2023年現在、完全栄養食が世に出て10年程度が経過していますが、2019年3月4日に発売されたのが史上初「パン型完全栄養食※」のベースブレッドです。
一般的な食パンは炭水化物の塊なわけですが、そこに栄養と手軽さという付加価値を加えたベースブレッドは健康的な生活を目指す人々に人気の商品となっています。
ベースブレッドは「完全栄養食※」として発売されているわけですが、実は完全栄養食とは言えない部分があり、それがベースブレッドの長所であり短所でもあるわけですが・・・その理由を本記事で解説したいと考えています。
「完全栄養食※」と名前がついているものの、ベースブレッドだけ食べていても健康的に生きていくことは不可能で、ベースフード株式会社もそのようなベースブレッドの使用方法は推奨していません。
結論から言えば、ベースブレッドの栄養・成分については次のようなことが言えます。
- ベースブレッドは2袋で1食分だが、カロリーは不足する
- ベースブレッドのPFCバランスは脂質が多く、タンパク質少な目、炭水化物超少ない
- ベースブレッドのビタミン・ミネラルは2袋でも豊富に含まれている
- ベースブレッドの食塩含有量は以外と多い
- 普通の食パンと比較すると炭水化物がかなり少なく、脂質とたんぱく質が豊富
- 普通の食パンと比較するとビタミン・ミネラルは超豊富
上記のようになる理由や、ベースブレッドだけを食べ続けることが推奨できない理由を、各栄養素を分析しながら解説していきます。
ベースブレッドは「完全栄養食※」なのか?
ベースブレッドは毎食毎日食べ続けても健康的に生きていくことはできない商品なのですが、その理由を説明します。
まず食事の五大栄養素について解説します。
食事の栄養・成分は次の5種類に分類することができ、内訳は次のとおりです。
- 炭水化物
- 脂質
- タンパク質
- ビタミン
- ミネラル
そして五大栄養素それぞれの役割は次のようになります。
- 炭水化物・脂質・たんぱく質⇒エネルギー源(カロリー)
- ビタミン・ミネラル⇒健康維持・体調管理
炭水化物・脂質・たんぱく質は三大栄養素と呼ばれ、我々が生きていくためのエネルギー源となります。
いわゆる「カロリー」は三大栄養素から摂取するわけですね。
一方でビタミン・ミネラルはカロリーにはならないものの、我々の健康維持・体調管理に寄与します。
例えばビタミンAは目や皮膚の粘膜を正常に保つ役割を果たしており、ビタミンAが欠乏すると夜盲症などの疾病になってしまいます。
栄養について簡単に理解できたところで、ベースブレッドの「完全栄養食」の定義を確認したいと思います。
ベースクッキーは「完全栄養食※」の定義は公式HPによると、次のようになります。
まずベースブレッドは1食2袋です。
蛇足になりますがベースブレッドを食べたことが無い方はイメージが付かないかもしれませんが、1食で2袋は下記画像のような量となります。

画像ではわかりにくいですが、普通のパンと比べてずっしりとして重いです。
完全栄養食の利点は「簡単に栄養が摂取できる」ことも重要なポイントなのですが、2袋となると食べるのに少し時間がかかってしまうことは否めませんね。
さてベースブレッドの定義として「脂質・飽和脂肪酸・炭水化物・ナトリウムを除いて」全ての栄養で1日分の基準値の1/3以上を含む、とありますので、カロリーとなる脂質・飽和脂肪酸(飽和脂肪酸も脂質の一部です)、炭水化物が不足する、つまり2袋を食べてもカロリーが不足するんじゃないかということが推測できます。
次に「ナトリウム」を除くとありますが、ナトリウム、つまり塩分は日本人が過剰摂取が懸念されている栄養素であるため、厚生労働省は摂取上限量のみがを設定しています。
ですのでベースブレッドの食塩含有量が少ないからといって問題になることはない、というか基本的に食塩は少なければ少ないほど現代日本人にの健康にはプラスに働く栄養素であると言えます。
ベースブレッド2袋分の栄養素を分析
では実際にベースブレッド2袋に五大栄養素、炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルがどの程度含まれているかを見ていきましょう。
まずは炭水化物・脂質・タンパク質の三大栄養素、つまりはカロリーがどの程度含まれているのかを厚生労働省が定める数値と比較します。
ベースブレッド2袋分の三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)
