタミンAは目や皮膚の粘膜を正常に保つ役割を果たしており、ビタミンAが欠乏すると夜盲症などの疾病になってしまいます。

五大栄養素について簡単に理解いただいたところで、ベースブレッドの「完全栄養食」の定義を確認したいと思います。

ベースクッキーは「完全栄養食※」の定義は公式HPによると、次のようになります。

ベースブレッド「完全栄養食」の定義

※ 1食(2袋)で、栄養素等表示基準値に基づき、他の食事で過剰摂取が懸念される、脂質・飽和脂肪酸・炭水化物・ナトリウムを除いて、すべての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含む

ベースブレッドの場合「栄養素等表示基準値」に基づき栄養が含まれていることがわかります。
では「栄養素等表示基準値」とは何なのでしょうか?

江崎グリコのHPより引用します。

私たちが、ある食品に含まれる栄養素量を評価しようとする時、自分に必要な量に対してどうかといったような何らかの基準が必要になります。

しかし、本来、個人ごとに必要な栄養素量は、年齢、性別、身体活動の程度などによって異なります。そこで、食品の栄養成分の評価の際、日本人一般に幅広く適用できる共通の”ものさし”として厚生労働省より「栄養素等表示基準値」が設定されています。

「栄養素等表示基準値」は、日本人の1日に必要な量の平均的な値として捉えることができますが、個人ごとに必要な栄養素量を意味するものではありません。

江崎グリコHP

何の栄養がどの程度我々に必要なのかは、年齢・性別・運動量などによって変化します。
例えば3歳の幼児と30歳の大人に推奨されるカロリーやビタミン・ミネラルが同じでないことは明白です。

つまり必要な栄養素は個々人により異なるため一本化できないため、目安として定めた栄養量が「栄養素等表示基準値」となるわけです。

ベースフード株式会社では年齢や性別・運動量に依らず「1食分として2袋」を基準にしており、確かに2袋に含まれる栄養は「栄養素等表示基準値」に適合しています。
しかし「栄養素等表示基準値」は個人の属性を無視しているため、人によってはベースブレッド2袋に含まれる栄養が適切ではない場合があります

またベースフード株式会社の完全栄養食※の定義では「脂質・飽和脂肪酸・n-6系脂肪酸・炭水化物・ナトリウム・熱量」を除いて、1日の1/3の栄養が摂取できるとあります。
後述しますがナトリウムをのぞく「脂質・飽和脂肪酸・n-6系脂肪酸・炭水化物」はカロリー(熱量)の源となります。
つまりベースブレッドは脂質(飽和脂肪酸・n-6系脂肪酸も含む)と炭水化物が不足するため、結果カロリーが少ないということが示唆されています。

本記事では30代で運動量が通常程度の男性がベースブレッドを摂取すると、厚生労働省が定める必要な栄養素と比較してどの程度の差異が生じるのかを示しながら、ベースブレッドの栄養配分にどのような特徴があるのかを検証していきます。

ベースブレッド2袋分の栄養素を分析

では実際にベースブレッド2袋の五大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)含有量を検証します。

まずは炭水化物・脂質・タンパク質の三大栄養素、つまりはカロリーがどの程度含まれているのかを厚生労働省が定める数値と比較します。

ベースブレッド2袋分の三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)は炭水化物が少ない

三大栄養素とは脂質・炭水化物・タンパク質の3つのことでで、Protein=タンパク質、Fat=脂質、Carbonhydrate=炭水化物の頭文字をとってPFCと呼ばれます。

これら3つの栄養素をバランスよく摂取することは人間の健康に重要な要素であると言われており、厚生労働省は、炭水化物・脂質・タンパク質の三大栄養素を、それぞれ摂取カロリーの何割程度摂取するべきか(PFCバランス)について公表しています。

厚生労働省によると、理想的な三大栄養素の摂取割合(上限と下限)は次のとおりとなっています。

  • 糖質 50-65%
  • 脂質 20-30%
  • タンパク質 13-20%

ではベースブレッド2袋を食べると得られるカロリーおよび、PFCバランスはどのようになるのでしょうか?

