2023年現在、完全栄養食が世に出て10年程度が経過していますが、2019年3月4日に発売されたのが史上初「パン型完全栄養食※」のベースブレッドです。
食パンに栄養と手軽さという付加価値を加えたベースブレッドは健康的な生活を目指す人々に人気の商品となっています。
ベースブレッドは「完全栄養食※」として発売されているわけですが、実は完全栄養食とは言えない部分があり、それがベースブレッドの長所であり短所でもあるわけですが・・・その理由を本記事で解説したいと考えています。
「完全栄養食※」と名前がついているものの、ベースブレッドだけ食べていても健康的に生きていくことは不可能で、ベースフード株式会社もそのようなベースブレッドの使用方法は推奨していません。
結論から言えば、ベースブレッドの栄養・成分については次のようなことが言えます。
- ベースブレッドは2袋で1食分だが、カロリーは不足する
- ベースブレッド1食分のPFCバランスは炭水化物が超少ない
- ベースブレッドのビタミン・ミネラルは2袋でも豊富に含まれている
- ベースブレッドの食塩含有量は意外と多い
- 普通の食パンと比較すると炭水化物がかなり少なく、脂質とたんぱく質が豊富
- 普通の食パンと比較するとビタミン・ミネラルは超豊富
上記のようになる理由や、ベースブレッドだけを食べ続けることが推奨できない理由を、各栄養素を分析しながら解説していきます。
ベースブレッドは「完全栄養食※」なのか?
ベースブレッドは毎食毎日食べ続けても健康的に生きていくことはできない商品なのですが、その理由を説明します。
まず食事の五大栄養素について解説します。
食事の栄養・成分は次の5種類に分類することができ、内訳は次のとおりです。
- 炭水化物
- 脂質
- タンパク質
- ビタミン
- ミネラル
そして五大栄養素それぞれの役割は次のようになります。
- 炭水化物・脂質・たんぱく質⇒エネルギー源(カロリー)
- ビタミン・ミネラル⇒健康維持・体調管理
炭水化物・脂質・たんぱく質は三大栄養素と呼ばれ、我々が生きていくためのエネルギー源となります。
いわゆる「カロリー」は三大栄養素から摂取するわけですね。
一方でビタミン・ミネラルはカロリーにはならないものの、我々の健康維持・体調管理に寄与します。
例えばビタミンAは目や皮膚の粘膜を正常に保つ役割を果たしており、ビタミンAが欠乏すると夜盲症などの疾病になってしまいます。
五大栄養素について簡単に理解いただいたところで、ベースブレッドの「完全栄養食」の定義を確認したいと思います。
ベースクッキーは「完全栄養食※」の定義は公式HPによると、次のようになります。
ベースブレッドの場合「栄養素等表示基準値」に基づき栄養が含まれていることがわかります。
では「栄養素等表示基準値」とは何なのでしょうか?