三大栄養素とは脂質・炭水化物・タンパク質の3つのことでで、Protein=タンパク質、Fat=脂質、Carbonhydrate=炭水化物の頭文字をとってPFCと呼ばれます。
これら3つの栄養素をバランスよく摂取することは人間の健康に重要な要素であると言われており、厚生労働省は、炭水化物・脂質・タンパク質の三大栄養素を、それぞれ摂取カロリーの何割程度摂取するべきか(PFCバランス)について公表しています。
厚生労働省によると、理想的な三大栄養素の摂取割合(上限と下限)は次のとおりとなっています。
- 糖質 50-65%
- 脂質 20-30%
- タンパク質 13-20%
ではベースブレッド2袋を食べるとどの程度のカロリーを摂取できるのか、またPFCバランスがどうなるかを見ていきます。
ベースブレッドは2023年1月現在で6種類の味が展開されていますが、1袋あたりのカロリー・PFCバランスやビタミン・ミネラルの含有量は味によって異なっています。
それぞれの味(種類)と厚生労働省の定める値(30代男性を想定)のPFCバランスを比較したグラフが次の画像です。

黒線が厚生労働省の定める三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)の上限と下限、黒線以外はベースブレッド6種類の三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)となっています。
黒い線の間にそれぞれの値が存在すればPFCバランスが良好であることを示すのですが、黒線の間に値がある栄養素の方が少ないことがおわかりいただけると思います。
つまりは全体的にカロリー不足のように見えます。
また、脂質とたんぱく質はそれなりに含まれているものの糖質は厚生労働省が定める値から大きく外れていることがわかります。
それもそのはず。
私が基準とした「30代で運動が普通程度の男性」は、1食分の推定必要カロリーは900kcalであり、この数値は全年齢・性別のなかで最も高い値となっています。
一方でベースブレッドのカロリーは味によって割と差異が大きく、それぞれ1袋のカロリーは次のようになっています。
種類 | 1袋あたりのカロリー |
シナモン | 262 |
メープル | 264 |
プレーン | 205 |
ミニ食パン | 233 |
カレー | 253 |
チョコレート | 264 |
ベースブレッドは1袋あたりの熱量が205~264kcalであるため、2袋を食べても410~528kcalしか摂取することができません。
つまり900kcal必要であるのに、410~528kcalしか摂取できないということになり、「30代で運動量が普通程度の男性」を基準にすると三大栄養素が不足するのは当たり前の話なのです。
では次に「30代で運動量が通常程度の女性」を基準にするとどのような結果となるのでしょうか?
「30代で運動量が通常程度の女性」は1食あたりの推定必要摂取カロリーは666.7kcalですが、ベースブレッド2袋を食べると次のようなPFCバランスになります。

必要カロリーが少なければ、多少見られるグラフになりましたね笑
1食あたりに必要な666.7kcalに対しベースブレッド2袋からは410~528kcalのカロリーが摂取できますので、女性の場合は脂質・タンパク質が基準範囲内におさまるケースも多くみられます。
それどころかもともと脂質が多く含まれていたカレー味は、厚生労働省が定める値を超えてしまうこともわかります。
種類によってバラつきがあるものの、これらの男性・女性のグラフから共に言えることは、ベースブレッドはとにかく糖質が少ないと言うことであり、脂質・タンパク質は厚生労働省が定める値を満たしている場合もある、ということです。
後述しますが、パンは小麦粉からできているので糖質・脂質・タンパク質のうち、糖質が大半を占めるはずです。
しかしベースブレッドは必要カロリーに対して脂質、次いでたんぱく質の順に多く、炭水化物の割合は極めて少ないことがわかります。
もともと炭水化物が多いパン製品の炭水化物をこれだけ削減したのは意図的だと思われ、ベースブレッドは糖質制限ダイエットなどに向けて製造された商品と言えるでしょう。
ベースブレッド2袋分のビタミン・ミネラル
次にベースブレッド2袋分にはどの程度のビタミン・ミネラルが含まれているのでしょうか?