ベースブレッドは2023年8月現在で8種類の味が展開されていますが、1袋あたりのカロリー・PFCバランスやビタミン・ミネラルの含有量は味によって異なっています。
それぞれの味(種類)と厚生労働省の定める値(30代男性を想定)のPFCバランスを比較したグラフが次の画像です。

ベースブレッド2袋分の男性PFCバランス(202307)

黒線が厚生労働省の定める三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)の上限と下限、黒線以外はベースブレッド7種類の三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)となっています。

黒い線の間にそれぞれの値が存在すればPFCバランスが良好であることを示すのですが、黒線の間に値がある栄養素の方が少ないことがおわかりいただけると思います。
つまりは全体的にカロリー不足のように見えます。

ベースブレッドの脂質はカレー味が厚生労働省が定める範囲内に収まるものの、プレーン味はおおきく外れるなど脂質についてはベースブレッドの種類による差が激しいことがわかります。

たんぱく質については「ベースブレッドはタンパク質が豊富」とのイメージをお持ちの方が多いと思いますが、実は2袋では厚生労働省の値に達していません。(ただカロリーベースで見ると実はベースブレッドはタンパク質豊富とも言えます)。

また、脂質とたんぱく質はそれなりに含まれているものの糖質は厚生労働省が定める値から大きく外れかなり少ないことがわかります。

このようにベースブレッドは全体的にカロリー(三大栄養素)不足となるのですが、それには理由があります。
それは私が基準とした「30代で運動が普通程度の男性」は、1食分の推定必要カロリーは900kcalであり、この数値は全年齢・性別のなかでかなり高い値となっているからです。

では30代で運動量が通常程度の男性1食分に必要な900kcalに対して、ベースブレッドから得られるカロリーはどの程度になると思いますか?

ベースブレッド1袋あたりのカロリーをご覧ください。

種類1袋あたりのカロリー
プレーン味205kcal
チョコレート味264kcal
メープル味264kcal
シナモン味262kcal
カレー味250kcal
ミニ食パン味234kcal
ミニ食パン・レーズン281kcal

ベースブレッドは1袋あたりの熱量が205~264kcalです。
ベースブレッドは2袋で1食分ですのが、2袋を食べても410~528kcalしか摂取することができません。

つまり必要カロリー900kcalに対して、410~528kcalしか摂取できないということになり、「30代で運動量が普通程度の男性」を基準にすると三大栄養素が不足するのは当たり前の話なのです。

では次に「30代で運動量が通常程度の女性」を基準にするとどのような結果となるのでしょうか?

PFCバランスをご覧ください。

ベースブレッド2袋分の女性PFCバランス(202308)

必要カロリーが少なければ、多少見られるグラフになりました

1食あたりに必要な666.7kcalに対しベースブレッド2袋からは410~528kcalのカロリーが摂取できますので、女性の場合は脂質・タンパク質が基準範囲内におさまるケースも見られます。
一方でやはり炭水化物量は基準より大きく不足しています。

これらの男性・女性のグラフから共に言えることは、ベースブレッドはとにかく糖質が少なく脂質・タンパク質は厚生労働省が定める値を満たしている場合もある、ということです。

後で比較していますが、一般的なパンは小麦粉からできているので糖質・脂質・タンパク質のうち糖質が大半を占めています。
もともと炭水化物が多いパン製品の炭水化物をこれだけ削減したのは意図的だと思われ、ベースブレッドは糖質制限ダイエットなどに向けて製造された商品とも言えるでしょう。

ベースブレッド2袋分のビタミン・ミネラルはとても豊富

次にベースブレッド2袋分にはどの程度のビタミン・ミネラルが含まれているのでしょうか?

パンなのでビタミン・ミネラルはそれほど入っていないと思うでしょう?