江崎グリコのHPより引用します。
私たちが、ある食品に含まれる栄養素量を評価しようとする時、自分に必要な量に対してどうかといったような何らかの基準が必要になります。
しかし、本来、個人ごとに必要な栄養素量は、年齢、性別、身体活動の程度などによって異なります。そこで、食品の栄養成分の評価の際、日本人一般に幅広く適用できる共通の”ものさし”として厚生労働省より「栄養素等表示基準値」が設定されています。
「栄養素等表示基準値」は、日本人の1日に必要な量の平均的な値として捉えることができますが、個人ごとに必要な栄養素量を意味するものではありません。
江崎グリコHP
何の栄養がどの程度我々に必要なのかは、年齢・性別・運動量などによって変化します。
例えば3歳の幼児と30歳の大人に推奨されるカロリーやビタミン・ミネラルが同じでないことは明白です。
つまり必要な栄養素は個々人により異なるため一本化できないため、目安として定めた栄養量が「栄養素等表示基準値」となるわけです。
ベースフード株式会社では年齢や性別・運動量に依らず「1食分として2袋」を基準にしており、確かに2袋に含まれる栄養は「栄養素等表示基準値」に適合しています。
しかし「栄養素等表示基準値」は個人の属性を無視しているため、人によってはベースブレッド2袋に含まれる栄養が適切ではない場合があります。
またベースフード株式会社の完全栄養食※の定義では「脂質・飽和脂肪酸・n-6系脂肪酸・炭水化物・ナトリウム・熱量」を除いて、1日の1/3の栄養が摂取できるとあります。
後述しますがナトリウムをのぞく「脂質・飽和脂肪酸・n-6系脂肪酸・炭水化物」はカロリー(熱量)の源となります。
つまりベースブレッドは脂質(飽和脂肪酸・n-6系脂肪酸も含む)と炭水化物が不足するため、結果カロリーが少ない商品であるということが示唆されています。
本記事では30代で運動量が通常程度の男性がベースブレッドを摂取すると、厚生労働省が定める必要な栄養素と比較してどの程度の差異が生じるのかを示しながら、ベースブレッドの栄養配分にどのような特徴があるのかを検証していきます。
ベースブレッド2袋分の栄養素を分析
では実際にベースブレッド2袋の五大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)含有量を検証します。
まずは炭水化物・脂質・タンパク質の三大栄養素、つまりはカロリーがどの程度含まれているのかを厚生労働省が定める数値と比較します。
ベースブレッド2袋分の三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)は炭水化物が少ない
三大栄養素とは脂質・炭水化物・タンパク質の3つのことでで、Protein=タンパク質、Fat=脂質、Carbonhydrate=炭水化物の頭文字をとってPFCと呼ばれます。
これら3つの栄養素をバランスよく摂取することは人間の健康に重要な要素であると言われており、厚生労働省は、炭水化物・脂質・タンパク質の三大栄養素を、それぞれ摂取カロリーの何割程度摂取するべきか(PFCバランス)について公表しています。
厚生労働省によると、理想的な三大栄養素の摂取割合(上限と下限)は次のとおりとなっています。
- 糖質 50-65%
- 脂質 20-30%
- タンパク質 13-20%
ではベースブレッド2袋を食べると得られるカロリーおよび、PFCバランスはどのようになるのでしょうか?
ベースブレッドは2023年10月現在で8種類の味が展開されていますが、1袋あたりのカロリー・PFCバランスやビタミン・ミネラルの含有量は味によって異なっています。
それぞれの味(種類)と厚生労働省の定める値(30代・運動量が通常程度の男性を想定)のPFCバランスを比較したグラフが次の画像です。
黒線が厚生労働省の定める三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)の上限と下限、黒線以外はベースブレッド7種類の三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)となっています。
黒い線の間にそれぞれの値が存在すればPFCバランスが良好であることを示すのですが、黒線の間に値がないことがおわかりいただけると思います。
つまりは全体的にカロリー不足のように見えます。
ベースブレッドの脂質はシナモン味が多く、カレー味はかなり少ないなど脂質についてはベースブレッドの種類による差が激しいことがわかります。
たんぱく質については「ベースブレッドはタンパク質が豊富」とのイメージをお持ちの方が多いと思いますが、実は2袋では厚生労働省の値に達していません。(ただカロリーベースで見ると実はベースブレッドはタンパク質豊富とも言えます)。
また、脂質とたんぱく質よりも少ないのは糖質で、厚生労働省が定める値から大きく外れていることがわかります。
このようにベースブレッドは全体的にカロリー(三大栄養素)不足となるのですが、それには理由があります。
それは私が基準とした「30代で運動が普通程度の男性」は、1食分の推定必要カロリーは900kcalであり、この数値は全年齢・性別のなかでかなり高い値となっているからです。
では30代で運動量が通常程度の男性1食分に必要な900kcalに対して、ベースブレッドから得られるカロリーはどの程度になると思いますか?
