ベースブレッドは完全栄養食※の名にふさわしく、非常に多くのビタミン・ミネラルが含有されています。
ベースブレッドは1食分が2袋の商品ですが、2袋のベースブレッドには、30代の男性を基準にすると1食に必要な約1.7倍のビタミン・ミネラルが含まれています。
単純に考えるとベースブレッドは健康に有益な商品であると考えれるのですが、ベースブレッドのビタミン・ミネラル量に疑問を持つ方もいます。
その理由の一つは、ベースブレッドのモリブデン含有量が多すぎるため、つまり「ベースブレッドを続けて食べるとモリブデンの過剰摂取になるのではないか?」という懸念があるからです。
果たしてベースブレッドに含まれるモリブデンの量は過剰なのかを、本記事で検証してみました。
結論から言えば、全ての種類のベースブレッドで1品目だけあるミネラルが過剰となりますので、記事を最後までお読みいただければと思います。
ベースブレッド2袋にはどの程度のモリブデンが含まれているのか?
早速ベースブレッドに含まれるモリブデン量を検証・・する前に、モリブデン以外のビタミン・ミネラルがどの程度含まれているのかを見ていきます。
ひょっとしたらモリブデン以外にも摂取過剰となりそうな栄養が含まれているかも知れませんからね。
ベースブレッドにはモリブデン以外にも多く含まれるビタミン・ミネラルがある
下記のグラフは、ベースブレッド2袋に含まれるビタミン・ミネラル量を、厚生労働省が推奨する1食あたりの量と比較したものです。
30代の男性を基準とし、厚生労働省が定める値を1としたとき(中央の黒い線)、ベースブレッド各種類がどの程度のビタミン・ミネラルを含むのかを視覚化しています。
ビタミン・ミネラルも含めたベースブレッドの栄養全般については別記事を執筆していますのでご覧いただければと思いますが、、含有量が明らかに多いビタミン・ミネラルがあることに気が付きますね。
モリブデンはもちろんですが、チョコレート味に含まれるクロムの量も多く、ナイアシンの含有量も少し多いと言えます。
ですので本記事ではモリブデンに加え、クロムとナイアシンの含有量についても調査します。
ベースブレッドに含まれるモリブデンは過剰摂取にならない
まずは皆さんが気にかけているモリブデンの含有量を調査しました。
上記のグラフは正確な値が分かりにくいため、ベースブレッド各種に含まれるモリブデン量を表にしました。
1袋 | 2袋 | |
プレーン | 48.2μg | 96.4μg |
チョコレート | 38.1μg | 76.2μg |
メープル | 48.2μg | 96.4μg |
シナモン | 48.2μg | 96.4μg |
カレー | 33.8μg | 67.6μg |
ミニ食パン・プレーン | 44.5μg | 89μg |
ミニ食パン・レーズン | 49.4μg | 98.8μg |
最も多いのはミニ食パン・レーズン味で、1食あたり98.8μgのモリブデンが含まれています。
他の味はミニ食パン・レーズン味よりモリブデン含有量が少ないため、今後はミニ食パン・レーズン味を基準に考察を行います。
さて、ベースブレッドの数字だけではモリブデンの量が多いのか不明ですので、「日本人の食事摂取基準2020」380ページより、モリブデンの推奨摂取量と上限量を見ていきます。
ちなみに、18歳未満のモリブデン摂取上限量は数値がありませんが、明確なエビデンスがないためであり耐容上限量がないわけではありませんのでご注意ください。
上記のモリブデンに関する数値を、必要な情報だけ抜き出してベースブレッドと比較すると次のようになります。
項目 | モリブデン含有量 |
---|---|
ミニ食パン・レーズン 1食(2袋)あたりの含有量 | 98.8μg |
1食あたりの推奨量 | 男性 10μg 女性 8.3μg |
1食あたりの耐容上限量 | 男性 200μg 女性 166.7μg |
厚生労働省の資料では、モリブデンの1日の推奨摂取量は30代男性で30μg、女性で25μgとなっています。
これは「1日分」の数値ですので、1食分に換算すると男性で10μg、女性で8.3μgとなります。