厚生労働省が推奨する値を1(黒い線)としたとき、ベースブレッド各種に含まれているビタミン・ミネラルをレーダーチャートで示しました。

ベースブレッド2袋のビタミン・ミネラル(202307)

めちゃめちゃビタミン・ミネラルが含まれていますね

ベースブレッドはモリブデンやミニ食パンのクロム含有量が多いため、円グラフが非常に見にくくなっているのですが、ざっと見た限り多くの栄養素が厚生労働省が定める値を満たしていることがわかると思います。

一方で不足しているビタミン・ミネラルもあります。

ボーダーライン(黒い線)上のビタミン・ミネラルは値を満たしているのかが分かりにくいのですが、食物繊維・カリウム・カルシウム・亜鉛の4種類は種類により不足している場合があります。

厚生労働省の定める値を1としたとき、不足している4種類のミネラルを数値化したものが次の表です。

シナモンメープルプレーンミニ食パンカレーチョコレートミニ食パン
レーズン
食物繊維0.940.940.911.141.021.20.91
カリウム0940.940.941.020.931.071.17
カルシウム0.980.930.931.130.981.011.02
亜鉛0.870.870.870.930.980.920.87

上記の表をみると、厚生労働省が定める値を満たしていないビタミン・ミネラルであっても、少なくとも87%は値を満たしていることがわかります。

また繰り返しになりますが、上記の表はビタミン・ミネラルの必要量が多い「30代男性」を基準としているため、他の年代・性別の方がベースブレッドを2袋食べれば、厚生労働省が定める値をほぼ満たすことになります。

むしろ気にしなくてはいけないのが、ビタミン・ミネラルの過剰摂取です。

ビタミン・ミネラルには耐容上限量が設定されている栄養素があります。
耐容上限量とは「これ以上摂取すると逆に健康に害がある可能性が指摘されている」摂取量のことで、グラフを見る限りモリブデンの量とチョコレート味のクロム含有量が厚生労働省が定める値の9~10倍程度含まれています。

そのため耐容上限量を超えているのではないかと考えるのは尤もなのですが、実はベースブレッドを2袋摂取すると、ミニ食パン味のマンガンが摂取過剰となりますが、モリブデンやクロムは過剰摂取とはなりません。

このようにカロリーが不足しているにも関わらず、ビタミン・ミネラルはほぼ厚生労働省が定める値を満たしており、やはりベースブレッドはダイエットを目指す人にとっては健康的に痩せられる素晴らしい商品であると言えるでしょう。

次に栄養素のうち上限のみが設定されているナトリウムと飽和脂肪酸について見ていきます。

ベースブレッド2袋のナトリウム・飽和脂肪酸の含有量は?

厚生労働省が摂取上限量のみを設定している飽和脂肪酸とナトリウム(食塩)は、ベースブレッド7種類にどの程度含まれているかを調査しました。

厚生労働省が上限量のみを設定しているということは、我々日本人が日常で過剰摂取をしがちな栄養素とも言うことができます。

厚生労働省の定める値によると、30代で運動量が通常程度の男性(1日2700kcal摂取)と女性(1日2000kcal摂取)の飽和脂肪酸および食塩の摂取上限量は次のようになっています。

栄養素男性の上限女性の上限
飽和脂肪酸21.0g15.5g
食塩7.5g6.5g

上記数字の根拠を書くと次のようになります。

まず厚生労働省が定める値(1日の摂取上限)は次のとおりです

  • 飽和脂肪酸          総エネルギーの7%以下
  • ナトリウム(食塩相当量) 男性7.5g未満,女性6g未満

飽和脂肪酸は厚生労働省の定める値では、総エネルギーの7%以下と目標量が設定されているので、1日摂取カロリーが2700kcal(男性)の場合、21.0g、2000kcal(女性)の場合は15.5gが上限となります。

ナトリウム(食塩相当量)の摂取上限量は運動量の多少によっては設定されておらず、年齢と性別によってのみ決まります。
食塩の摂取上限量は男性が1日7.5g未満、女性は6.5g未満となっています。

ではベースブレッドに含まれる飽和脂肪酸とナトリウム含有量を見ていきます。

ベースブレッドの飽和脂肪酸量は不明

まず飽和脂肪酸ですが、ベースブレッドの栄養成分表示に飽和脂肪酸の欄はありませんので、不明です(笑)。

ベースブレッド2袋には15~26g前後の脂質が含まれています。
脂質は大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されますが、それぞれの含有量が不明なため、ベースブレッドの飽和脂肪酸が厚生労働省の定める値をクリアしているかどうかは、何とも言えません。