ベースブレッド1袋あたりのカロリーをご覧ください。
種類 | 1袋あたりのカロリー |
---|---|
プレーン味 | 205kcal |
チョコレート味 | 264kcal |
メープル味 | 264kcal |
シナモン味 | 262kcal |
カレー味 | 250kcal |
ミニ食パン味 | 234kcal |
ミニ食パン・レーズン | 281kcal |
ベースブレッドは1袋あたりの熱量が205~264kcalです。
ベースブレッドは2袋で1食分ですのが、2袋を食べても410~528kcalしか摂取することができません。
つまり必要カロリー900kcalに対して、410~528kcalしか摂取できないということになり、「30代で運動量が普通程度の男性」を基準にすると三大栄養素が不足するのは当たり前の話なのです。
では次に「30代で運動量が通常程度の女性」を基準にするとどのような結果となるのでしょうか?
PFCバランスをご覧ください。
30代で運動量が通常程度の女性の場合、推定エネルギー必要量は2050kcal、1食あたり683.3kcalとなります。
必要カロリーが少なければ、多少見られるグラフになります。
1食あたりに必要な683.3kcalに対しベースブレッド2袋からは410~528kcalのカロリーが摂取できますので、女性の場合は脂質・タンパク質が基準範囲内におさまるケースも見られます。
一方でやはり炭水化物量は基準より大きく不足しています。
これらの男性・女性のグラフから共に言えることは、ベースブレッドはとにかく糖質が少なく、脂質・タンパク質はエネルギー必要量によって厚生労働省が定める値を満たしている場合もある、ということです。
後で比較しますが、一般的なパンは小麦粉からできているので糖質・脂質・タンパク質のうち糖質が大半を占めています。
もともと炭水化物が多いパン製品の炭水化物をこれだけ削減したのは意図的だと思われ、ベースブレッドは糖質制限ダイエットなどに向けて製造された商品とも言えるでしょう。
ベースブレッド2袋分のビタミン・ミネラルはとても豊富
次にベースブレッド2袋分にはどの程度のビタミン・ミネラルが含まれているのでしょうか?
パンなのでビタミン・ミネラルはそれほど入っていないと思うでしょう?
30代男性に対して厚生労働省が推奨する値を1(黒い線)としたとき、ベースブレッド各種に含まれているビタミン・ミネラルをレーダーチャートで示しました。
めちゃめちゃビタミン・ミネラルが含まれていますね。
ベースブレッドはモリブデンやミニ食パンのクロム含有量が多いため、円グラフが非常に見にくくなっているのですが、ざっと見た限り多くの栄養素が厚生労働省が定める値を満たしていることがわかると思います(足りないビタミン・ミネラルもありますが、それについては記事の最後でまとめます)。
むしろ気にしなくてはいけないのが、ビタミン・ミネラルの過剰摂取です。
ビタミン・ミネラルには耐容上限量が設定されている栄養素があります。
耐容上限量とは「これ以上摂取すると逆に健康に害がある可能性が指摘されている」摂取量のことで、グラフを見る限りモリブデンの量とチョコレート味のクロム含有量が厚生労働省が定める値の9~10倍程度含まれています。
そのため耐容上限量を超えているのではないかと考えるのは尤もなのですが、実はベースブレッドを2袋摂取すると、ミニ食パン味のマンガンが摂取過剰となりますが、モリブデンやクロムは過剰摂取とはなりません。
このようにカロリーが不足しているにも関わらず、ビタミン・ミネラルはほぼ厚生労働省が定める値を満たしており、やはりベースブレッドはダイエットを目指す人にとっては健康的に痩せられる素晴らしい商品であると言えるでしょう。
次に栄養素のうち上限のみが設定されているナトリウムと飽和脂肪酸について見ていきます。
ベースブレッド2袋のナトリウム・飽和脂肪酸の含有量は?