→女性もいれる
厚生労働省の定める値(30代男性を想定)を1としたとき、ベースブレッド6種類にどの程度のビタミン・ミネラルが含まれているのかを示したグラフが次の画像になります。

真ん中の黒い丸が厚生労働省が定める値です。
ベースブレッドはモリブデンやミニ食パンのクロム含有量が多いため、円グラフが非常に見にくくなっているのですが、ざっと見た限り多くの栄養素は厚生労働省が定める値を満たしていることがわかると思います。
しかしボーダーライン(黒い線)上のビタミン・ミネラルは値を満たしているのかが分かりにくいため、ボーダーライン上の栄養素は下記のように表を作成しました。
シナモン | メープル | プレーン | ミニ食パン | カレー | チョコレート | |
食物繊維 | 0.94 | 0.94 | 0.91 | 0.91 | 1.02 | 1.2 |
カリウム | 094 | 0.94 | 0.94 | 0.94 | 0.93 | 1.07 |
カルシウム | 0.98 | 0.93 | 0.93 | 0.94 | 0.98 | 1.01 |
亜鉛 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | 0.98 | 0.92 |
上記の表をみると、厚生労働省が定める値を満たしていないビタミン・ミネラルであっても、少なくとも87%は値を満たしていることがわかります。
また繰り返しになりますが、上記の表は「30代で運動が普通程度の男性」を基準としているため、他の年代・性別の方がベースブレッドを2袋食べれば、厚生労働省が定める値をほぼ満たすことになります。
むしろ気にしなくてはいけないのが、ビタミン・ミネラルの過剰摂取です。
ビタミン・ミネラルには耐容上限量が設定されている栄養素があります。
耐容上限量とは「これ以上摂取すると逆に健康に害がある可能性が指摘されている」摂取量のことで、グラフを見る限りモリブデンの量とチョコレート味のクロム含有量が厚生労働省が定める値の9倍程度含まれています。
そのため耐容上限量を超えているのではないかと考えるのは尤もなのですが、実はベースブレッド2袋を摂取してもモリブデンやクロムを含め全ての栄養素で耐容上限量を超えることはありません。
モリブデンについては別途記事執筆予定です
ですのでベースブレッド2袋を摂取しても過剰摂取を心配する必要はないのです。
このようにカロリーが不足しているにも関わらず、ビタミン・ミネラルはほぼ厚生労働省が定める値を満たしており、やはりベースブレッドはダイエットを目指す人にとっては健康的に痩せられる素晴らしい商品であると言えるでしょう。
次に栄養素のうち上限のみが設定されているナトリウムと飽和脂肪酸について見ていきます。
ベースブレッド2袋のナトリウム・飽和脂肪酸の含有量は?
厚生労働省が摂取上限量のみを設定している飽和脂肪酸とナトリウム(食塩)は、ベースブレッド6種類にどの程度含まれているかを調査しました。
厚生労働省が上限量のみを設定しているということは、我々日本人が日常で過剰摂取をしがちな栄養素とも言うことができます。
まず厚生労働省が定める値(1日の摂取上限)は次のとおりです
- 飽和脂肪酸 総エネルギーの7%以下
- ナトリウム(食塩相当量) 男性7.5g未満,女性6g未満
飽和脂肪酸は厚生労働省の定める値では、総エネルギーの7%以下と目標量が設定されているので、1日摂取カロリーが3000kcal(男性)の場合、23.3g、2000kcal(女性)の場合は15.5gが上限となります。
ナトリウム(食塩相当量)は男性と女性では値が異なり、男性が1日7.5g未満、女性は6.5g未満となっています。
ではベースブレッドに含まれる飽和脂肪酸とナトリウムはどの程度なのでしょうか?
ベースブレッドの飽和脂肪酸量は不明
まず飽和脂肪酸ですが、ベースブレッドの栄養成分表示に飽和脂肪酸の欄はありませんので、不明です(笑)。
ベースブレッド2袋には15~26g前後の脂質が含まれています。
脂質は大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されますが、それぞれの含有量が不明なため、ベースブレッドの飽和脂肪酸が厚生労働省の定める値をクリアしているかどうかは、何とも言えません。
次にナトリウム(食塩)の量はどうでしょうか?