ベースブレッドの食塩は基準範囲を超えることもあるが・・

ベースブレッド各種を2袋摂取した場合、何gの塩分を摂取することになるのか、食塩摂取量と厚生労働省が定める値を比較したものが次の表です(単位はg)。

ベースフード2袋の食塩含有量

男性と女性の食塩上限量は1日あたりの食塩上限量を1食あたりに換算しています。

男性は種類によらず食塩含有量は上限値未満ですが、カレー味とミニ食パン・レーズン味は女性の1食あたりの上限値を上回ってしまいます
一方でチョコレートとメープル味は食塩含有量が極めて少なく、1食あたりにわずか0.5g程度の食塩しか含まれていません。

塩分を気にする女性の場合がミニ食パンとカレー味を食べる際には、他の味と組み合わせて食べるなど減塩に努めた方が良いでしょう。

また日本人の成人は男女ともに食塩を過剰摂取しており、男性は11.1g、女性は9.4gの食塩を摂取しているという調査があります。

この平均値を元に1食あたりの食塩平均摂取量を計算、再度グラフにすると次のようになります。

ベースブレッド2袋の食塩と平均値

実際の日本人男女の平均食塩摂取量と比較すると、ベースブレッドは全種類1食分としてはかなり少ない食塩含有量であると言ええます。

つまり、ベースブレッドの食塩含有量を厚生労働省が定める値と比較すると、目標値に達さない種類が一部あるものの、平均食塩摂取量を大幅に下回るなど、総体的にベースブレッドはかなり食塩含有量が少ない食品であると言えます。

ベースブレッドを必要カロリー分摂取すると、PFCバランスはどうなるの?

ここまでベースブレッド2袋分の栄養を解説してきましたが、ベースブレッドは1袋あたりのカロリーが205~264kcalであり、2袋を摂取しても摂取カロリーは410~528kcalとなるため、1食900kcalを必要とする30代男性の場合は、ベースブレッドを2袋摂取してもカロリー不足となります。

ベースブレッドをダイエット目的で購入する場合はカロリー不足であっても問題がない、というかむしろカロリー不足であって然るべきです。
しかし中にはダイエットを必要とせず、ベースブレッドから必要なカロリーを摂取したいと考える方もいらっしゃるでしょう。

ではベースブレッドを必要カロリー分摂取するとどのような栄養バランスになるのかを見ていきたいと思います。

なお最初にお伝えしておくと、ベースブレッドを900kcal摂取するにはプレーンだと4.4袋、メープルでも3.4袋を摂取しないといけないため現実的な方法ではありません笑ので、参考程度です。

ベースブレッドを900kcal摂取するとPFCバランスが歪になる

ではベースブレッドを必要カロリー(900kcal)分、具体的には3.4~4.4袋摂取した場合のPFCバランスを見ていきます。

運動量が通常程度の30代男性が1食に必要なカロリー(900kcal)分の完全食(※)BASEブレッドを摂取した時、三大栄養素をそれぞれ何kcal摂取しているかを計算した結果が次の表です。

項目炭水化物(kcal)脂質(kcal)タンパク質(kcal)
厚生労働省 目標量(男性)450~585180~270117~180
ベースブレッド(シナモン)370263185
ベースブレッド(メープル)381252184
ベースブレッド(プレーン)378213237
ベースブレッド(ミニ食パン)369277208
ベースブレッド(カレー)367330194
ベースブレッド(チョコレート)411285184

表では少しわかりにくいので、グラフにしたのが次の図です。

ベースブレッド900kcal摂取した場合のPFCバランス

カレー味の脂質が飛びぬけていますが、全体的に脂質・タンパク質が多く、炭水化物が少ないことがわかります。

というか、厚生労働省が定める値の範囲内にある栄養素はあまりありませんね笑

このことから、ベースブレッドを必要カロリー分毎日摂取し続けるのは、健康の問題上やめておいた方が良いなということが言えますね。

ベースブレッドは必要カロリー分摂取するとビタミン・ミネラルが超豊富になる

次にあなたが900kcal分のベースブレッドを食べた場合、ビタミン・ミネラルの摂取量はどのようになるのでしょうか?