厚生労働省が摂取上限量のみを設定している飽和脂肪酸とナトリウム(食塩)は、ベースブレッド8種類にどの程度含まれているかを調査しました。
厚生労働省が上限量のみを設定しているということは、我々日本人が日常で過剰摂取をしがちな栄養素とも言うことができます。
厚生労働省の定める値によると、30代で運動量が通常程度の男性(1日2700kcal摂取)と女性(1日2050kcal摂取)の飽和脂肪酸および食塩の摂取上限量は次のようになっています。
栄養素 | 男性の上限 | 女性の上限 |
---|---|---|
飽和脂肪酸 | 21.0g | 15.9g |
食塩 | 7.5g | 6.5g |
上記数字の根拠を書くと次のようになります。
まず厚生労働省が定める値(1日の摂取上限)は次のとおりです
- 飽和脂肪酸 総エネルギーの7%以下
- ナトリウム(食塩相当量) 男性7.5g未満,女性6g未満
飽和脂肪酸は厚生労働省の定める値では、総エネルギーの7%以下と目標量が設定されているので、1日摂取カロリーが2700kcal(男性)の場合、21.0g、2050kcal(女性)の場合は15.9gが上限となります。
ナトリウム(食塩相当量)の摂取上限量は運動量の多少によっては設定されておらず、年齢と性別によってのみ決まります。
食塩の摂取上限量は男性が1日7.5g未満、女性は6.5g未満となっています。
ではベースブレッドに含まれる飽和脂肪酸とナトリウム含有量を見ていきます。
ベースブレッドの飽和脂肪酸量は不明
まず飽和脂肪酸ですが、ベースブレッドの栄養成分表示に飽和脂肪酸の欄はありませんので不明です(笑)。
ベースブレッド2袋には15~26g前後の脂質が含まれています。
脂質は大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されますが、それぞれの含有量が不明なため、ベースブレッドの飽和脂肪酸が厚生労働省の定める値をクリアしているかどうかは、何とも言えません。
ベースブレッドの食塩は基準範囲を超えることもあるが・・
ベースブレッド各種を2袋摂取した場合何gの塩分を摂取することになるのか、食塩摂取量と厚生労働省が定める値を比較したものが次の表です。
男性と女性の食塩上限量は1日あたりの食塩上限量を1食あたりに換算しています。
男性は種類によらず食塩含有量は上限値未満ですが、カレー味とミニ食パン・レーズン味は女性の1食あたりの上限値を上回ってしまいます。
一方でチョコレートとメープル味は食塩含有量が極めて少なく、1食あたりにわずか0.5g程度の食塩しか含まれていません。
塩分を気にする女性の場合がミニ食パンとカレー味を食べる際には、他の味と組み合わせて食べるなど減塩に努めた方が良いでしょう。
また日本人の成人は男女ともに食塩を過剰摂取しており、男性は11.1g、女性は9.4gの食塩を摂取しているという調査があります。
この平均値を元に1食あたりの食塩平均摂取量を計算、再度グラフにすると次のようになります。
実際の日本人男女の平均食塩摂取量と比較すると、ベースブレッドは全種類1食分としてはかなり少ない食塩含有量であると言ええます。
つまり、ベースブレッドの食塩含有量を厚生労働省が定める値と比較すると目標値に達さない種類が一部あるものの、平均食塩摂取量を大幅に下回るなど、総体的にベースブレッドはかなり食塩含有量が少ない食品であると言えます。
ベースブレッドを必要カロリー分摂取すると、PFCバランスはどうなるの?