ベースブレッドの食塩は基準範囲を超えることも
ベースブレッドを男性が2袋摂取した場合、それぞれの味で何gの塩分を摂取することになるのか、そしてその量が厚生労働省が定める値のどの程度の値を占めるのかを示したが次の表になります。
味 | 2袋分の塩分 | 上限比率 |
厚生労働省が定める値 | 2.5g | - |
シナモン味 | 1.4g | 56% |
メープル味 | 1.4g | 56% |
プレーン味 | 1.4g | 56% |
ミニ食パン味 | 2g | 80% |
カレー味 | 2.42g | 96.8% |
チョコレート味 | 0.6g | 24.0% |
男性の場合、食塩の1日上限量が7.5gですので、1日3回食事を摂取すると仮定すると、1回の食事では2.5gの食塩が上限となります。
2.5gに対して、2袋のベースブレッドに含まれる食塩量は0.6~2.42g、百分率にすると27.6~96.8%と、食塩含有量は上限に達していないことがわかります。
次に女性を見ていきましょう。
味 | 1食分の塩分 | 上限比率 |
厚生労働省が定める値 | 2.17g | - |
シナモン味 | 1.4g | 64.5% |
メープル味 | 1.4g | 64.5% |
プレーン味 | 1.4g | 64.5% |
ミニ食パン味 | 2.0g | 92.2% |
カレー味 | 2.42g | 111.5% |
チョコレート味 | 0.6g | 27.6% |
女性の場合は上限値が6.5gと男性と比べ値が小さいため1食あたりの上限値は2.17gとなり、カレー味を2袋食べてしまうと食塩の上限を超えてしまいます。
ただ日本の成人食塩摂取量の平均は男性11.1g(1食あたり3.7g)、女性は9.4g(1食あたり3.13g)となっており平均と比較すると少な目の食塩含有量となっています。
ベースブレッドを必要カロリー分摂取すると、PFCバランスはどうなるの?
ここまでベースブレッド2袋分の栄養を解説してきましたが、ベースブレッドは1袋あたりのカロリーが205~264kcalであり、2袋を摂取しても摂取カロリーは410~528kcalとなるため、1食900kcalを必要とする30代男性の場合は、ベースブレッドを2袋摂取しても必要カロリーに満ちません。
ベースブレッドをダイエット目的で購入する場合は、カロリー不足であっても問題がない、というかむしろカロリー不足であって然るべきです。
しかし中にはダイエットを必要とせず、ベースブレッドから必要なカロリーを摂取したいと考える方もいらっしゃるでしょう。
ではベースブレッドを必要カロリー分摂取するとどのような栄養バランスになるのかを見ていきたいと思います。
なお最初にお伝えしておくと、ベースブレッドを900kcal摂取するにはプレーンだと4.4袋、メープルでも3.4袋を摂取しないといけないため現実的な方法ではありません笑ので、参考程度です。
ベースブレッドを900kcal摂取すると脂質が過剰になる
ではベースブレッドを必要カロリー(900kcal)分、具体的には3.4~4.4袋摂取した場合のPFCバランスを見ていきます。
運動量が通常程度の30代男性が1食に必要なカロリー(900kcal)分の完全食(※)BASEブレッドを摂取した時、三大栄養素をそれぞれ何kcal摂取しているかを計算した結果が次の表です。
糖質(kcal) | 脂質(kcal) | タンパク質(kcal) | |
厚生労働省 目標量(男性) | 450~585 | 180~270 | 117~180 |
ベースブレッド(シナモン) | 370 | 328 | 185 |
ベースブレッド(メープル) | 381 | 316 | 184 |
ベースブレッド(プレーン) | 378 | 292 | 237 |
ベースブレッド(ミニ食パン) | 355 | 327 | 209 |
ベースブレッド(カレー) | 364 | 413 | 192 |
ベースブレッド(チョコレート) | 411 | 285 | 184 |
表では少しわかりにくいので、グラフにしたのが次の図です。

カレー味の脂質が飛びぬけていますが、全体的に脂質・タンパク質が多く、炭水化物が少ないことがわかります。
というか、厚生労働省が定める値の範囲内にある栄養素は全くありませんね笑
このことから、ベースブレッドを必要カロリー分毎日摂取し続けるのは、健康の問題上やめておいた方が良いなということが言えますね。
ベースブレッドは必要カロリー分摂取するとビタミン・ミネラルが超豊富になる
次にあなたが900kcal分のベースブレッドを食べた場合、ビタミン・ミネラルの摂取量はどのようになるのでしょうか?