ベースブレッドは必要カロリー分摂取すると耐容上限量を超えてしまう栄養素がある

これからお見せするグラフは、あなたが「完全食(※)BASEブレッド」を1食分(必要カロリー分、30代男性900kcal)摂取したとき、厚生労働省が示す推奨摂取量の何割程度のビタミン・ミネラルをベースブレッドから摂取できるのかを示したチャートです。

ベースブレッド900kcal分のビタミン・ミネラル

モリブデンやチョコレート味のクロム含有量が多いことから、グラフが見にくくなっているのですが、厚生労働省が定める値よりも遥かに多い量のビタミン・ミネラルを摂取できることがわかります。

しかしあまりにもビタミン・ミネラルの量が多いために、一部耐容上限量を超える栄養素が出ていますのでまとめます。

  • プレーン味は葉酸、マンガン、モリブデンが耐容上限を超えている
  • チョコレート味はマンガンが耐容上限量を超える
  • メープル味は、葉酸とマンガンが耐容上限量を超える
  • シナモン味は、葉酸とマンガンが耐容上限量を超える
  • カレー味はマンガンが耐容上限量を超える
  • ミニ食パン味は葉酸とマンガンが耐容上限量を超える
  • ミニ食パン・レーズン味は葉酸とマンガンが耐容上限量を超える

ということで、ベースブレッドは900kcalを摂取すると全ての種類でマンガンが耐容上限量に達するなど、過剰摂取が目立つ結果となりました。

ただ「過剰摂取」と言ってもあくまで1食分に換算した値ですので、ベースブレッドを一度に900kcal分食べたからといって健康被害が生じるわけではありません。
あくまで毎食毎日ベースブレッドを必要カロリー分摂取すると健康に良くない、という意味です。

このようにビタミン・ミネラルの観点からも、やはりベースブレッドを必要カロリー分毎食毎日食べ続ける行為は避けた方が良いと言えますね。

ベースブレッドを必要カロリー分摂取すると飽和脂肪酸と食塩は

では最後にあなたがベースブレッドを必要カロリー分摂取した場合、飽和脂肪酸と食塩が厚生労働省が定める耐容上限量を超えているかを見ていきます。

先に解説しましたが、ベースブレッドは飽和脂肪酸量は記載がないため測定不可能です。

ですので食塩のみを計算していきます。

ベースブレッド7種類を必要カロリー分(1食分)摂取した場合の食塩量と、厚生労働省が定める食塩の上限値を1食分に換算したもの、日本人の食塩平均摂取量の3つを比較したのが次の表になります。

ベースブレッド900kcalの食塩含有量

カレー味は男女ともに、ミニ食パンは男性が日本人の食塩平均摂取量を超えています。
このことから、カロリーベースで見るとベースブレッドは食塩含有量が多い食品である(種類によりますが)と言えるでしょう。

食塩の含有量からも、やはりベースブレッドは毎日毎食必要カロリー分を食べる商品ではないと言えますね。

ベースブレッドと普通のパンの栄養を比較

最後にベースブレッドと普通のパン(ヤマザキ超熟4枚切り)を比較して、ベースブレッドの栄養についての記事を終えたいと思います。

完全栄養食※であるベースブレッドに懐疑的な方の中には「ベースブレッドと言ってもただのパンでしょ?」と考えておられる方も多いはず。
ベースブレッドが普通のパンと比較して、栄養がどのように異なっているのかを見ていきます。

普通のパンとして比較するのが、ヤマザキ超熟4枚切りですね。

ヤマザキ超熟4枚切りの写真

ヤマザキ超熟4枚切りは1枚あたりのエネルギーが246kcalで、ベースブレッドのミニ食パン1袋(233kcal)とカロリーが似ているため比較しやすいです。

ベースブレッドは普通のパンと比較すると圧倒的にビタミン・ミネラルが豊富

では早速ベースブレッド(ミニ食パン)とヤマザキ超熟4枚切りのビタミン・ミネラルを比較していきます。

ミニ食パンは1食あたり(2袋)、ヤマザキ超熟4枚切りはミニ食パン2袋と同等の466kcalあたりのビタミン・ミネラルを表示しています。

ミニ食パン2袋と食パンのビタミン・ミネラルを比較

赤い線が食パン、青い線はベースブレッド(ミニ食パン)のビタミン・ミネラルですが、ベースブレッドはさすがというか、モリブデン以外は非常にバランスが取れていることがわかりますね。