ここまでベースブレッド2袋分の栄養を解説してきましたが、ベースブレッドは1袋あたりのカロリーが205~264kcalであり、2袋を摂取しても摂取カロリーは410~528kcalとなるため、1食900kcalを必要とする30代男性の場合は、ベースブレッドを2袋摂取してもカロリー不足となります。
ベースブレッドをダイエット目的で購入する場合はカロリー不足であっても問題がない、というかむしろカロリー不足であって然るべきです。
しかし中にはダイエットを必要とせず、ベースブレッドから必要なカロリーを摂取したいと考える方もいらっしゃるでしょう。
ではベースブレッドを必要カロリー分摂取するとどのような栄養バランスになるのかを見ていきたいと思います。
なお最初にお伝えしておくと、ベースブレッドを900kcal摂取するにはプレーンだと4.4袋、メープルでも3.4袋を摂取しないといけないため現実的な方法ではありません笑ので参考程度にしてください。
ベースブレッドを900kcal摂取するとPFCバランスが歪になる
ではベースブレッドを必要カロリー(900kcal)分、具体的には3.4~4.4袋摂取した場合のPFCバランスを見ていきます。
運動量が通常程度の30代男性が1食に必要なカロリー(900kcal)分の完全食(※)BASEブレッドを摂取した時、三大栄養素をそれぞれ何kcal摂取しているかを計算した結果が次の表です。
項目 | 炭水化物(kcal) | 脂質(kcal) | タンパク質(kcal) |
---|---|---|---|
厚生労働省 目標量(男性) | 450~585 | 180~270 | 117~180 |
ベースブレッド(シナモン) | 370 | 263 | 185 |
ベースブレッド(メープル) | 381 | 252 | 184 |
ベースブレッド(プレーン) | 378 | 213 | 237 |
ベースブレッド(ミニ食パン) | 369 | 277 | 208 |
ベースブレッド(カレー) | 367 | 330 | 194 |
ベースブレッド(チョコレート) | 411 | 285 | 184 |
表では少しわかりにくいので、グラフにしたのが次の図です。
割とバラけていますが炭水化物は少な目、たんぱく質は多く脂質は種類に依りますが多めの配分になっています。
そこまで極端に歪ではありませんが、ベースブレッドをメインに1日を過ごすのであれば炭水化物を多くたんぱく質を少な目の食事を追加ですれば、1日のバランスはとれそうです。
ベースブレッドは必要カロリー分摂取するとビタミン・ミネラルが超豊富になる
次にあなたが900kcal分のベースブレッドを食べた場合、ビタミン・ミネラルの摂取量はどのようになるのでしょうか?
ベースブレッドは必要カロリー分摂取すると耐容上限量を超えてしまう栄養素がある
これからお見せするグラフは、あなたが「完全食(※)BASEブレッド」を1食分(必要カロリー分、30代男性900kcal)摂取したとき、厚生労働省が示す推奨摂取量の何割程度のビタミン・ミネラルをベースブレッドから摂取できるのかを示したチャートです。
モリブデン含有量が多いことからグラフが見にくくなっているのですが、厚生労働省が定める値よりも遥かに多い量のビタミン・ミネラルを摂取できることがわかります。
しかしあまりにもビタミン・ミネラルの量が多いために、一部耐容上限量を超える栄養素が出ていますのでまとめます。
- ベースブレッド全種類の葉酸が厚生労働省が定める耐容上限量を超える
- ベースブレッド全種類のマンガンが厚生労働省が定める耐用上限量を超える
- プレーンとリッチ味のモリブデンが厚生労働省が定める耐容上限量を超える
ということで、ベースブレッドは900kcalを摂取すると複数の栄養素が過剰摂取となることがわかります。
ただ「過剰摂取」と言ってもあくまで1食分に換算した値ですので、ベースブレッドを一度に900kcal分食べたからといって健康被害が生じるわけではありません。
あくまで毎食毎日ベースブレッドを必要カロリー分摂取すると健康に良くないという意味です。
このようにビタミン・ミネラルの観点からも、やはりベースブレッドを必要カロリー分毎食毎日食べ続ける行為は避けた方が良いと言えますね。
ベースブレッドを必要カロリー分摂取すると飽和脂肪酸と食塩はどうなる?