ベースブレッドは必要カロリー分摂取すると耐容上限量を超えてしまう栄養素がある
これからお見せするグラフは、あなたが「完全食(※)BASEブレッド」を1食分(必要カロリー分、30代男性900kcal)摂取したとき、厚生労働省が示す推奨摂取量の何割程度のビタミン・ミネラルをBASEクッキーから摂取できるのかを示したチャートです。

モリブデンやチョコレート味のクロム含有量が多いことから、グラフが見にくくなっているのですが、厚生労働省が定める値よりも遥かに多い量のビタミン・ミネラルを摂取できることがわかります。
しかしあまりにもビタミン・ミネラルの量が多いために、一部耐容上限量を超える栄養素が出ていますのでまとめます。
- シナモン味はマンガンが耐容上限を超えている
- メープル味はマンガンが耐容上限量に達する
- プレーン味は、マンガンとモリブデンが耐容上限量に達する
- ミニ食パン味は、マンガンが耐容上限量に達する
- カレー味はマンガンが耐容上限量に達する
- チョコレート味はマンガンが耐容上限量に達する
ということで、ベースブレッドは900kcalを摂取するとすべての味でマンガンのみが耐容上限量に達し、プレーン味ではマンガンに加えてモリブデンが過剰摂取となることがわかります。
過剰摂取と言っても、あくまで1食分に換算した値ですので、ベースブレッドを900kcal分食べたからといって健康被害が生じるわけではありません。
しかしビタミン・ミネラルの観点からも、やはりベースブレッドを必要カロリー分毎食毎日食べ続ける行為は避けた方が良いと言えますね。
ベースブレッドを必要カロリー分摂取すると飽和脂肪酸と食塩は
では最後にあなたがベースブレッドを必要カロリー分摂取した場合、飽和脂肪酸と食塩が厚生労働省が定める耐容上限量を超えているかを見ていきます。
ベースブレッドを2袋食べた場合にも解説しましたが、ベースブレッドは飽和脂肪酸量は記載がないため測定不可能です。
ですので食塩のみを計算していきます。
ベースブレッド6種類を必要カロリー分(1食分)摂取した場合の食塩量と、厚生労働省が定める食塩の上限値を1食分に換算したもの、日本人の食塩平均摂取量の3つを比較したのが次の表になります。
味 | 900kcal分の塩分(男性) | 667kcal分の塩分(女性) |
厚生労働省が定める値 | 2.5g | 2.17g |
平均食塩摂取量 | 3.7g | 3.13g |
シナモン味 | 2.40g | 1.78g |
メープル味 | 2.39g | 1.77g |
プレーン味 | 3.07g | 2.28g |
ミニ食パン味 | 3.86g | 2.86g |
カレー味 | 4.12g | 3.06g |
チョコレート味 | 1.07g | 0.79g |
厚生労働省が定める値を超えている食塩量が、赤のマーカー部分になります。
ミニ食パンやカレー味に至っては、男女ともに日本人の食塩平均摂取量を超えています。
このことから、カロリーベースで見るとベースブレッドは食塩含有量が多い食品である(種類によりますが)と言えるでしょう。
食塩の含有量からも、やはりベースブレッドは毎日毎食必要カロリー分を食べる商品ではないと言えますね。
ベースブレッドと普通のパンの栄養を比較
最後にベースブレッドと普通のパン(ヤマザキ超熟4枚切り)を比較して、ベースブレッドの栄養についての記事を終えたいと思います。
完全栄養食に懐疑的な方の中には「ベースブレッドと言ってもただのパンでしょ?」と考えておられる方も多いはず。
ベースブレッドが普通のパンと比較して、栄養がどのように異なっているのかを見ていきます。
普通のパンとして比較するのが、ヤマザキ超熟4枚切りですね。

ヤマザキ超熟4枚切りは1枚あたりのエネルギーが246kcalで、ベースブレッドのミニ食パン1袋(233kcal)とカロリーが似ているため比較しやすいです。
ベースブレッドは普通のパンと比較すると圧倒的にビタミン・ミネラルが豊富
では早速ベースブレッド(ミニ食パン)とヤマザキ超熟4枚切りのビタミン・ミネラルを比較していきます。
ミニ食パンは1食あたり(2袋)、ヤマザキ超熟4枚切りはミニ食パン2袋と同等の466kcalあたりのビタミン・ミネラルを表示しています。

赤い線が食パン、青い線はベースブレッド(ミニ食パン)のビタミン・ミネラルですが、ベースブレッドはさすがというか、モリブデン以外は非常にバランスが取れていることがわかりますね。
一方で食パンも意外とビタミン・ミネラルが含まれていますが、栄養バランスはバラバラだと言わざるを得ません。
ビタミン・ミネラルに関しては完全栄養食のベースブレッドの完勝と言えるでしょう。
パン1種類だけ食べておけば、ビタミン・ミネラルの心配をする必要が無いベースブレッドは素敵ですね。
ベースブレッドは食パンの栄養と比較して、脂質とたんぱく質が多い
次にベースブレッド(ミニ食パン)と、食パン(ヤマザキ超熟4枚切り)のPFCバランス(炭水化物・脂質・タンパク質)の違いを見ていきましょう。
ベースブレッド(ミニ食パン)と普通の食パンをそれぞれ466kcal分摂取すると、PFCバランスにはどういった違いが生じるのでしょうか?