一方で食パンも意外とビタミン・ミネラルが含まれていますが、栄養バランスはバラバラだと言わざるを得ません。

ビタミン・ミネラルに関しては完全栄養食のベースブレッドの完勝と言えるでしょう。

パン1種類だけ食べておけば、ビタミン・ミネラルの心配をする必要が無いベースブレッドは素敵ですね。

ベースブレッドは食パンの栄養と比較して、脂質とたんぱく質が多い

次にベースブレッド(ミニ食パン)と、食パン(ヤマザキ超熟4枚切り)のPFCバランス(炭水化物・脂質・タンパク質)の違いを見ていきましょう。

ベースブレッド(ミニ食パン)と普通の食パンをそれぞれ466kcal分摂取すると、PFCバランスにはどういった違いが生じるのでしょうか?

まずはグラフをご覧ください。

食パンとミニ食パン2袋の三大栄養素を比較

ベースブレッドと普通の食パンを比較した表を比較すると、PFCバランスが実に特徴的であることがわかります。

まず普通の食パンは摂取カロリーのうち多くは炭水化物で占められていることがわかります。
食パンは小麦粉が主原材料で、小麦粉のほとんどはは炭水化物で構成されているのが理由です。

しかし超熟にはマーガリンが含まれていることもあり、脂質とたんぱく質もそれなりに含まれています。

一方でベースブレッドは普通の食パンと比較すると、PFCバランスが逆転しています。

炭水化物は厚生労働省が定める値より少なく、逆に脂質・タンパク質が厚生労働省が定める値を超えています。

つまりベースブレッドは「パンなのに炭水化物が少ない」ことが言えます。

「炭水化物が少ない」ということはいわゆる「炭水化物ダイエット」を志向する人向けの商品であると言え、やはりベースブレッドは健康的に痩せたい人に刺さる商品であると言えるでしょう。

ベースブレッドと食パンの塩分を比較

最後に、超熟466kcal(約2枚)とベースブレッド各種の食塩含有量を比較します。

1食の塩分上限比率
厚生労働省が定める値2.5g
超熟4枚切りを
2枚(466kcal)
2.09g
シナモン味1.4g56%
メープル味1.4g56%
プレーン味1.4g56%
ミニ食パン味2g80%
カレー味2.42g96.8%
チョコレート味0.6g24.0%

カレー味とミニ食パン味以外のベースブレッドは、超熟2枚より食塩含有量が少ないことがわかります。

この表を見ると、ベースブレッドは味によって差異があるものの、全般的には普通の食パンよりは食塩含有量が少ないと言えるでしょう。

ベースブレッドの栄養素・成分まとめ

ここまでベースブレッド1食分(2袋)や必要カロリー分を摂取した場合の、炭水化物・タンパク質・脂質(PFCバランス)およびビタミン・ミネラルの含有量について考察を行ってきました。

また併せて普通の食パンとベースブレッドを、栄養の面からどのような差異があるのかを検証しました。

これまでの考察を簡単にまとめると次のようになります。

ベースブレッドの栄養素・成分のまとめ

ベースブレッドは「栄養素等表示基準値」を元に栄養が配分されているため、年齢・性別・運動量などにより過不足が生じる栄養素がある。

 

ベースブレッド2袋に含まれる三大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)は、炭水化物がかなり少ない配分となっている一方で、ビタミン・ミネラルはかなり豊富だと言える。

 

ベースブレッドの飽和脂肪酸量は不明、食塩含有量は種類により厚生労働省が定める値より多くなるケースもあるが摂取平均量よりかなり少ないなど、概ね少な目となっている。

  

ベースブレッドを必要カロリー分、毎食摂取することは過剰摂取やPFCバランスが歪な点などから推奨できません。

 

ベースブレッドを食パンと比較すると、ビタミン・ミネラルは圧勝していると言える。
そしてやはり炭水化物がかなり少ないことがわかるので、糖質制限を行いたい人に刺さる商品だと言える。

注釈 

※栄養素等表示基準値に基づき、脂質・飽和脂肪酸・n-6系脂肪酸・炭水化物・ナトリウム・熱量を除いて、全ての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含む。

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