最初で見たグラフの通り、ベースブレッド1食分には男女とも厚生労働省の推奨量を大幅に超えるモリブデン量が含まれていることがわかります。
しかしここで注目していただきたいのは、耐容上限量です。
厚生労働省の表にある耐容上限量を1食換算すると男性で200μg、女性で166.7μgとなり、ミニ食パン・レーズン味を1食分食べたとしてもこの上限には達しないことがわかります。
加えて言えば耐容上限量は「習慣的な摂取量の上限」です。
仮に1日の合計でモリブデンの摂取量が、厚生労働省の定める値を超えても健康にすぐに影響がでるわけではありません。
まして1食分だけモリブデンの摂取量が多い程度では、何も気にする必要はないと言えます。
モリブデン以外は過剰摂取にならないかを調べた結果
ベースブレッドに含まれるモリブデン量は過剰にならないことはわかりましたが、冒頭で述べたクロムとナイアシンの含有量についても同様に検証た結果をお伝えします。
クロムはベースブレッドチョコレート味の含有量が多く、1食分に14.4μg含まれています。
この数字を厚生労働省の耐容上限量と比較すると、次の表のようになります。
項目 | クロム含有量 |
---|---|
ベースブレッドチョコレート味 の含有量 | 28.8μg |
1食あたりの推奨量 | 男性 3.3μg 女性 3.3μg |
1食あたりの耐容上限量 | 男性 166.7μg 女性 166.7μg |
クロムもモリブデンと同様、耐容上限量が大きいため、全く上限には達さないことがわかりますね。
次にナイアシンについても考察します。
ナイアシン含有量が最も多いベースブレッドはミニ食パン・プレーンで、1食(2袋)あたりに19.6μg含まれています。
この数字を厚生労働省が定める耐容上限量と比較すると次のようになります。
項目 | ナイアシン含有量(μg) |
---|---|
ミニ食パン・プレーン の含有量 | 19.6μg |
1食あたりの推奨量 | 男性 5.0μg 女性 4.0μg |
1食あたりの耐容上限量 | 男性 116.7μg 女性 83.3μg |
ナイアシンもやはり男女とも耐容上限量には全く達していないことがわかります。
これらのことから、ベースブレッド各種に含まれるモリブデン、クロム、ナイアシンいずれも1食あたりの含有量は厚生労働省が定める耐容上限量には達さない・・というか全く達していないため耐容上限量に関しては不安になることなく食べていただいて大丈夫であることがわかりますね。
唯一の例外を除いては・・
唯一、ベースブレッドで過剰摂取となるのはマンガン
これでベースブレッドを過剰摂取の心配なく食べられる・・・
と思いきや1点だけ過剰摂取となるミネラルが発見されました。
それはベースブレッドミニ食パン味に含まれるマンガンです。
項目 | マンガンの含有量 |
---|---|
厚生労働省の定める 1食あがりマンガン上限量 | 3.67mg |
ミニ食パンのマンガン含有量 | 3.8mg |
まずベースブレッドミニ食パン味に含まれるマンガンは1袋あたり1.9mgで、1食分換算すると3.8mgです。
一方、厚生労働省の定めるマンガンの1日当たりの上限量は11mg、1食分に換算すると3.67mgとなります。
わずかではありますが、ベースブレッドミニ食パンを2袋食べると1食あたりのマンガンが過剰摂取となります。
なお過剰摂取となるのはミニ食パン味だけで他の味は上限に達しません。
味の種類 | 1食あたりのマンガン |
プレーン | 2.8mg |
チョコレート | 3.4mg |
メープル | 2.8mg |
シナモン | 3.0mg |
カレー | 2.8mg |
ミニ食パン・プレーン | 3.8mg |
ミニ食パン・レーズン | 3.2mg |
毎日3食、ベースブレッドミニ食パンだけで暮らす人はまずいないと思われますが、その際はミニ食パンだけでなく他のベースブレッドも取り入れたりマンガン含有量の少ない食事を心がけた方が良いでしょう。
繰り返しになりますが、重要なのは1食や1日あたりではなく継続的に耐容上限量を超える量のビタミン・ミネラルを摂取し続けないことです。
1食分で耐容上限量を超える点について過剰に反応する必要はありません。