まずはグラフをご覧ください。

ベースブレッドと普通の食パンを比較した表を見る、PFCバランスは特徴的ですね。
まず普通の食パンは摂取カロリーのうち多くは炭水化物で占められていることがわかります。
食パンは小麦粉が主原材料で、小麦粉のほとんどはは炭水化物で構成されているのが理由です。
しかし超熟にはマーガリンが含まれていることもあり、脂質とたんぱく質もそれなりに含まれています。
一方でベースブレッドは普通の食パンと比較すると、PFCバランスが逆転しています。
炭水化物は厚生労働省が定める値より少なく、逆に脂質・タンパク質が厚生労働省が定める値を超えています。
つまりベースブレッドは「パンなのに炭水化物が少ない」ことが言えます。
「炭水化物が少ない」ということはいわゆる「炭水化物ダイエット」を志向する人向けの商品であると言え、やはりベースブレッドは健康的に痩せたい人に刺さる商品であると言えるでしょう。
ベースブレッドと食パンの塩分を比較
最後に、食パンとベースブレッドの食塩含有量を比較しておきます。
比較したのはミニ食パン2袋(466kcal分)と、同一カロリーの超熟4枚切りにおける食塩含有量です。
要は同じカロリー分のベースブレッドと食パンを食べると、それぞれ食塩含有量はどのくらいになるのかを調べたのですが、結果は次のとおりです。
比較対象 | 塩分 | 上限比率 |
厚生労働省が定める値 | 2.5g | - |
超熟4枚切り(466kcal) | 2.09g | 83.6% |
ベースブレッドミニ食パン | 2g | 80% |
ベースブレッド(ミニ食パン)は超熟4枚切りとほぼ同程度の食塩を含むことがわかりますね。
ただ、ベースブレッドのうちミニ食パンはカレー味に次いで食塩含有量が多い味になります。
シナモン味等、ベースブレッドの他の味は同一カロリーであれば超熟4枚切りよりも食塩含有量は少ないです。
先ほど説明した表を再度掲載します。
味 | 2袋分の塩分 | 上限比率 |
厚生労働省が定める値 | 2.5g | - |
シナモン味 | 1.4g | 56% |
メープル味 | 1.4g | 56% |
プレーン味 | 1.4g | 56% |
ミニ食パン味 | 2g | 80% |
カレー味 | 2.42g | 96.8% |
チョコレート味 | 0.6g | 24.0% |
この表を見ると、ベースブレッドは味によって差異があるものの、全般的には普通の食パンよりは食塩含有量が少ないと言えるでしょう。
ベースブレッドの栄養素・成分まとめ
ここまでベースブレッド1食分(2袋)や必要カロリー分を摂取した場合の、炭水化物・タンパク質・脂質(PFCバランス)およびビタミン・ミネラルの含有量について考察を行ってきました。
また併せて普通の食パンとベースブレッドを、栄養の面からどのような差異があるのかを検証しました。
これまでの考察を簡単にまとめると次のようになります。
- ベースブレッドのPFCバランスは、糖質が少なく、脂質・タンパク質が多い
- ベースブレッドの種類によっては脂質が厚生労働省が定める値を超えることもある
- ベースブレッドの食塩の含有量は意外にも多く、2袋で厚生労働省の基準を超えることもある
- ベースブレッドは毎食毎日食べていても、栄養がアンバランスなため健康にはなれない
- ベースブレッドのビタミン・ミネラル含有量はかなり優れている
- ベースブレッドは必要カロリー分摂取すると過剰となる栄養素がある
- ベースブレッドと食パンはPFCバランスが全く逆の関係にある
- ベースブレッドは低糖質・高タンパク・高ビタミン・ミネラルなのでダイエットに最適