ではあなたがベースブレッドを必要カロリー分摂取した場合、飽和脂肪酸と食塩が厚生労働省が定める耐容上限量を超えているかを見ていきます。
先に解説しましたがベースブレッドは飽和脂肪酸量は記載がないため測定不可能ですので、食塩のみを計算していきます。
ベースブレッド8種類を必要カロリー分(1食分)摂取した場合の食塩量と、厚生労働省が定める食塩の上限値を1食分に換算したもの、日本人の食塩平均摂取量の3つを比較したのが次の表になります。
際立つのはカレー味の食塩摂取量の多さですね。
男性の上限はおろか平均量を大幅に上回ります。
一方でチョコレートやメープル味はたとえ900kcalを摂取したとしても食塩含有量はわずか1g前後と非常に食塩が少ない食品ということがわかります。
このようにベースブレッドは種類によって食塩含有量が大きく異なる商品であるため、食塩を多く摂取されている方や食塩制限をされている方は注意が必要です。
ベースブレッドと普通のパンの栄養を比較すると栄養の差が際立つ
次にベースブレッドと普通のパン(ヤマザキ超熟4枚切り)の栄養比較します。
完全栄養食※であるベースブレッドに懐疑的な方の中には「ベースブレッドと言ってもただのパンでしょ?」と考えておられる方も多いはず。
ベースブレッドが普通のパンと比較して、栄養がどのように異なっているのかを見ていきます。
普通のパンとして比較するのが、ヤマザキ超熟4枚切りですね。
ヤマザキ超熟4枚切りは1枚あたりのエネルギーが246kcalで、ベースブレッドのミニ食パン1袋(236kcal)とカロリーが似ているため比較しやすいです。
ベースブレッドは普通のパンと比較すると圧倒的にビタミン・ミネラルが豊富
では早速ベースブレッド(ミニ食パン)とヤマザキ超熟4枚切りのビタミン・ミネラルを比較していきます。
ミニ食パンは1食あたり(2袋)、ヤマザキ超熟4枚切りはミニ食パン2袋と同等の466kcalあたりのビタミン・ミネラルを表示しています。
赤い線が食パン、青い線はベースブレッド(ミニ食パン)のビタミン・ミネラルですが、ベースブレッドはさすがというか、モリブデンが多いことを除き非常にバランスが取れていることがわかりますね。
一方で食パンも意外とビタミン・ミネラルが含まれていますが、栄養バランスはバラバラだと言わざるを得ません。
ビタミン・ミネラルに関しては完全栄養食のベースブレッドの完勝と言えるでしょう。
パン1種類だけ食べておけば、ビタミン・ミネラルの心配をする必要が無いベースブレッドは素敵ですね。
ベースブレッドは食パンの栄養と比較して、脂質とたんぱく質が多い
次にベースブレッド(ミニ食パン)と、食パン(ヤマザキ超熟4枚切り)のPFCバランス(炭水化物・脂質・タンパク質)の違いを見ていきましょう。
ベースブレッド(ミニ食パン)と普通の食パンをそれぞれ466kcal分摂取すると、PFCバランスにはどういった違いが生じるのでしょうか?
まずはグラフをご覧ください。
ベースブレッドと普通の食パンを比較した表を比較すると、PFCバランスが実に特徴的であることがわかります。
まず普通の食パンは摂取カロリーのうち多くは炭水化物で占められていることがわかります。
食パンは小麦粉が主原材料で、小麦粉のほとんどはは炭水化物で構成されているのが理由です。
しかし超熟にはマーガリンが含まれていることもあり、脂質とたんぱく質もそれなりに含まれています。
一方でベースブレッドは普通の食パンと比較するとPFCバランスが逆転しており、炭水化物は厚生労働省が定める値より少なく、逆に脂質・タンパク質が厚生労働省が定める値を超えています。
つまりベースブレッドは「パンなのに炭水化物が少ない」ことが言えます。
「炭水化物が少ない」ということはいわゆる「炭水化物ダイエット」を志向する人向けの商品であると言え、やはりベースブレッドは健康的に痩せたい人に刺さる商品であると言えるでしょう。
ベースブレッドと食パンの塩分を比較
最後に、超熟466kcal(約2枚)とベースブレッド各種の食塩含有量を比較します。
カレー味とミニ食パン・レーズン味以外のベースブレッドは、超熟2枚より食塩含有量が少ないことがわかります。
この表を見ると、ベースブレッドは味によって差異があるものの、全般的には普通の食パンよりは食塩含有量が少ないと言えるでしょう。
ベースブレッドに足りない栄養素は?
以上でベースブレッドの栄養についてお伝えすることは全てなのですが、最後に「ベースブレッドに足りない栄養素」についてお伝えしたいと思います。
ベースブレッドは年代・性別・運動量などに関係なく1食につき2袋となっていますので、小学生程度であれば五大栄養素すべてを賄うことが可能ですが成人になるとカロリーやビタミン・ミネラルに不足が生じるのはすでに述べた通りです。
1食分のベースブレッドをを30代で運動量が通常程度の男性が摂取した場合に足りていないビタミン・ミネラルは次の4種類になります。
- ビタミンA
- カリウム
- カルシウム
- 亜鉛
具体的な数値を述べると厚生労働省の定める値を1としたとき不足している4種類のミネラルは以下のような値になります。
シナモン | メープル | プレーン | ミニ食パン | カレー | チョコレート | ミニ食パン レーズン | リッチ | |
ビタミンA | 1.17 | 1.14 | 1.29 | 1.57 | 1.43 | 1.27 | 1.07 | 0.89 |
カリウム | 094 | 0.94 | 0.97 | 1.17 | 0.94 | 0.94 | 1.17 | 0.94 |
カルシウム | 1.01 | 0.93 | 0.97 | 0.93 | 0.93 | 0.96 | 1.02 | 1.12 |
亜鉛 | 0.87 | 0.87 | 0.81 | 0.93 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | 0.81 |
上記の表をみると、厚生労働省が定める値を満たしていないビタミン・ミネラルであっても、少なくとも81%は値を満たしていることがわかります。
また上記の表はビタミン・ミネラルの必要量が多い「30代男性」を基準としているため、他の年代・性別の方がベースブレッドを2袋食べれば、厚生労働省が定める値をほぼ満たすことになります。
次に三大栄養素(炭水化物・脂質・たんぱく質)を見てみましょう。
すでに述べたとおり30代の運動量が通常程度の男性の場合、ベースブレッド2袋では炭水化物・脂質・タンパク質全ての栄養素が不足してしまいます。
厚生労働省が定める下限値を1とすると足りない三大栄養素は次のようになります。
プレーン | チョコレート | メープル | シナモン | カレー | ミニ食パン | ミニ食パン レーズン | リッチ | |
炭水化物 | 0.41 | 0.43 | 0.50 | 0.43 | 0.44 | 0.41 | 0.63 | 0.40 |
脂質 | 0.67 | 0.87 | 0.87 | 0.88 | 0.63 | 0.75 | 0.74 | 0.72 |
タンパク質 | 0.94 | 0.96 | 0.96 | 0.94 | 0.93 | 0.92 | 0.92 | 0.92 |
ご覧のようにたんぱく質は不足しているもののほぼ厚生労働省が定める値を満たしていますが、圧倒的に炭水化物が特に足りていないことがわかります。
もしあなたがベースブレッドにPFCバランスの良さを求めるのであれば、ベースブレッド以外の食事は炭水化物を中心に摂取した方が良いです。
ベースブレッドの栄養素・成分まとめ
ここまでベースブレッド1食分(2袋)や必要カロリー分を摂取した場合の、炭水化物・タンパク質・脂質(PFCバランス)およびビタミン・ミネラルの含有量について考察を行ってきました。
また併せて普通の食パンとベースブレッドを、栄養の面からどのような差異があるのかを検証しました。
これまでの考察を簡単にまとめると次のようになります。